断腸亭料理日記2023

断腸亭の夏休み2023 慶良間〜八重山 その10

4420号

さて、9月17日(日)。

今日は、渡嘉敷島から八重山竹富島への移動日。

6日間お世話になった、渡嘉敷島のケラマテラスから
渡嘉敷港まで送ってもらい、10時発の高速船、
マリンライナーで、那覇泊港へ。

泊港から那覇空港まで、タクシー。

那覇空港から、石垣空港へ。

JAL12:40発。ちょうど1時間、13:40、石垣空港着。

飛行機で1時間。
沖縄本島と、八重山石垣まで、かなりの距離がある。
調べると、400q。東京から大阪ほど。

本島との距離感がこれで知れよう。

沖縄県イコール、琉球王国と思うが、そうでもない
のである。
これだけ距離があると、言葉も文化も自ずから
異なっていることは想像できよう。

「1390年八重山が琉球(中山)王府の統治下とな」った
(石垣市観光交流協会)という。
以降、石垣など八重山と琉球は被支配、支配の関係に
あったと考える。
日本内地と違い、琉球など南西諸島は、人頭税といって
15歳以上50歳まで住民の数により税が掛けられた、と。
ウィキ

半農半漁の自給自足の上に、税を拠出しなければならず、
負担は重かったよう。

こんなことも頭に置いておく必要はあろう。

ちなみに、先島諸島というと宮古島は入り、
八重山というと宮古島は入らない。
やはり、文化的に区別されてきたといえよう。

石垣空港。

「南ぬ島」石垣空港とある。
ハイヌシマと読むよう。

南をハイと読んでいる。
違和感を感じる人もあろうが、例えば、山口県下関に
南風泊(はえどまり)という港がある。
西日本では広く南(風)をハエといっている。
ハエ→ハイ。同じ言葉と考えてよろしかろう。

南ぬ島は、みなみのしま。
十分に日本語であろう。

ここから、石垣島の隣の竹富島まで移動するのだが、
石垣港から船になる。

石垣空港から石垣の離島行き港まで意外に距離がある。
20〜30分か。
これもタクシー。

今年3月、石垣島には南方防衛のため陸上自衛隊の
石垣駐屯地が開設された。50代くらいの運転手さんは、
この話を盛んにする。
隊員500名、家族含めて2000名ほどの人々が増えたのは
よいことだと。

もちろん、反対している方々も少なくないのであろうが、
こういう意見もある。
石垣島は太平洋戦争で地上戦にはならなかったが空襲の
被害にはあっているよう。

石垣駐屯地は、地対艦ミサイル、地対空ミサイルが
配備され、我が国の防衛の前線基地になっている。
むろん、実際の戦闘にならないよう外交努力が第一。
ただ、丸腰でいるわけにもいかない。
先の渡嘉敷島上空は、航空自衛隊の戦闘機の通り道に
なっているようで、一日になん度か上空を飛んでいるのを見た。
中国機などの領空接近によるスクランブル発進の回数は
日本一という。おちおち寝られない過酷な勤務であると。

楽園の「南ぬ島」とばかり思っていられぬ今を改めて
思い知らされる。

ともあれ。
石垣港から、竹富島へ船で移動。
これも20分ほど。
竹富町になるわけである。竹富町は、竹富島以外にも
小浜、西表、波照間などなど与那国町与那国島以外の
島々を含んでいる。
歴史的には琉球王国の八重山の役所は石垣島ではなく、
竹富島に置かれており中心的な場所であったよう。
(竹富出身者に琉球王国の官吏に出世した人があった
という関係のよう。)

竹富町役場というのは、竹富島にはなくて、町外の
石垣市のこの港そばにある、全国でも珍しい例。
これは、歴史的経緯もあるようだが、交通の便から、石垣港
そばがよいよう。ただ、住民の最も多い西表島に置く
意向の住民投票の結果もあるよう。

竹富島に着き、迎えの車で[星のや]まで。
[星のや]は竹富の集落からは離れた、ジャングルの中。
それぞれが、沖縄の伝統的一戸建て平屋のコテージ式。

レセプションでチェックインをし“家”へ。

ちょっと、いや、大いに驚いたが、
こんな感じ。

モルディブだったり、南の島のリゾートで一戸建ての
独立したコテージは珍しくないが、赤瓦の平屋の
伝統的な沖縄の家というのは、すごい。

外は伝統的沖縄家屋だが、中はもちろんエアコン完備で、
広いフローリングのリビング、バス、トイレ、シャワー、
冷蔵庫、別にベッドルームがある。

この家のことはまた後で、詳しく書こう。

最初のディナーだけ付いている。

メインダイニングで時刻だけ予約。
歩いて出掛ける。

コースはフレンチで「島テノワール」という。

テノワールというのはワインでよく使われる言葉のようで
風土、というような意味のよう。
島の風土に根差した料理、といった意味か。

作るのは著名なフレンチシェフのようで、
最新、革新的、攻撃的?なコース。

一皿目、アミューズ。

メニュー上の表記は、ヒージャー ナス。

ヒージャーは、渡嘉敷でも書いたが、ヤギ。
はて?。


つづく


星のや・竹富島

 

 

 

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