断腸亭料理日記2017
1月28日(日)第一食
日曜日、第一食。
なにを食べようか。
昨夜炊いた白飯が冷蔵庫にある。
あれを食べよう。
炒飯か、チキンライス。
ちょっとこの頃作っていなかったので
炒飯にしよう。
炒飯の作り方はというのは、簡単ではないと思うのだが、
皆様はどうお考えであろうか。
以前は私もだいぶ苦戦をしたが、最近はどうにか
安定して作れるようになってきている。
曰(いわ)く、パラパラ。
玉子が金色に輝く、黄金炒飯、なんというのも
話題になっていた。
パラパラの反対にあるのは、なんであろうか。
つまり、失敗炒飯とは。
ベチャベチャ。
団子になる。
鍋(フライパン)にくっつく。
こんなところであろうか。
これを回避するには、中華のプロが使うような
高火力のガスレンジがなければならないといわれてきた。
つまり、家庭では、無理、というようにも思われる。
高火力で高温でなければならないのはなぜか。
それには、なぜパラパラになるのか、パラパラに
できるのか、を考えなければならない。
正直のところ私もまだ科学的なメカニズムは
よくわかってはいない。
(実際のところ、明解に説明できる人もい少ないのではなかろうか。)
一般的には、飯粒の表面を油でコーティングされている状態にすると
パラパラになる、ということがいわれているようである。
本当にそうなのか。
また、それが高火力だと実現できる、というのか?
今一つ私自身は腑に落ちてはいない。
例えば、油を多くすれば(まあ、限度はあるが)
飯粒の表面に油がまわる。つまりコーティングされた状態?。
ギトギトにならない程度だが、ご飯全体に油がまわる
油の量があれば、よい、ということになる。
(仮に、高火力でなくとも?)
これは、最近までやってみていた。
例えば中華鍋へ敷く油を多めにする。
また、炒める前にあらかじめご飯の方に油を含ませておく、
で、ある。
はっきりいえば、この効果は、わからない。
ただ、特別、多くしなくても(高火力であれば)
パラパラにはできる、というのが経験的にはわかってきている。
ただ、まったく油なしで炒めているわけではないので
これだけでパラパラ炒飯は飯粒表面が油でコーティング
されているからではない、とは必ずしもいえない。
ただ、油のコーティングはともかくも、
高火力で炒めるというのは、やはりどうも必須のよう
に感じている。
さて、その根拠の一つなのだが、もう一つ、パラパラへの
必要条件がある。それは温かい飯を使うこと。
冷や飯しかなければ、レンジで温めてから中華鍋に
入れるということ。
高火力、高温で炒めることの補助要素であると思うが
飯を高温で炒めるのであれば、最初から温かい、
熱い飯であれば、よりよい、というのは、至極当然
である。
同じように高温で炒めることの補助要素だが、
中華鍋を煙が出るまで熱くして、油をまわし
という、中華の炒め物のルーティーンがあるが、
これをするのはもちろん、ここから時間を置かない。
すぐにご飯を投入して炒め始める。
これを心掛けている。
もう一点、慌てないこと。
中華やで炒飯を作っているのを丹念に見ていて気が付いたのだが、
意外にプロもくっついてしまっていることがある、
ということ。
トウシロウはこれで慌ててしまう。
火を止めて、油を足したり、する。
プロはくっついても、それをお玉で削り取り、
そのまま高温で炒め続ける。
くっつくことも、よくあること、と思って
慌てず、動作を止めないで、高温、高火力のまま
炒め続けること。
高温、高火力で炒め続けていると、
不思議と、ある瞬間からほぐれて、パラパラに
なってくるのである。
ビビらずに、で、ある。
結論。
とにかく、なにが起こっても、慌てずに高温、高火力で炒める。
この高温、高火力のための補助である、温かい飯を使うのと
高温の中華鍋で炒め始める、この二つを遵守すること。
こんな感じであろうか。
油は、特に多くなくとも問題はない。
メカニズムはわからぬが、経験的には
これでパラパラになる。
もう一つ、炒める中華鍋自体のメンテナンスも大切。
錆や焦げがなく油が馴染んでいる状態を常に保っておく。
くっつきにくくしておくということである。
さて、ご飯と玉子を炒め、ほぐれたら、ねぎを入れ、
軽く炒め、塩胡椒、最後にしょうゆをちょっとたらして、完成。
味覇(ウェイパー)を1かけら、お椀に入れて、ポットのお湯、
しょうゆで味付け、30秒ほどレンジをかけて、
スープを作る。
出来上がり。
会得してしまえば、今はそう難しいことはない。
ただ、拙亭のコンロは多少高火力の五徳が
一つあるのでそれでやっている、ということ。
普通の火加減のコンロではまだやってみていない。
(意外にできそうな気はしているが。)
準備をきちんとして、慌てず、我慢して、我慢して、
炒め続ける。
そうすると、嘘のようにほぐれてくる瞬間に出会える
というのが私の経験、で、ある。
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