断腸亭料理日記2024

にら鶏炒め

4697号

12月9日(月)夜

さて、もつ鍋で使ったにらが、余っている。

ゆでるだけだが、おひたし?。

いや、おひたしは、寒かろう。
炒めるか?!。

と、いえば、ニラレバ、レバニラ。

にらとレバーの炒め物。
町の中華やの超定番。
うまいもんである。

さて。
唐突だが、ニラレバなのか、レバニラなのか。

これ、正解があると聞いたことがある。

正解はニラレバ。
レバニラは、赤塚不二夫先生が「天才バカボン」で
バカボンのパパに言わせたもので、以来、
一般に、レバニラの方が多く使われるようになった、と。

「バカボン」以前、町の中華やや、食堂では、ニラレバ
というのが普通であったということである。
ほう。なるほど、そんなものか。

「天才バカボン」が週刊少年マガジンに初登場したのが
昭和42年(1967年)、アニメ化が昭和43年(1968年)、
昭和46年(1971年)あたりのよう。
私の年齢でも気が付いたら「バカボン」は存在しており、
レバニラという言葉も自然に耳に入っていた。まあ、
ニラレバ、レバニラなどあまり子供が食べるものでも
ないし、それ以前、ニラレバと言っていたのは、まったく
実感はないのだが。

ともあれ。

ニラが先にくると、ニラが主役で、レバが先にくると
レバが主役、という感じもするのだが、実際店で
そこまで意識して作っている(た)とも思えぬ。
まあ、同じものといってよいだろう。

ともあれ、ニラレバはうまいのだが、一体どんな
料理なのであろうか。

そもそもなぜ、ニラとレバーの組み合わせなのであろうか。
それぞれ、単体、あるいは他のものとの組み合わせは
あまり見ない。

クセが強いレバーを同じくクセが強いニラで消す、
相殺するというのか、双方を食べやすくする、と
いう意図、なのであろう。

それが成功している炒め物といってよろしかろう。

が、ニラレバ、実は簡単ではない、のである。
作ったことがある方はおられようか。

レバーとニラをただ炒めればよいかというと、それでは
町の中華やのものには、ならないのである。
私もなん回もやってみて気が付いた。

まあ、端的にいうと、味付け。

中華やのノーマルな肉野菜炒めは、しょうゆのところも
あろうが、まあ、塩味の方が多いのではなかろうか。

キャベツやもやしに豚こま切れ肉であれば、塩だけで
十分にうまいものができる。

町の中華やのニラレバは、経験上、しょうゆ系の
味付けがほとんどだと思っている。

ただ、これでも、まだ、中華やのものにはならない。
なにか、足らない。
外のものを食べて気が付いたのは、甘味。
しょうゆだけではなく、しょうゆの甘辛なのである。
量は多くはなかろうが、甘味が入っている。
レバーにはしょうゆの甘辛が合う。

そして、もう一つ。
今日は、レバではない。ニラを食べるためなので、
冷蔵庫にあった鶏もも肉でやってみることにした。
レバなしで、別の肉でも、十分に成立すると、
考えたのである。
よりクセのない肉であれば、なんら問題なかろう。

鶏もも肉は、細切りまでいかぬが、薄目にそぎ切り
にする。
ニラは5cm程度の長さ。

中華鍋で肉から炒める。

肉に火が通ったら、ニラを投入。

すぐに味付け。

紹興酒。これも甘味の一つ。それから、香り。
しょうゆ、そして、だめ押しの砂糖、小さじ1程度。

中華鍋上で、さっと和えて、出来上がり

皿へ。

ビールを開けて、食べる。

よし!、OK。

レバではないが、あの味になった。
肉が鶏なだけで、十分ニラレバ。

やはり、予想は当たっていた。

甘味は多くはないが、気持ち入ったしょうゆ味。
紹興酒もよかったと思われる。

そして、鶏はなんら、違和感はない。

よし。
こんど、ほんもののレバでやってみるか。

 

 

 

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