断腸亭料理日記2020

新たけのこ

3月28日(土)第二食

さて、やっぱり、土曜日。

実は、焼きそばの材料を買いに出た時に、
新たけのこを見つけた。

この時期、新たけのこは、柔らかく、うまい。
べら棒にうまい。
忘れずに、食べたい。

少し前から出回り始めていたが、
ハナマサで一本398円。
ちょいと安い。

が、あく抜き用に必須のぬかが、、、。
むろん、ぬか漬け用の大きな袋のものは置いているが
ぬか漬けをしているわけではないので、こんなものは
いらない。
小袋のぬかを置いてほしいもの。

ハナマサの至近にライフがある。こちらものぞいてみる。
ライフは500円弱で、やはりちょい高。
が、小袋は置いてある。

小袋はこちらで買ってたけのこはハナマサで。
小さなものを二本。

小さい方が柔らかかろう。
一本ではいくらもないので、二本。

こんな感じ。

この時期の新たけのこというのは、
ほぼ間違いなく、福岡産。

夜を目指して、夕方から調理開始。

洗って、穂先を斜めに切り、縦に切れ込みを入れる。

なぜ、こんなことをするのか。
熱が入りやすい?。それもあろうが、
先の方は皮だけなので、切ってもよいわけだが、
縦の切込みを入れると、むきやすい。これもあろう。

圧力鍋を用意。

普通にゆでると、小一時間。

圧力鍋を私は多用するが、圧を掛ける時間を適切にすれば
なんら問題はない。

ぬかも入れる。

これで、ふたをし、点火。
加熱、加圧。
圧が上がったら、弱火。
これで、たけのこは15分。
タイマーで計る。

消火し、あとは放置。

普通に茹でるのとくらべ、ガスも節約できる。
また、放っておけばよいので、面倒がない。

熱が入るのには、さらに30分ほど置いておけばよかろう。

だが、たけのこはそのまま置いて、自然に冷やす。
すぐに出して、冷水で洗って冷やしてはいけない。
これは、灰汁を抜くためと、説明される。

やってみたことがないので、真偽のほどはわからない。
本当であろうか、とも思う。そもそも、ぬか、も
どれだけ役に立っているのか。科学的に検証されている
のであろうか。日本料理には、神話?おまじない?に
近いものが多いように思うのである。
ただ、調べると、米ぬかで茹でる方は、たけのこの場合えぐみは
シュウ酸で、シュウ酸にぬかのカルシウムが作用し、えぐみを
感じなくなるという。
(名古屋大学 http://www.energy.gr.jp/?page_id=2617 
など。)ある程度分かっていることのようである。

ともあれ、置いておくだけなので、
まあ定説に従って、さらに1時間、自然に冷ます。

開けてみる。

まだ、生温かいが、いいか。
洗って、むく。

どこまでむけばよいのか。
いつも多少迷う。むきすぎてしまわないか、と。
結局、食べられるかどうか。食べられるところを
残す、ということであろう。

これ、どう食べるか。
しょうゆと鰹節で煮る。

切る。

根本は比較的薄めに。

鍋に水、酒、しょうゆ、鰹削り節。

たけのこだと、薄口しょうゆの方がよいかとも思ったが、
やはり私の口には、濃口の方が合っていよう。
濃くもない、薄くもない塩梅。

長くは煮ない。
一煮立ちで出来上がり。

盛り付け。

若竹煮、と最初は思ったのだが、あれは若いたけのこ
ではなくて、わかめとたけのこだから、で、あった。

これは、ただの新たけのこ煮?。
いや、鰹節を入れているので、土佐煮、でよいよう。

新たけのこの土佐煮。

えぐみもまったくなく、香りもよく、
柔らか。

まったく堪えられない。いくらでも食べられる。

春以外は水煮しかない。
生からでなければ、この味は口にできない。

年がら年中、同じ野菜が食べられる今でも
残された数少ないものであろう。

 

 

 

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