断腸亭料理日記2018

南千住・うなぎ・尾花

10月21日(日)夜

日曜日。

久しぶりに、南千住のうなぎや
[尾花]に行こうと考えた。

こんな時期にうなぎ、と思われるかもしれぬが、
うなぎの本当の旬は今頃。

夏の土用にうなぎを食べようというのは、
ご存知の通り、江戸時代に平賀源内が
お客の来ない夏のうなぎやの販売促進のために
考えたもの。
冬を前に食べ物をたくさん食べたうなぎは
この時期脂が最ものっているので、今が旬
ということである。

まあ、養殖物のうなぎではあまり関係ない
のかもしれぬが。

さて、尾花。
尾花は予約を取らないが、
夕方早め、16時頃に行くことに決める。

時間的にどのくらいかかるのか、調べてみて
気が付いた。
以前は通しで営業していたはずだが、
夕方は16時からになっている。

15時半に出てタクシーで向かう。

南千住のガードをくぐったところで降りる。
小塚原回向院の前。

JRの土手沿いに南千住とは反対方向へ。
150mほど。

15:50到着。

あれ!。列。

門が閉まっており隣の駐車場まで。
だが、広い店なので、入れるであろう。

すぐに門が開いて順に中へ。

と、我々の二組前で、止められてしまった。

[尾花]ではこの10月から、テーブル席になり
入れる人数が20人程度に減ったようなのである。

入れ込みの大きな座敷にお膳、畳に直に座る
スタイルを変えていたのである。
畳にテーブルと椅子席は先日の[今半別館]もそうであった。
昔からの情緒はなくなるが、直に座るよりも快適ではある。

と、いうことで、先に入った20人が食べ終わるまで
小一時間の待ちということになった。

まあ、仕方がなかろう。
待つことは、昔からこの店ではあたり前で
ある程度は覚悟をしてきた。

待っている人を見渡してみると、
中国人の観光客がなん組か。
他のうなぎやでも中国人を見かけたことがあるが、
彼らもこの甘辛は好きなのであろう。だが、こんな
ところで、それも列に並んでまでというのは、
驚きではある。

並んでいる間に、うなぎの注文は取ってもらえる。
お重二つと、白焼き一つを頼んでおく。
(うなぎは大と小があり、小の方5,500円(であったか)を注文。)

40分ほどであったか。
パラパラと帰る人が出てきて、玄関から入る。

畳の大広間はそのままだが、そこに塗りの
椅子とテーブル。
テーブルとテーブルの間が以前のお膳よりも
あいているので人数が減っているということである。

ビールと追加で鯉の洗いを頼む。

洗い。

夏のものだが、好物なので。

頼んではあるが、やはり多少の時間はかかるのであろう。
ビールから、燗酒にかえる。

ややあって、きた。

白焼き。

ん!。

これはこれは。

かなりの、脂。

だが、流石の[尾花]、生ぐささは皆無。

ここでも毎回白焼きも食べていたが、最上では
なかろうか。

お重。

もちろん、肝吸いももらった。

山椒を振る。

白焼きほどではないが、これも脂がのっており、
ふっくら。

素晴らしい。

なんであろうか、これは。
確実に、うまくなっているのでは、
なかろうか。

席数を減らして、その分丁寧に作っている?。

ここはもともと、客の注文が入ってから
うなぎを割き始める、昔のうなぎやのスタイルを
続けてきた。

事前に注文をしていたとはいえ、今回、店に入ってからも
ある程度は待った。

そういうことかもしれぬ。

これは歓迎すべきことではなかろうか。

もう一度書こう、南千住[尾花]、素晴らしい。


 
 
 

03-3801-4670
荒川区南千住5丁目33−1






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