断腸亭料理日記2020
5月16日(土)第二食
さて、表題の、中華風牛バラ肉カレー。
あまりピンとくる方は、おられなかろう。
まあ、創作メニューのようなものである。
今日は雨。
あまり遠くに買い物にも行きたくない。
とすると、私の場合、御徒町の吉池などに行けないので、
魚は消える。
また、ではあるが、肉。
そこで、最初に思い付いたのは、
牛バラ肉かけご飯。
これは、今は閉店してしまった、日比谷の広東料理店[慶楽]、
この店は“池波先生行き付け”ではあったのだが、
私はそこのメニューとして、出会った。
しょうゆ味の牛バラ肉の煮込みであるが、実際にはこの店オンリーの
メニューではなく、中華ではまあ、ノーマルな料理であろう。
随分前にレシピを調べて、自分でも作り始めた。
これそのままでもよいのだが、ちょっとアレンジをしてみよう
と考えた。カレー、で、ある。
中華のカレー。
中華でもカレーはある。
色々あるのかもしれぬが、とろみ付きの煮込みを
しょうゆ味などではなく、カレー味にしてご飯にかける
メニュー。
つまり中華丼の餡をカレー味にしたものと
思っていただければよいか。(他にもあるかもしれぬが。)
日本やインドのカレーとも違い、ちょっとまがい物っぽい
感じも漂うのだが、意外に私はきらいではない。
それをこの牛バラ肉の煮込みでやってみたらどうか、
と、考えたのである。
ハナマサで牛バラ塊と長ねぎを買ってくる。
これ、かなり手間がかかる。
揚げて、煮て、蒸す。
それも今日は、少し合理化してみよう。
牛バラ塊。
一口に切って、下味。
しょうゆ、紹興酒、五香粉がオリジナルで、しょうゆは立たせる。
これを五香粉はそのまま、カレー味の仕上がりにするため、
しょうゆは入れるがほんのちょっと。代わりに、塩を足す。
30分ほど漬ける。
衣はなし。これをそのまま揚げる。
170℃で、色が付くまで比較的しっかり揚げる。
肝心な揚げあがったものの写真を撮り忘れてしまった。
ねぎの青いところ、生姜、にんにくスライスを用意。
これを炒めて、香りを出す。
もちろん、オリジナルは中華鍋であるが、このまま
ここでスープを作り、揚げた肉を煮込もうと考えた。
実際は、柔らかく煮込むためにスープに浸した状態で
器に入れて、蒸す。
これを圧力鍋で柔らかくしてしまおう、という算段。
ここに、水、味覇(中華スープの素)。八角、しょうゆは
やめて、塩。
少量の赤唐辛子粉末。
煮立てる。
揚げた肉を入れる。あんかけにするので水分は多め。
ふたをして、加圧、今日は弱火で7分。
消火、放置30分。
煮えた。
一応、味見。
うん、うん、スープだけでもなかなかうまい。
これだけでもよいのだが、玉ねぎでも入れよう。
フライパンでスライスを別に炒め、カレー粉・S&B赤缶。
ここに一人前分の肉とスープを入れる。
味見。
ん!、かなりよい。
水溶き片栗粉でとろみ付け。
冷凍ご飯を温めて、かける。
出来上がり。
これ、思った以上、考えた以上にうまくできた。
この味、想像があまりできないかもしれぬ。
スープのうまみが少ないと、片栗粉だけでとろみ付けした
ものは、あまりうまくないそばやのカレー南蛮のようになる、
のである。
味覇の威力もあろうし、牛バラからも味が出ている。
なかなかうまみの濃いスープである。
もちろん、牛バラも柔らかく煮えている。
皆さん、牛バラというのは、カルビのことというのは
ご存知であろう。焼き肉のようにスライスであれば
堅いと感じることはないと思う。
だが、塊の場合、堅い。特に筋が噛み切れないことがある。
従って、柔らかくするため長時間煮込まなくては
ならない。オリジナルはスープに入った状態で蒸す。
やはり、この料理は圧力鍋に向いていた。
成功、で、ある。
塩味にしたので、残ったものにしょうゆを
少し入れれば、もともとの牛バラ肉煮込み。
飯にかければ、牛バラ肉かけご飯になる、
というわけである。
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