断腸亭料理日記2019

19年断腸亭の年越し

2019年平成31年
あけましておめでとうございます。

本年もあいかわりませず、ご愛読賜りますよう、
お願い申し上げます。
また、この一年のが皆さまに取りまして佳き年となりますよう
お祈り申し上げます。

断腸亭錠志

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さて、年が明けた。

平成31年は4月一杯。
5月からは、新元号元年となる。

昭和から平成の代替わり、時代替わりは昭和天皇の崩御に
よるものであった。天皇の重体、危篤。このあたりは自粛、
TVもCMなし、そして崩御。大喪の礼、新帝即位と
なったわけだが、かなり慌ただしかった。

今回は、崩御ではなく生前退位のため、なにか落ち着いて
天皇の代替わり、時代替わりが穏やかに落ち着いて迎えられて
いるように思う。これはよいことであろう。

だが、いずれにしても新しい時代が始まるのは、
わくわくする。
個人的にも、旧臘一杯で30数年続けたサラリーマン生活を
終え、新しい生活に入るのはよいタイミングであったと
思っている。

皆様は、どんな新年を迎えられたであろうか。

紅白歌合戦で特別出演の北島のサブちゃんが、
紅白とはなんですか?というインタビュー質問に「生まれかわること」
という趣旨のコメントしていた。
日本人にとっての年越しというのは、民俗学では
死と復活・再生、と理解されているといってよいだろう。
サブちゃん、よくご存知。流石である。

紅白の終わり、あれだけのバカ騒ぎをして、NHKは
「ゆく年くる年」に切り替わる。静かなどこかのお寺の除夜の鐘が
流される。
午前0時の年明けまでのあの時間帯、なんとなく一度死を迎える。
NHKの意図はどうなのかはわからぬが、私などはそんな気が
している。

そして、静かに新しい年が明け、また新たに誕生する。
日本人が長年続けてきているメンタル行事といってよい。

渋谷などで、欧米風のカウントダウンの年越しをしている
人もいるが、やはり違和感がある。
一度死んで生まれ替わるのだから、静かに迎えるのが気分
ではあろう。

正確にいうと、日本人の死と復活は、この年明けだけではなく、
半年毎にあって、つまり半年後の6月と7月の間にもあった。
今はほとんど忘れられているが。

天皇の代替わり、時代替わりも、やはり生まれ替わりと
いってよいだろう。
国民、国を挙げて生まれ替わるというのもなかなか
おもしろい民族であろう。

よほど生まれ替わるのが好きなのである。

さて、断腸亭の年越しは毎度お馴染み。
例年通り。

昼前に自転車で出て、上野広小路の[うさぎや]で

正月のお菓子、どらやきと最中を買う。

そこから、神田須田町のそば[まつや]で

予約をしておいた、生そばと、いつもの練りうにを
購入。これは下関の[岡本うに]のもの。
長年[まつや]で買って食べている。

店の方も長い列。

帰ると、これも毎年頼んでいる、お節が届く。

これは市谷の[鮨太鼓]のもの。
大晦日に自宅まで届けてくれる。

福寿司といっている。

穴子、蒸し鮑、松茸、その他が入った混ぜ寿司。

お節、一段目。

左上から蒲鉾、伊達巻、笹に入っているのはあんこの入った
生麩の餅、胡桃の入った田造り、紅白なます、小肌入り。
いくら、黒豆、栗きんとん、にしん甘露煮を巻いた昆布巻き、
煮いかはやりいかか。

二段目。

同じく左上から煮しめ、薄味。にんじん、里芋、蕗、
細い筍、慈姑(くわい)、椎茸、麩。
有頭海老、下にばい貝。
甘く煮た柚子を巻いた干し柿、鰤照り焼き、はじかみ。
鴨ローススモーク、ごぼう八幡巻(焼き穴子巻き)、
からすみ、数の子。

どれも、うまい。

紅白を視ながら[まつや]の生そばを茹でてざるそば。

鴨肉を入れたりすることもあるが、今年は
シンプルにざる。

元旦。
起きて、火鉢に火を入れて、

網を載せ、角餅を焼く。

雑煮。

しょうゆの鶏がらだしで、里芋、小松菜、三つ葉。

初詣は昼。

産土神である、鳥越神社。

昼だが、多少の列。

鳥越自慢の千貫神輿と獅子頭。

今は獅子舞は出なくなっているが、この本社神輿は
毎年6月の鳥越祭で各町内をまわる。

帰ってきて[うさぎや]のどらやきと、最中。

実にやさしい甘さのあんこ。

変わらぬうまさ、で、ある。

と、こんな具合。
毎度お馴染みの断腸亭の年越しである。

 


うさぎや
03-3831-6195
台東区上野1-10-10

まつや
03-3251-1556
千代田区神田須田町1-13

鮨太鼓
03-3267-6919
新宿区市谷砂土原町1-2-57 久貝ビル 1F

 

 

 

 

 

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