断腸亭料理日記2017

かじきバタヤキ・フェンネルソテー

3月6日(月)夜

今日も、なにか軽いものを、と、帰り道、
御徒町の吉池に寄る。

目に付いたのは、かじき。

千葉県産、生。
銚子あたりにあがったものであろうか。

瑞々しい。なかなかうまそうな色、ではないか。

なん度か挑戦している、かじきバタヤキ、
カジバタに再アタックしてみるか。

バタヤキは人形町の[小春軒]だったり、上野の[ぽん多本家]であったり
昔の洋食というのであろうか、しょうゆの香ばしい香りがして
バターの風味と相まって絶妙にうまいのだが、
家でなかなか再現できていない。

勘定をして、地下へ。

野菜も見よう。

見てまわると、、、、

ん!?。

なんじゃこれは?。

フェンネル。

スパイスとしてカレー用によく使っているが、
生のものを見るのは初めてである。

にんじんのような葉っぱがふさふさと生えて、
根元には、玉ねぎのような大きなふくらみがある。

福岡産、200円とちょっと。
高いのか、安いのか。
福岡でこんなものを作っているのか。
吉池の野菜売り場も、なかなか不思議なものを売っている。

珍しいので買ってみるか。

なんだかわからぬが、ソテーにでもして
カジバタのつけ合わせにしてみよう。

帰宅。

マカジキ。

これが生のフェンネル。

縮尺がわからないかもしれぬ。
葉を折り曲げても30cm以上ある。

スパイスになっているのは、種。

ちょっと調べてみると、
原産地は地中海沿岸。
ヨーロッパではかなりポピュラーな野菜という。

やはり、野菜として食べられているのか。

ほう。セロリの仲間。

根本の白く丸くなっている玉ねぎのようなところは、
なるほど、よく見るとセロリの根本がふくらんだ感じである。

調理法にはバターのソテーもあるよう。

さて。
カジバタの方。

懸案は、バターしょうゆ味をどうやって付けるのか、
で、あった。

小麦粉をまぶしてムニエルのようになっているのだが
表面を焼き固めてから、仕上げにしょうゆを降りかける
というのが、今までしてきた方法。しかし、これだと
むろんのこと、カリッとした焼き上がりにならない。

今日、考え付いたのは、先にしょうゆに漬けて、
つまり下味を付けてから、小麦粉を振る。
なぜ、今まで気が付かなかったか、というくらい。

両面、しょうゆをまぶし、

軽く、胡椒もふる。
しばらく置く。

30分ほど。

表面に小麦粉をまぶす。

フェンネルの方は葉っぱと根本の白いところを
切り分けておく。

フライパンでかじきと同時にバターでソテーしてしまおう。

フライパンを熱し、バターを落とす。
溶けたところで、かじきを投入。

下の面がある程度固まってきたタイミングで
厚みのある、フェネルの白い部分から投入。

かじきの下の面がきつね色になってきたところで
ひっくり返す。

焼き上がりに近い頃、火の通りやすいフェンネルの
葉っぱも投入。

OK。

出来上がり。

ビールをあけて食べる。

まず、フェンネル。

香りもさることながら、苦い。
こんなものか。

香りは、ものの本では“芳香”書かれているが、
慣れないせいか苦味と相まって“芳香”とはいいがたい。

さて。
肝心のカジバタ。

うーん。
これも、同じフライパンでソテーしたので、
フェンネルの香りが付いてしまっている。
あたり前である。

バターしょうゆの風味豊かなこんがりした焼き上がり、
というのが到達目標であったが、フェンネルの香りで
ほぼわからない。

魚料理のくさみ消しに、フェンネルを使う、という。
そういう意味では、かなり的確な使い方であったわけである。

ただ鮮度のよい、千葉産の生かじきには、くさみ消しは不必要だし、
私の目指すカジバタとは相容れぬものであった、、、か。

また、フェンネルももっとよい食べ方があろう。
なに事も、経験、経験。

 

 

 

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