断腸亭料理日記2021
4000号
さて。
今年は今号でお仕舞とする。
年の最後なのでなにかまとめを書こうと
思ったのだが、号数が4000になっていたのに
気が付いた。
まあ、いい加減に振っているので、
前後はあるのだろうが、大幅には違っていない
のではあろう。
この日記を書き始めたのは、1998年10月。
なんと23年前。私は34歳。
まだまだ、ブログなんという機能はネットにも
なかったし、ツイッターなどのSNSもなかった。
HTMLをファイルを手動でアップロードしていた。
それで、今も手作業なのだが。
書き始めた動機は名古屋に単身赴任をしていたので
自分の食べたものを書いてみよう。できたら、
池波正太郎先生の食べ物エッセイのようなものが
書けたら、などと考えて書き始めた。
その後、名古屋から帰京し、動機がなくなった
のもあって、一時中断。
その後、40歳を越えて、子供もなく、なにか
残るものがあった方がよろしかろうと、
再開することにした。
これが2004年。ここからメルマガも同じものを
発行するようになり、4000号の号数はメルマガに
振っていたもの。
そして、2018年、55歳であったか、
ちょいと早く会社を退職。ぶらぶら暮らすように
なった。その一年半後には、コロナ禍。
フルタイムで仕事をされている方には申し訳ないが
なににも縛られない毎日をすごしている身には
コロナ禍でも、大きな変化がない、というのが
おもしろいことではある。
早く退職をして、働かずなんで暮らしているのか、
と思われるむきもあろう。おそらく書いている
と思うのだが、まあ、蓄えで暮らしている。
マンションのローンも終わっており、借金はない。
早く退職しても、退職金は50を越えているので満額。
そして、これがラッキーということだったのだが、
数年前、父の妹である叔母が未婚で子供もなく、
私達甥姪四人に遺産を残した。これがある程度、
まとまった金額であった。ファイナンシャル・
プランナー氏に計算してもらうと、なんら問題なく、
老後暮らせるであろうと。
こんなことなので、働かずに暮らせるのであれば、
なにかに縛られて働くのももうよいだろう。
30年以上サラリーマンをしてきたが終わりにしよう。
会社には世話にもなったが、その恩も
もう返し切っただろう。
これからは、自由に、ぶらぶら暮らそうと。
していることというと、コロナ禍でもあり、
この日記を書いていることぐらいであろうか。
ご時世でもあるが、それも不思議となにか
焦りのようなものは、あまりない。
つまり、なにかしなければというものはあまり
ない。
人生百年などというが、煙草もいまだに吸っている
私など、とてもそれほど長生きはできなかろう。
だが、それでもコロナ禍はいずれ終わる。
80まで生きるにしても時間は山ほどある。
やりたいこと、私なりの興味のあることも多少はあるが、
こんな時期、ぶらぶら、ふらふらのんびりしても
いいじゃないか、と。時期がきたらでよいだろう。
さて、自分のことはこんなところで
最近思うことを書いてみたい。
前にも書いているが、このコロナ禍で世の中も
大きく変わっている。コロナ禍後、戻ることも
あろうが、戻らないことの方が多いような気がしている。
いろんな意味で、時代の転換期になっている
のではなかろうか。
不要不急などという言葉が、日常使われる言葉に
なったが、ほんとうに必要なものを皆が考える
ようになった。
様々な価値観が見直されたといってよいだろう。
不要なものは不要。これは後には戻らなかろう。
また、程度の問題はあろうが、若者の価値観が
台頭し、国を含めて日本の年寄、大人の価値観の
ようなものが、駆逐され始めたのでは、なかろうか。
時代に合わなかったり、コロナ禍にちっとも
役に立たなかったことも、露呈してもいた。
これも様々な価値観が見直されている一つ、
であろう。
我が国では国連の提唱するSDGs運動も
その見直しに一役買っているのだろう。
一方。この若者価値観の台頭には、私などの
年寄からすると、多少物申したいこともある。
SNS社会に加えコロナ禍の影響もあろう、
若い人達の、コミュニケーション能力の低下が
目立つように思う。例えばチャラい若者が世に
増殖している。
私などあまり若者との接触はないのだが、
数少ない中で、ラーメンやのバイト君バイト嬢、
アマゾンの宅配アンちゃん、でもひどいのがいる。
若者言葉、自分たちのノリのまま、お客に
対応しているのよく出くわす。
とあるラーメンやで、
食券先にもらっちゃいまぁ〜〜す。
本人、こんな言葉を使って、イケテルつもり、
だったりするのであろう。
場末のラーメンやであっても、場末の社会人としての
客への言葉遣い、気遣い、対応は存在する。
知らなくてよいと思っているのか?。
皆、学校を卒業して社会に出る時に、覚えて
いくものであったが。
誰か教えてやればよいと思うが、
彼らもそのうち、コロナ禍が終われば、
会得するのであろうか。
若者価値観台頭のまま、あの態度が続いて
いくのか。
まあ、年寄の嘆き、ではある。
さてさて。
この一年、ご愛読いただいた皆様に、深く御礼を
申し上げる。
こんなご時世、皆様には多難な日々を送られて
いたことと思われる。
おそらく、コロナは1〜2月には再度の感染爆発が
起き、なん度目かの緊急事態になるのであろう。
まだまだ、耐えることになると思われる。
皆々様には、くれぐれもご自愛くださり、ご健勝を
お祈りする。
また、駄文ではあるが、明年も何卒宜しくご愛読のほど
お願い申し上げる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
よいお年をお迎えください。
断腸亭
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