断腸亭料理日記2022
4080号
引き続き、ばくらうりの鉄砲漬け。
生のものを買ってきたのだが、農水省のもの、
塩漬けを使うレシピであった。
また、鉄砲漬けとして売られているものは、
スライスしていない、丸のままのもの。
中にこれも丸のままの唐辛子が入っている。
生の状態から、スライスせず、中のわたを
くり抜いているのであろう。
これは、ちと難しそうなので、スライスして
漬けることにしよう。
半分に切って、わたを取る。
ここからスライス。
ボールに入れて、たっぷりの塩。
もむ。
塩もみ、であるが、このまま置く。
すぐに、水が出てくる。
瓜というものを触ったことがある方はおられようか。
きゅうりよりはずっと果肉部分はしっかりしている。
2時間ほど置くと、もう既にたっぷり水が出てくる。
そう、この状態で既に、うりもみとして食べられる。
ただ、塩が強いので、塩抜きが必要。
食べる分だけ分けて、水に漬け、塩抜きをする。
これは味をみて30分ほど。
白胡麻なんぞも振って。
今日はほたるいかのぬた。
味噌は、西京味噌の辛子酢味噌。
ねぎは、ぬたいはいつもノーマルな長ねぎだが、
安くなっていた京都の九条ねぎ。
塩もみだけの、うりもみもうまい。
なんといっても、このパリパリした食感。
柔らかいという、ばくらうりだが、
しろうりと比べれば、多少柔らかいかな、
といった程度か。
水が大量に出てきたボールは水を捨て、
さらに塩を足して、もむ。
そして、今度はラップをかけ、その上に小皿、
そこに重石の3L入りのPETボトルのしょうゆを
置いておく。
塩漬けというのどのくらい漬ければよいのだろうか。
最低でも、2〜3日は必要ではなかろうか。
どんどん出てくる水を捨てながら、
塩もみを繰り返し、丸2日。
3日。
どうであろうか、だいぶしんなりしてきた。
緑の皮の部分もよい表情に変わってきた。
これでいってみようか。
かなり塩が入っているので、塩抜き。
水に漬けて半日ほど。
かじってみて塩が抜けているのを確認。
絞る。
回転させるサラダ用の水切りである。
これ便利。
漬け汁である。
レシピから比率をきちんと計算して量る。
これは大事であろう。
大葉を買ってくる。
青唐辛子は粉の赤唐辛子で代用すればよいだろう。
大葉は余らせても仕方がないので、一束全部を
荒い千切りにする。
このままやっぱりラップを落としぶたに
小皿、重石をしてまず、1日。
農水省のレシピではつけ汁を毎日切って、
一度煮立て、冷まして再び漬ける、と書かれている。
これはどういうことであろうか。
漬物というのは、主として乳酸発酵させるわけだが、
鉄砲漬けは、発酵させないということであろう。
おもしろい。
1日目、レシピ通りつゆを切って、煮立て、
冷まして再度漬けるをやってみた。
これを1週間?。
煮立てるのは1日で面倒になってしまった。
一度煮立てているので、既に菌は死んでいるだろうと
勝手に解釈し、2日目からは、冷蔵庫に入れて
置いておくことに。
味見はしている。2日めはまだまだ。
だが、3日目あたりから、味が染みてくる。
味は、砂糖がそこそこ入っているので、甘辛。
そこに気持ち、酢が入り、なかなかの塩梅。
先日のキューカンバーのサンドイッチできゅうりも
そうであったが瓜はやはり酸味との相性がよいのだろう。
そして、パリパリの食感。
しそもよいアクセント。不可欠であろう。
唐辛子。鉄砲漬け自体は辛さを前面に出した
漬物ではない、ほんのりピリっ、程度。
これもちょうどよい感じになった。
本物は表側の皮がほぼ色が抜けている。
ここが違う点であるが、塩漬けをしてかなりの時間が
経っているのであろう。
青いのは問題はないかもしれぬ。
そして果肉部分、これはもう少し水分が抜けても
よかったかもしれぬ。白い部分が透明になるほどか。
塩漬けは1週間程度は必要であったかもしれぬ。
だが、初挑戦にしては、御の字。
そこそこ本物を再現できているのではなかろうか。
毎日少しずつつまんで、これはつゆに漬けて1週間、
連休終盤。
ほぼ食べ終わり。
時間と手間はかかるが、千葉伝統の瓜の鉄砲漬け、
瓜の食べ方としては、上等であろう。
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