断腸亭料理日記2018
さて、一週間のお休みをいただいた断腸亭料理日記、
再開することとした。
色々考えて、結局、一週間ほどで再開しよう
と考えたわけである。
なにがあったのか、から説明をしなければいけない。
書けないこともあるが、書けることはそのまま書けばよいかと
考えた。
私事だが、この12月末をもって会社を辞めることにした。
大学学部の新卒で入社したので、今年55歳、33年になるのか。
実際には11月末で仕事はお仕舞で、12月は有給消化。
それで、先週からお休み。
京都へ行ってきたというわけである。
会社を辞めてなにをするのかというと、
実のところ、今どこかの企業に再就職といった
予定は一切ない。
いや、むしろ、したくないと思っているのが本音である。
では、なにをするのかといえば、正直のところ
具体的なものがあるわけではなく、これから考える。
だがまあ、気障(きざ)にいえば断腸亭錠志として生きていこうと
いうことである。
今まで、サラリーマンをしながら、断腸亭錠志というペンネームで
このような文章を書いてきたり、依頼があれば、カルチャー
スクールの先生だったり、ポツポツとしてきた。
子供もなく内儀(かみ)さんもいまだ仕事をしており、
幸いに住宅ローンもなく、とりあえず暮らしには困らないという
背景もある。
で、まあ、京都へ行ってきた。
目的は庭を見てくること。
きっかけは、少し前にPCを買い替えたのだが、
そこに出てきたWindowsのロック画面の壁紙。
日本庭園の写真である。
なかなかよい写真で手前に池で、左奥にちょっと古びた
五重塔が写っている。
休みになれば、これを見に行こう、で、ある。
このロック画面の写真が実際にどこなのか。
調べてみると、意外にすぐにわかった。
まずは有名は日本庭園であれば、京都であろう。
そして古びた五重塔。
京都で五重塔といえば、真っ先に思い浮かぶのは
東寺ではないか。
東寺の五重塔の見える池のある庭園。
なんのことはない、東寺の庭園そのものであった。
東寺自体、行ったことはない。
京都の庭園というのは、10年も前に一度東山の青蓮院門跡
というお寺にたまたま入って、その庭に強烈な印象を
受けたことがあった。
もっと見たいと思った。だが、ほぼ機会はないまま過ぎてきた。
よし、これを機会に前にちょっとだけ見た、青蓮院をはじめ
見られる庭を見てこようと考えたのである。
時間もあまりないのだが、折角なのでほんの少しだけ
下調べをしようと、キンドルで読める京都の庭の書物を探してみた。
この方は東京芸大卒、建築家で庭園史が専門の先生。
1962年生まれで、私の一つ上。
むろん、私は庭園史など門外漢だが、なんとなく信用できそう。
内容はかなりおもしろかった。
京都の庭を時代の変遷を追って、紹介されており、
その論も門外漢が読んでもなかなか刺激的なのではないかと
思われた。
それで、さらに折角なので、この本でももちろん触れられているが
京都の庭といえば、修学院離宮と桂離宮。どちらも予約、抽選制。
ちょっとたかをくくって、直前であるが桂離宮だけを申し込んで
みた。
すると、まんまと抽選ははずれ。
と、いうことで、予約のいらないところだけをまわることになった。
12月3日から2泊。
ホテルは、祇園ホテル(アパ)が、こちらは幸い取れた。
12月に入ったのでもう紅葉の観光ラッシュも収束か。
さらに一晩だけ、以前に一度だけ行ったことのある同じく
祇園の板前割烹を予約。
3日の朝、これで、新幹線に乗ったわけである。
11時すぎ、京都駅着。
一先ずは、当初のきっかけ、東寺へ行かねば。
一駅だけ近鉄に乗って、東寺まで歩く。
雨は降っていないがどんより。
12月に入ったが、暖かい、、いや、むしろ蒸し暑い、くらい。
昼飯は東寺門前のうどんやを調べておいた。
駅から西に歩くと、名代の五重塔が見えてきた。
うどんやは、通用門らしい東寺東北の門の先。
店の名前も[東寺うどん]。小さな町のうどんやさんという感じ。
11時半すぎ、店に入るとお客はまだなし。
その名も「東寺うどん」というのをもらってみる。
海老天、湯葉、牛肉、油揚げ。
全部のせ、的か。
京都でうどんを食べるのは初めてかもしれぬ。
うどんは柔らか。
つゆは、昆布と鰹であろうか、濃いめ。
うまいうどん。
食べ終わり、もう一度門へ。
慶賀門というらしい。
通用門的に使われているようだが、これも重文。
(鎌倉期か。)流石、京都東寺。
門を入って左側、堀を挟んで校倉(あぜくら)造りの宝蔵。
これも重文で東寺最古でなんと平安期。
創建に近い時期のよう。
南側に向かって歩き、五重塔やらを見るには、拝観料がいる。
入って、南の五重塔方向に歩くと、すぐに目的の池のある
庭園はすぐ見つかった。
ロック画面画像の木は青いが、アングルもこれ。そのまま。
(当たり前か。)
曇り空がちょっと残念だが、紅葉はまだみられる。
つづく
東寺うどん
京都市南区東寺東門前町87
075-661-6116
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