断腸亭料理日記2020
今日はご近所二本。
書いている通り、私は台東区の元浅草というところに
住んでいる。隣接する町は、北が東上野と松が谷、
東が寿、南が小島と三筋、西が東上野、となる。
さらに、その間の北東が西浅草、南東が蔵前、南西が台東、
北西も東上野。
このあたりまでをご近所といってもよいのか。
最寄駅は大江戸線、新御徒町、蔵前。
銀座線、稲荷町、田原町あたり。
ここまで広げると、多少町の色合いは
それぞれ変わってくるが、ざっくりいえば、
今はオフィス街といってよいだろう。
試みに、平成17年国勢調査の、元浅草一丁目の昼間人口は
3093人、夜間人口は1325人。千代田区などに比べると
住んでいる人は多い。特に最近はマンションも増え、
夜間人口は増加傾向にある。
このコロナで東京中心部から、郊外への志向が強くなって
いるようだが、どうなるのか。
ただ、住んでいる人が多いというのは、よいことである。
元来の下町。今年は中止になったが鳥越、三社、下谷など
お祭りも盛ん。町内会もちゃんとある。
池波先生が永住町で育たれた戦前、前にも書いたが、
お祖父さんは錺物(かざりもの)の職人。
錺物というのは、金属の細かな加工をした、元来は簪(かんざし)で
あったり、建具など、建築用の金物といったもの。
今もバッジ、徽章であったり、金属加工の仕事をしている家、
会社もある。それ以外にも袋物(ふくろもの)というが
バッグ、財布など皮革関係の加工、卸、あるいは
江戸指物など木工、あるいは御徒町寄りの宝飾関係の
加工は有名。また、三筋には宮内庁に洋傘を納めている
会社など、減ったとはいえ、様々な手仕事をする家、
会社は多い。また、駒形には、バンダイの本社があるが、
駒形から蔵前、浅草橋にかけて、玩具関係、あるいは、紙、
文具、手芸関係その他、いわゆる雑貨といってよいのか、
の製造、卸関係の家、会社が多い。
そしてさらに、近年、蔵前を中心に、そういった
会社や家が、手仕事を生かした、お洒落でセンスのよい
雑貨のショップ、カフェ、ホステルなんというものも
でき始めて、街を歩く若い人達も増えている。ちょっと
おもしろいところになりはじめている。
大企業ではなく、先端のデジタルでもないが、日本らしい
繊細でセンスのよいモノづくりを発信する街。
そんな言い方もできるかもしれぬ。それも、歴史的に
長い蓄積があって。
元来の下町であるが、こういった街に、住んでいる人も
増えているということは健全なことなのではなかろうか。
気になるのは、佐竹商店街だったり、鳥越おかず横丁、
シャッターの目立つところ。
下町が下町然としていた名残といってよいのかもしれぬ。
雰囲気はよいので、よく映画やドラマのロケに使われいるが、
そうそう楽観すべきものではないようにも思われる。
どんなものなのか。
さてそんな界隈。
いつもお世話になっている元浅草[砂場]。
12月11日(金)第一食
ミニかつ丼と、寒くなったので、かけ。
この、なにものっていないかけそば、
なんだか、潔くってよいではないか。
気に入っている。
浅草並木通りの[藪蕎麦]のかけのつゆはもっと濃く、
そば湯が出るが、そこまでではなく、ちゃんと飲める。
すっきり温かいそば。
うまいもの、で、ある。
03-3841-8001
台東区元浅草1-1-1
天ぷら、蔵前[いせや]。
12月11日(金)第二食
ご存知の吉原大門前、日本堤の老舗天ぷらや
[土手の伊勢屋]のご親戚。
この界隈、実はてんぷらやもかなり多い。
いつもお世話になっている三筋[みやこし]
だったり、他にもいくつかある。
今は鮨やは減って、天ぷらやの方が多いかもしれぬ。
東京の天ぷらは二種類に分けられよう。
元来江戸・東京の天ぷらは、江戸前の魚を
ぼてっとした衣で揚げ、かき揚げ、天丼など。
これに対して[みやこし]などもそうだが、
お塩でどうぞ、の、薄衣で揚げるところ。
高級カウンター店などは、こちら。
時代とともにこちらが主流になってきたと考えている。
蔵前[いせや]は元来の江戸前天ぷらである、
ちょっと厚めの衣。
この界隈には両方複数あるのが、よいところであろう。
今日は、出前をお願いした。
受け取った内儀(かみ)さんによれば、まだ時刻が早いせいか、
ご主人自ら届けにきていただいたよう。
天ぷら上と、天重上。
種は一緒でご飯のあるなしの違い。値段は一緒。
小柱のかき揚げに、海老天二本、野菜天は
かぼちゃ、きぬさや、蓮根。
しっかりした衣に既に天つゆがかかっている。
まだ温かい。
ビールを開ける。
これをさらに甘めの天つゆにつけて食べる。
うまい、うまい。
台東区蔵前4丁目37-9
03-3866-5870
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