断腸亭料理日記2017

鴨汁・そば

9月27日(水)夜

成田からスカイライナーでの帰り道、
「鴨せいろ」が食いたくなった。

京成上野に着くのだが、上野[藪蕎麦]がすぐに思い浮かぶ
のであるが、あそこは残念ながら水曜は定休。

その他となると、、、、?。

むろん上野・御徒町界隈は蕎麦やは数多くある。
だが、池之端の[藪蕎麦]なきあと、
これ、というところはない、か。
先日書いた、居心地がよい、という意味で。

家で作るか。

鴨肉。

ハナマサとライフをのぞいてみる。

ハナマサではももの塊。

ライフではスライス、生そば、
薬味に三つ葉も。

帰宅。

もも肉の塊は、完全に凍っている。

これを解凍するのはたいへんである。
時間もかかる。

スライスの方は、かなり薄い。

「鴨せいろ」というのは、鴨肉の入ったつゆで
もりのそばを食べるもの。

問題はつゆ。

鴨の脂やうまみが出されていなければ
ならない。

一番適切なのは、鴨肉を叩いたつくねを
入れて煮込む。
脂もうまみも最も簡単に出る。

スライス肉をそのままつゆに入れて煮込む
というのは避けた方がよい。

鴨肉というのは加熱をするとすぐに
硬くなる。
スライスを煮込むとうまみや脂が出る前に
縮んでしまう。

スライスを入れるのであれば、
厚めに切ったものを、本当は炭火などがよい
のであろうが、レアに焼いたものを、
別に入れる。
煮込まない。

もも塊肉の方が解凍できれば、これができるが
今日はやめよう。

鴨せいろではなく、鴨“汁”せいろ、といって名前を
使い分けているそばやもあるが、鴨肉のつくねを
入れて脂と鴨のうまみを出し、スライスはなし。

これでよいか。

スライスを数枚叩いて、団子にする。

ねぎも切る。

5cmに切って、半割。

薬味用の薄い小口切りも切っておく。

鍋に桃屋のつゆ。
水と酒も少し入れ、伸ばす。

ただやっぱり味は濃いめ。

私は毎度書いているが、つゆは桃屋と
決めている。
世の中に、数多くのつゆが売られているが、
東京下町の甘辛の濃いつゆの味に最も近いのが
桃屋だと思っている。
関西系メーカーのものはまず薄いし、
東京のメーカーでもにんべん他、しょうゆメーカーのものなどあるが、
それよりも桃屋の方に軍配を上げる。

ともあれ。

ねぎを入れ、煮立てる。

ここに団子を投入。

ねぎと団子に火が通ればOK。

あ、そうだ。

たいした量ではないが、残ったスライスも
入れてしまおう。
軽く煮込んで終了。

三つ葉を切る。

器に入れ、三つ葉をたっぷり。
小口切りのねぎも入れる。

鴨汁。

ビールを開ける。

結局、これで呑むわけである。

鴨ぬきというのがあるが、あれは
鴨なんばんのそば抜きで、つゆは飲めるが
これはもりそば用のつけ汁なので飲めない。

鴨つくねやねぎ、三つ葉を肴に呑む。
うまいもんである。

具だけお替り。

あらかた食べて、生そばを茹でる。

ざるに盛り付け、1.5人前の大盛。

つゆも温め直し。

具はなくなってしまったが、鴨のうまみと脂が出たつゆ。
つけ汁ならば、これで十分。

うまかった、うまかった。

腹一杯。





    

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