断腸亭料理日記2023

人形町・洋食・そよいち

4339号

5月20日(土)夜

さて、人形町で洋食。

人形町というのは、古い盛り場である。
江戸初期には、吉原遊郭があり、芝居小屋もある
いわゆる悪所、などとも言われたところ。
また明治以降は、芳町、隣の浜町などとともに、
東京有数の芸者町であり、明治座なんという
劇場もできた。
この界隈はまた、第二次大戦の空襲でも多く焼け残り
芸者町であった頃の木造三階建ての料亭、なんという
街並みが少し前まで残っていた街でもあった。
まあ、今でもそんな香りを感じられる街である。
それで、変わってはいるが、古い洋食やが
今もなん軒か残っている。
むろん、それ以外にも料亭、すき焼き、鮨、軍鶏鍋
などなど老舗がごろごろ。

詳しくは「町歩き」をご参照。

で、今日は[そよいち]。

ビーフカツレツが看板の店。

人形町交差点のカウンターだけの小さな老舗
キラク]の分かれ。

(コロナ禍の影響であろうか[キラク]は今閉店中のよう。)

ここは日月の休み。
予約はできない。
17時半開店を目指して、内儀(かみ)さんと
タクシーで向かう。
拙亭のある元浅草からも人形町はそう遠くはない。

場所は裏通りでちょっとわかりずらい。
人形町通り一方通行で、タクシーで近くに行きずらい。
人形町交差点で降りて、人形町通りを水天宮方面に歩く。
お!?お祭り。このあたりはちょっと離れているが
椙森神社のよう。
甘酒横丁を右に曲がって二本目を左。
次の路地を右。

カウンターだけだが、広く明るい店。

先客は若い女性二人。

細面の眼鏡のお姉さんがカウンター向こう側の
調理場で忙しく立ち働く。
調理はほぼこの方一人。

ビールをもらう。
看板のビーフカツレツは頼むとして、
他にももう一品。
ハンバーグにしようか。
それから、コロッケも一つずつもらおうか。

どんどんとお客が入ってくる。
すぐに満席、で、ある。
流石の人気か。
ただ、男性一人のお客が多い。
そういえば、私もいつも一人であった。
内儀(かみ)さんとくるのは初めて。

ビーフカツレツからきた。

薄く揚げたビールカツレツが二枚。
揚げ色は濃いめ。
キャベツの千切りと、マカロニサラダ。

アップ。

レアめの揚げあがり。
最初は塩で。

サクサクの軽い揚げあがり。
やはり、塩がよい。

この肉、部位はなんであろうか。
カツレツはヒレが多いと思うが、多少歯応えが
あるので、違うのかもしれぬ。

また、マカロニサラダ。
まったく今時珍しいともいえる、ノーマルな
マカロニサラダだが、こういうのがうまい。

ハンバーグもきた。

目玉焼きのせ。

隠れて見えないが、ハンバーグの見た目は
いたって普通。
うまい、のだが、なんであろうか、なにか
スパイス?。
ナツメグが普通だが、オールスパイス、で、
あろうか。わからぬが。

コロッケ。

箸で切ってみる。

じゃがいもが、インカのめざめ、という。
かなりねっとり、あまい。

これも塩がよいかもしれぬ。

どこかで食べたことがあると思う。
上野[デリー]の日替わり、カシミールに
入っていたか。
だが、あれだけ味の強いカレーだともう一つ
微妙なところはわからない。

こういうシンプルなものがわかりやすい。

ビールも呑み終りご飯。

味噌汁もきた。
ここで、ご飯と味噌汁を食べるのは、
もしかして初めてかもしれぬ。
具は豚肉と大きめにきったごぼう。
豚汁。そこそこ濃厚。

うまかった、うまかった。

会計は〆て5500円也。

ご馳走様でした。

 


中央区日本橋人形町1-9-6
03-3666-9993 予約不可

 

 

 

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