断腸亭料理日記2020
12月19日(土)第二食
さて、今日は、赤酢の酢飯シリーズ。
なにか、〆た魚が食べたい。
吉池、で、ある。
2時頃きてみると、土曜日で結構な人。
と、珍しく、開いた小肌があった。
9月に見つけて〆てみた。
やはり、早い時刻だとあるのか。
聞くと、残枚数、12枚。
10枚下さい。
帰宅。
一枚80円。おろす手間を考えれば安かろう。
ちょっと小さいがおわかりになろうか、産地表示。
千葉県富津。
ほんとであろうか。
東京に出回っている小肌は、三河湾、九州有明海、
天草、こんなところが多いのではなかろうか。
先日の鱸ではないが、江戸前すべてよいもの、
というほど単純なものではないと思うが、珍しい。
どんなものか。
出すとこんな感じ。
ちょっと小さめであろう。
小肌は、身が薄い方がよろしい。
しかし、プロの仕事。
実にきれいにさばくものである。
両面塩を多めに。
1時間半。
大分水が抜け、色も変わった。
身が薄いので、このくらいの時間でよさそう。
ボールに移し、そのままの穀物酢を入れ、
洗う。酢洗い。
いつも通り、水と穀物酢、1:1の半割の酢に
漬ける。塩抜きを兼ねている。
同時間、1時間半。
こんな感じ。
いい感じ、のよう。
ペーパータオルでよく水分をふき取って、
干す。
風呂場へ移し、換気扇を回してみる。
窓も開けてある。
乾燥もしているし、寒い。
小肌は一晩干すのがセオリーであるが、
まあ、2時間あれば、まだよいか。
1時間後、米を研ぎ、カタメモードでスイッチオン。
箍(たが)を〆るため飯台に水を張って湿らせておく。
様子をみてみる。
おお、乾いている。
酢〆をした小肌を干すのは乾燥だけではなく、
熟れさせる、という意味もありそうだが、
これでいってみよう。
鮨酢を用意。
これもいつもの通り、赤酢:穀物酢、7:3程度、40cc。
飯が切れたら、8分蒸らして、混ぜ込む。
動画(4/15)
混ぜ込んだら、やっぱり8分。
わさびもおろす。もちろん、本わさび。
小肌一枚を半身に切る。
この半身でにぎり一つ分でよいだろう。
にぎりとしては、この大きさはやっと、
鮨やのものに近づいてきたか。
にぎる。
動画(9/29)
前回よりも小さい。そして細長くなる。このくらいの方が、
小さめに慣れてきたのもあってにぎりやすい。
本わさびというのは、チューブや練りにくらべて
辛みは実際には少ない。
今まで、随分控えめだった。
今回は、多め、と感じるくらい塗ってみた。
三枚分、にぎり6つ、完成。
縦に、切れ目を少し入れてみたが、ほぼわからない。
アップ。
上からしぼりたて生しょうゆをたらす。
江戸前鮨やの本寸法は、ご存知の通りしょうゆを
酒で割ったものを煮立ててアルコールを飛ばした
ニキリであるが、これで十分であると思うようになった。
密封パックなので、濃くならない。
ビールを開けて食べる。
ふむふむ、十分うまいといえるレベルには
なっているだろう。わさびもよい。
もちろん、プロのレベルとすると、足らない。
気持ち小肌の水分が多く抜けているか。
魚の厚み、季節で、ものの様子を見ながら拵えている
のであろう。プロではないので御の字であるが。
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