断腸亭料理日記2022
4088号
5月17日(火)第二食
さて、火曜日。
今日も天気はよろしくない。
気温も低く、時に雨もパラパラ。
家にばかりいてもよろしくない。
久しぶりに上野の[ぽんた本家]
で、カツレツでも食べようか。
少し前にウイークエンドに内儀(かみ)さんと
行こうとTELをしたのだが予約で一杯であった。
ウイークデーであれば大丈夫であろう。
寒いので、短いステンカラーのコートを着て
自転車で出る。
と、すぐにパラパラと雨。
天気アプリには表示されていない。
これはやむか。
上野で買い物。
浅草にもあるが、最近ドンキホーテに
行くようになった。
食品が多いが、大容量で安いもの。
コーヒーがよい。
やはり雨はすぐにやんだ。
夜の開店、4時半すぎ[ぽん多本家]へ。
営業中の札を確認して、重い扉を開けて入る。
お、既にカウンターの両脇に二人。
開店前から並んでいたのであろうか。
一人、といって、真ん中の席へ。
お兄さんが注文を聞きにくる。
この方、20代、あるいは、30代ちょいか、
お若い。息子さんではなかろうか。
やっぱり、ビール。
キリンの中瓶。
それから、カツレツ。
今日は、ご飯も付けちゃえ。
ビールとお通し。
キリンラガーだが、クラシック。
お通し、これ、なんであろう。
ここでは、初めて見るのではなかろうか。
黒い、ちょっと不気味?。
つまんでみる。
ちょっとほろ苦い。
!。
あー、これ、鮑(あわび)の肝を煮たものだ。
ここには、私も食べるが、鮑のバタヤキがある。
その肝だ。
味は薄めの甘辛で、ほろ苦さと、磯の味
というのか、昆布のような香りとうま味。
まあ、珍味ではあろう。
呑んでいると、カツレツがきた。
やっぱり、お兄さんが、まだ呑んでいるので
ご飯は、後にされますか?と、聞いてくれる。
声を掛けてください、と。
カツレツでもビールを呑みたい。
ご飯と味噌汁は冷めてしまうので、
ずらしてもらえるとありがたいのである。
そばやなどでもそうだが、呑んでいる客に
こういう気遣いをするのが、東京の飲食店では
あたり前であったはず。
今となっては希少であるのは寂しい。
うっすらピンクの切り口。
塩である。
心配な油切れもよし。
流石である。
ここは脂身は取ってあり、肉だけのうまみ。
ビールを呑み終わり、ご飯を頼む。
ご飯と赤だし。
ここのご飯と赤だし、食べたことがあると思うのだが
こんな感じであったか。
ご飯ではなく、赤だし。
なめこ汁なのだが、秀逸。
表面に黒っぽい細かいものが少し浮いているのが
わかると思うのだが、これ、山椒。
この量でも飲むと、微かにわかるほどではあるが
これが絶妙にうまい。
赤だしというのは、赤味噌、八丁味噌だけではなく、
ノーマルな米味噌も合わせて使う。
出汁もむろん取ってあるのであるが、これで濃厚な
うま味になる。
この濃厚なうま味となめこの味、香りと山椒が
ドンピシャ、合っている。味噌汁に山椒を入れる
というのは、昔からなくはなかろうが、
なんとなく入れたのではなく計算されたものであろう。
たまにはご飯も食べねば。
うまかった、うまかった。
ご馳走様でした。
お若いお兄さんは、調理場でご主人の作業を
後ろに立って、じっと見ていた。
息子さんであれば、五代目になるのか。
勘定に立つと、勘定もお兄さん。
にこやかで感じがよい。
たのしみ、で、ある。
台東区上野3-23-3
03-3831-2351
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