断腸亭料理日記2021

郡上鮎・塩焼き、鮎飯

3938号

9月22日(水)第二食

水曜日。
今朝は、少し寒くなったのか、
富士山で初冠雪が観測されたとニュースで
やっていた。

まあ、私など、起きる時刻は遅いので
わからないが。

天気はわるくない。
晴れ間もある。
が、にわか雨の予報も出ている。
そこそこ蒸し暑い。

今日もやっぱり、吉池へ。
今日は、なにがあるか、な?。

対面の売り場。

お!。

天然、鮎?!。
郡上鮎、とある。

岐阜の郡上八幡、でよいのか。

一匹、300円超。
養殖であれば一匹100円ほど。
それも一緒に並んでいる。

天然鮎、というのは、まあ吉池も含めて
滅多に、いや、まったく並ばない。

量も少ないのだろうし、料亭など料飲店にまわって
しまうのであろう。

どうしても天然鮎が食べたければ、取り寄せ
しかない。まあ、売っているところは、高知、和歌山
あたり、そこそこあるので、これですむ、のであるが。

ともあれ。
こんな時期なので、吉池にも入るのであろう。

このチャンスを逃す手はなかろう。

鮎は、鮎飯と塩焼き、四匹買おう。

ちょっと久しぶりだが、鮎は、池波レシピ。
塩焼きも鮎飯共に、エッセイ、時代小説にも
多く出てくる。池波正太郎先生の大好物で
あったようである。

吉池には、たで酢もちゃんと売っている。
小袋もあるので、それを購入。

帰宅。

これ。

ラベルには養殖とある。
これは吉池の間違いであろう。郡上鮎というのは、
郡上市八幡町の郡上漁協のブランドで天然鮎で
よろしかろう。
天然鮎など普段扱わないので、出てしまったのか。

出すとこんな感じ。

見た目で天然か養殖かなど、私にはわからぬが、
鮎というのは、よい色である。

鮎飯用に米を先に研ぐ。
酒を入れて浸水させなければならないので、
時間が掛かり、3時間は必要。

日本酒をドボっと。薄口しょうゆを少し。
あとは、目盛りまで水。

鮎の場合、味がデリケートなので、薄口がよかろう。

3時間。

酒を入れても、3時間あれば、十分に米粒は
白くなる。
浸水させた場合は、早炊きでスイッチオン。

鮎飯用に二匹、腹を出す。

塩をせず、白焼き。
池波作品には白焼きとは出てくるが、腹を出すというのは
書かれていなかったのである。それで当初、腹を
出すことを知らず、四苦八苦したものである。

ガスのグリル、これは網で焼く。

自動にしたら、気持ち、焼きすぎか。

このまま、浸水したお釜へ。

後の二匹は腹はそのまま、鰭に飾り塩。

焼く。

ご飯も炊けた。蒸らして、開ける。

鮎を一度出して、頭、骨、尻尾を取り、
お釜に戻す。

よく混ぜ込む。

たで酢。

塩焼きも焼けた。尻尾にもっと塩をするのであった。

飾り塩は、焦げ防止でもあった。

ビールを開けて、食べる。

見た目にはわからぬが、天然鮎は箸を入れ、
食べれば、まあ、ある程度わかる。

まずは、香り。
鮎は香魚などともいうが、香りが持ち味。
独特の香ばしい香り。鮎はシシャモの類らしいが、ちょっと
似た香りである。
脂もあるように思う。
それから、たで酢、これも鮎の塩焼きには欠かせない。
なければ普通の酢、なのだが、たで酢はまろやか。

鮎飯をよそって、海苔。
鮎飯。

鮎の身もさることながら、これもやっぱり、
香りであろう。飯全体に芳しい鮎の香りが付いている。

これを家で食えるのは、めっけもの、で、ある。

 

 

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