断腸亭料理日記2020

うなぎ・小島町・やしま

11月27日(金)第二食

さて。
小島町[やしま]

書くのは久しぶりである。

もちろん、食べてはいるのだが。

今日は内儀(かみ)さんの希望。

拙亭に最も近い飲食店の一つであり、
最も近いうなぎやであり、最も近くにある
銘店といってよいだろう。
(名店の方がよいか。)

ご主人とも懇意にさせていただいている。

私の方は、七軒町でご主人は春日通りの南の小島町で
町内会は小島二丁目東で、違っているが、
数少ない道でお会いして挨拶をするご近所の方ではある。
この地に住まって15年以上になると思うが、生まれ育った
わけでもなく、サラリーマンをしていた私など
そんなものである。

今日は、こんな時期なので、持ち帰り。
お店のことを考えても、持ち帰る方が
よいだろう。

また、うなぎにしても、鮨にしても、そば、
ラーメンにしても、今はこの界隈でも出前をするところは
少なくなっていると思うが、元来は一般的であったのでは
なかろうか。

5時頃、内儀さんが頼みに行き、6時頃取ってきた。

頼んだのは、白焼き一つとうな重二つ。

どちらも上で、白焼きは3,500円也。
うな重は3,700円也。

今年は、うなぎを食べる機会は減ってしまったが
値段はあまり変わっていないのか。

保温バッグに入れていくれる。
これは今年からか。

お!。
白焼き。

こんな箱入り。
新にデザインされたのか。

なかなかよいではない。
乙なもの。

開けると、こんな感じ。

むろん、まだ温かい。

やっぱりこれ、生わさびである。

基本、生わさびを常備するようになった。
これも今年の変化。
むろん安いものではないが、刺身、にぎりの鮨、
そばは家でもよく食べるし、生がうまいに決まっている。

おろして、皿へ。

店でも、もちろん本わさびであった。

江戸前のうなぎ白焼きは、
できれば、市販のチューブではなく、
生のわさびで食べたいもの。

[やしま]も含め、東京下町の名のあるうなぎやの
白焼きは、生ぐさいということはもちろんないが、
それでも本わさび。

刺身のように、量はいらなかろう。
だが、やはりこの香り、で、ある。
ちょいっとでも、ほしい。

これが家で食べられるのは幸せ、で、ある。

うな重。

お新香は付いている。
肝吸いは、残念ながら、なし。

アップ。

飯粒を、ご覧いただきたい。
お分かりになろうか、しっかり堅めに炊かれている
のである。

うなぎに限らず、天丼でも然り。
東京の丼物は、やはりキリっと堅めでなくては
いけない。

そして、蒲焼。
これも、キリっと辛口、というのか、
さっぱり。
やはり、江戸前といってよい。

東京のうなぎやでも、べっとり濃いめ、甘め
のところもなくはない。
山手はどちらかといえば、そうかもしれぬ。

だが、浅草は、この味、で、ある。

そして、これもまた、幸せ。

毎度思うが、東京のうなぎ蒲焼、うなぎ飯(丼、重)、
白焼きも含めて、東京固有の伝統料理。
これだけうまい、うなぎ料理は、日本中に他には
断じてない。名古屋もうまいが、別物である。
東京都は東京の重要無形食文化財にして
然るべきである。
(にぎりの鮨、天ぷら、そばも忘れてはいけないが。)

もちろん、これには資源の保護も含まれる。
伝統料理は、持続可能でなくてはいけないのは
いうまでもない。
技術の継承とうなぎの保護はワンセットである。

未来永劫、うまい東京のうなぎ料理を食べたい
ではないか。

ご馳走様でした。

来年になれば、お店に行けるであろうか。

 


03-3851-2108
台東区小島2-18-19

 

 

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