断腸亭料理日記2024
4543号
4月11日(木)第一食
さて。
またまた、そばシリーズ。
いつもよく行っているところではなく、
新規開拓。初めて行くところ。
先日の[志づや]にも近い。
東上野3丁目。
旧町では、やはり同じ南稲荷町。
[小倉庵]。
ここも場所を文字で説明しずらい。
永寿病院の一本北の細い通り、永寿の
ワンブロック東。
やはり、ご近所なので前はなん回も通り、
存在は知っていた。
和風だが、きれいな外観なので“趣味そば”系
かと思って、あまり興味を持たなかったのが
正直なところ。
が、今回調べてわかった。
[小倉庵]というのは、数も藪や砂場ほど多くないが
どこかおおもとの店があって、私の分類では老舗暖簾
分け系といってよさそう。
昭和44年(1969年)創業。現ご主人は二代目。
平成22年(2010年)店舗改装を機に、手打ちに
切り替えたとこと。今、さらに石臼挽き。
だが、ご飯ものもあるようなので、町のそばやの顔も
しっかりあるか。
また、昼夜通しでやっているよう。
これも私にはありがたい。
13時半頃到着。
昼の客がまだあり、なかなかにぎわっている。
このあたりも、半分オフィス街。
近所のサラリーマンの支持が強そう。
外観同様、店内も小ぎれいな和風。
あいていたテーブル席に掛ける。
見渡すと、仕事中ではない少し年嵩の女性二人、
ビールなど呑んでいる。
一杯呑んでもよいか、な。
そばは、どうしようか。
ここ、意外に安い。
鴨せいろ、1050円也。
これでいこう。
お酒、ぬる燗。
金婚正宗、ガラスの一合瓶。
金婚正宗というのは、豊島屋酒造というところの酒。
数少ない東京の酒蔵である。
ご存知の方はおられようか。
豊島屋は慶長元年(1596年)神田鎌倉河岸で「酒舗兼立飲み
居酒屋を始めた」とのこと。今年で創業なんと、428年。
鎌倉河岸というのは、今の首都高神田橋ランプあたりの
濠端北側。
余談だが、慶長元年(1596年)創業は凄かろう。
上方から移転してきた店であれば、もっと古いところも
いくつかあるが、江戸で開業し現代まで続いている暖簾
としては、最古ではなかろうか。
ご存知の通り家康が征夷大将軍になるのが慶長8年(1603年)、
関ヶ原の戦いが慶長5年(1600年)で、そのさらに4年前。
つまり江戸開府以前の江戸で店を開いていることになる。
そんなことがあるのか?。
家康が秀吉により関東へ国替えになったのが小田原征伐後。
江戸に入ったのが、天正18年(1590年)のよう。
ここから、江戸の街造りが始まっていると言えようが、
その頃に店を開いているということになる。
槌音が響く、石を運び木を削り、人々が汗をして働いている。
そんな人々に酒を出していたのであろう。
まさに、江戸の酒やとすれば、草分け中の草分けといって
よろしかろう。
味は、ノーマルな辛口。
鴨せいろもきた。
鶏ではなくもちろんちゃんと鴨肉と脂身、ねぎ。
つゆは、やっぱり、しょうゆの勝ったもの。
このあたりの味。
そばは流石にうまい。
ちょっと太めであろうか。
しっかりした、のどごし。
うまかった。
これで、1050円は安かろう。
翌日、今度はご飯ものも、と思ってまたきた。
玉子丼と冷たいそばのセットというのがあった。
800円也。これも、安い。
きた。
そばは、ざるではなく、丼に無造作に。
つゆと薬味。
お新香に、小皿は天かすのよう。
この天かす、つゆに入れるのか?。
とりあえず、つゆはそのままがよいのでそのまま、
手繰る。
やっぱり、そばがうまい。
これだけで、値打ちがあろう。
余った天かすは玉子丼へぶっかけてみたが、
もう一つ、意味が分からないか。
腹一杯。
ご馳走様でした。
昼ならば、いつもの元浅草[砂場]だが、
通し営業というのもよい。重宝するかもしれぬ。
台東区東上野3-6-6
03-3832-7743
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