断腸亭料理日記2019
12月22日(日)第1食
さて。
日曜日。
お昼。またまた、浅草。
もう日曜は、どこへ行っても混んでいる。
六区の通りなど、最近は、自転車は降りるように
指導も入っている。(これ、ちょっとゆるく、イマイチ
徹底されていないか。)
少し前からのぞいてみようと思っていたのが
[水口食堂]。
[水口食堂]というのは、土日には競馬中継が流れ、
お父っつあん達で、大にぎわいな食堂というのか、
居酒屋。
浅草六区には、中央競馬の場外馬券場、ウインズがある。
浅草が今の、外国人を中心とした観光客でにぎわいを取り戻す前は
ウイークエンドの人出は、ほぼウインズの客に限られていた
のではなかろうか。
もつ焼きやなどが並ぶ「ホッピー通り」と呼ばれているところは
ウインズのお客で長年にぎわってきたといってよい、のでは
なかろうか。
これも、浅草、で、ある。
ともあれ[水口食堂]。きてみたら、やはり日曜、だめである。
はて、どうしたものか。
一度、国際通りを西に渡って、合羽橋本通りへ入る。
(今“合羽橋通り”というと、道具街の通りをいうことが
多いと思うが本来は、こちらが合羽橋通り。元々道具街が
できる以前、関東大震災以前だが、道具街の通りは新堀という堀で、
そこに架かっていた橋が合羽橋。その橋から続いている通りなので、
合羽橋通りなのである。この通りは江戸初期からあり、上野寛永寺から
真っ直ぐに浅草寺に向かっており、将軍御成りの通りでも
あったと聞く。)
どぜうの[飯田屋]でもないなぁ。
左!。
[おざわ]だ。
特段の理由もなかったと思うのだが、このところしばらく
ご無沙汰であった。
もはや浅草で、そばやとして、名店といってよいだろう。
藪そばのような老舗系でもなく、町のそばやでもなく、
「趣味そば」などと呼んでいたが、いわゆるこだわり系の
そばや。
浅草周辺にもこの「趣味そば」系は多くできて、有名なところも
あるが、私はやはりここが一番馴染める。
ここは、不規則に休むことがある。
果たしてやっているか?。
合羽橋本通りから左折。
ん!。よかった、暖簾が出ている。
だが、私、そばばかり食べている。
自転車を停めて入る。
以前通り、おかみさんとご主人のお二人。
おかみさん、にこやかに迎える。
相席で座る。
品書きを見る。
ここにきたら、やっぱり、一杯、で、ある。
酒の肴は?。
以前からあって、必ず頼んでいた、鴨皮の佃煮。
そばは?。
鴨が重なるが、やはり私の好きな、鴨汁そば。
ここはそばが選べるが、細切りのノーマルなもの。
酒がきた。
今日、ここでもぬる燗といってみた。
ここの燗酒は、群馬泉。
呑みやすい。
鴨皮佃煮。
見た目がちょっと不思議かもしれぬ。
煮凝りになったものを、切った断面が見えている。
ここはお二人でやられているので、多少時間がかかる。
呑んで、ゆっくり待とう。
が、タイミングがよかったのか、意外に早くきた。
鴨汁。
鴨ざるもあるが、鴨肉ではなく、つくねだから鴨汁。
ここのは椎茸、三つ葉が入る。
自分で作るとわかるが、つくねの方が、出汁がよく出る。
わさびをちょいと箸でつまみ、そばとともに鴨汁につけ、
一気に手繰る。
細切りは比較的ノーマルではなかろうか。
これがまずかろうはずがない。
酒がまだあったので、もう一枚食べよう。
おかみさんに、お替りを、太打ちで、と頼む。
この店が稲荷町にあった頃からだから、くるようになって
15年くらいになるかも知れぬ。この方まるで変わらない笑顔。
きた。太打ち。
平べったいがこの太さ。
これだけ太いものは、ここ以外では私は食べたことがない。
これはもう“手繰る”ことはできない。
ちぎって、鴨汁につけて、口に運ぶ。
蕎麦そのものの味いと香りを味わう。
そばがき、に、近いかもしれない。
うまかった、うまかった。
ご馳走様でした。
やっぱりここ、こなければ。
03-3841-6450
台東区西浅草2-25-15 ブランシール浅草 1F
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