断腸亭料理日記2021

吉野家/長芋とろろ汁/元浅草砂場

3815号

今日は三本。

3月14日(日)第一食

吉野家

休日は、チェーンに行くことが多い。
今日は[吉野家]。

書いている通り、私は吉野家の牛丼が好物、
で、ある。
ただ牛丼ではなく、吉野家。
吉野家の他のものでもなく、牛丼一本槍。
いつ食べても、うまい。

もう本格的な、春、で、あろうか。
今日は薄いコートだけ。
もちろんマフラーもなし。
自転車で出る。

拙亭に最も近い稲荷町の店。

カウンターに掛け、いつもの通り、
並と玉子。
これも一本槍。

きた。

この仕切りの狭さ。
博多ラーメン[一蘭]は前からこれだったが、
この鶏小屋のような状況が一般的になってしまった。
いつまで続くやら。

牛丼に紅しょうがを少し取り、玉子を溶いて
しょうゆをたらす。

どんな状況でも吉野家の牛丼は、うまい。

吉野家

3月14日(日)第二食

長芋とろろ汁

上野をひとまわりして、佐竹商店街のスーパーに寄る。
下町の小さな食品スーパー。
先日の辛子菜を買ったところである。

長芋に目が留まった。
安い。
切ってない長いものが、200円ほど。
ここ、たまに野菜はおもしろいものがある。
あまり食欲もないので、とろろ汁にでもしようか。

長芋は、青森のもの。

鰹削り節で濃い出汁を取って

鍋ごと水に突っ込んで冷やしておく。

冷えたら、長芋。
洗ってガスの火で根を焼き切る。
もちろん、近づけすぎると、長芋が焼けてしまう。

半分ほど、切って、皮のままあたり鉢におろす。

このくらいは食べられるか。
長芋なので、ゆるい。

ここに冷えた出汁、しょうゆ、酒。
そして、全卵一つ。

よく混ぜて、味見。

OK。
とろろ汁の出来上がり。

とろろ汁、というのは、今日の長芋と
大和芋の類と大きく二種類に分かれる。

長芋の方が粘りが少なく、大和芋の類の方が
粘りが強い。
味も大和芋の方が濃いような気がする。
値段は大和芋の方が高い。

だが、どちらも、一長一短であろう。
そばやのつけとろなどは、私は好物だが、大和芋だと
粘りが強すぎてそばがつけられない。

また、とろろ飯などは、長芋でもよいが、
やはり濃い大和芋の方が、うまい。

今日のような長芋のとろろ汁、
するすると、いくらでも腹に入ってしまう。


3月15日(月)第一食

元浅草砂場

月曜日。
今日は、毎度お馴染み、お世話になっている
元浅草[砂場]。

1時をすぎており、かつ丼は切れており、親子。
もりそばのセット。

親子もうまいが、伸びるのでそばから手繰る。
箸先にわさびを付け、一口分そばをつまみ、
左手で、そば猪口を軽く持ちそばの先1/3ほどをつゆに
つけ、一気に手繰る。
毎度書いているが、そばを箸から放してはいけない。
そばすべてをつゆにつけると、濃すぎる。
それだけ東京下町のそばつゆは濃い、のである。

東京のそばの手繰り方というのは、マナー、
作法として覚えておいてほしい。
少し前まで、常識であったと思うのだが、
地方から出てきた人であろうか、
知らない人も増えているようである。

もう一つ、前から気になっているのだが、レンゲのこと。
レンゲ、あるいはお玉を最近は温かいそばだと
つけるところが増えている。ここでもつける。
女性であればいざ知らず、男はレンゲを使うのは
やめた方がよいのではなかろうか。

少し前までそばやでは出さなかったと思う。
歴史的には器はもっと小さく、基本やはり左手で
持って勢いよく手繰り込む。
今は器が大きくなり、ちょっと重いが、持てないことはない。
まあ、せめて左手を器に添えて、背筋を伸ばし、できるだけ
前かがみにならぬよう、かつ、ズズっと音を立てて
手繰るのが、作法、マナーではなかろうか。
レンゲに取って前かがみになり、モグモグ食べるのは
犬喰いにもなり、そばの場合決して美しくも
正しくもないと考える。

そもそもレンゲは外国人などで、啜り込む
食習慣がない人のために出され始めたと思う。
そばは元来上品なものではない。日本人であれば、はねなど
気にせず音を立てて啜り込んでほしい。

 

 

03-3841-8001
台東区元浅草1-1-1

 

 

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