断腸亭料理日記2017

麻婆豆腐

6月24日(土)深夜

まだ、土曜日。

深夜、TVを視ていたら、なにか発泡酒のコマーシャルで
麻婆豆腐が出てきた。

このところ作っていなかったか。

暑くなると、麻婆の季節、で、ある。

冷蔵庫にちょっと、あぶないかも、という豆腐がある。

落語「酢豆腐」を思い出すが、
豆腐は足が速い。

内儀(かみ)さんは匂いを嗅いでくれ、という。
見たところ大丈夫そう。

容器に入れて、水に浸かっていたのだが、
水を替えてさらに匂いを嗅いでみる。

まあ、大丈夫であろう。
冷凍庫に豚挽肉もある。

ちょっと豆腐が少ないが、作ろうか。
挽肉をレンジで解凍。

調味料、材料を用意。

豆板醤、甜麺醤、ラー油、赤唐辛子(粉)、沙茶醤(サーチャージャン)、
八丁味噌、味覇、花椒。

水溶き片栗粉。

にんにくひとかけら、しょうがスライス3枚ほど、
それぞれみじん切り。
長ねぎはたっぷりめに、みじん切り。

こんなところか。

最初に豆腐をさいの目に切る。
鍋に湯を沸かし、豆腐を入れ弱火で置いておく。

これは沸騰させず、すが入らないところで止める。
崩れにくくするためのもの。

次に、中華鍋を用意。

強火で熱する。

煙が出てきたら、油をまわし、一度捨て、
もう一回、油。

ここに豆板醤とにんにく、しょうが。

香りを出す。

すぐに焦げるので注意。

挽肉を投入。

よ〜く炒める。

油が出るまで。

これはポイントのようである。
つまり、水分をよく飛ばした方が、よく味が染み込む
というメカニズムのよう。

甜麺醤はここで入れて、挽肉によく味を染み込ませる。

一度火を止める。

お湯、適量。
今日は豆腐が少ないので、いつもの半分、
500ccほどか。

八丁味噌。
少し多めに入れてみる。

溶けにくいのでお玉に取って、箸でよく溶きながら
入れる。

味覇、小匙1ほど。
粉の赤唐辛子。
ラー油。
沙茶醤(サーチャージャン)。
これは小匙半分ほど。
火鍋などによく使われている中華の醗酵調味料だと
思うのだが、匂いが強いので入れすぎてはいけない。
ほんのり香るくらいで私には十分。

煮立てて、味見。

辛みも味自体も、
意外によいかも。

豆腐を湯からあげて、投入。

豆腐を崩さぬように、お玉の背で軽く混ぜて、
ねぎみじん切りを投入。

いつも忘れてしまうが、仕上げに胡麻油。

お玉でまわしながら水溶き片栗粉をたらし入れる。

OK。

出来上がり。

皿に盛って、
花椒をあたり鉢で軽くあたって、上からまぶす。

豆腐少なめの、つゆ、挽肉多めの麻婆ができた。

味は、いつもよりも八丁味噌を多くしたのは成功である。
私の好み。

辛み度合も、なかなか辛めでよい。

毎度書いているが、麻婆豆腐という
のは味付けが難しいと思うのである。

なぜか。

皆様はどんな麻婆豆腐がうまいとお思いだろうか。

きっと、千差万別なのではなかろうか。

辛いもの、辛くないもの、甘いもの、甘くないもの、
さらに甘辛なもの、そして、もう一つの麻婆豆腐の
重要な要素、しびれるもの、しびれないもの、
そして、目立たないが、スープ感というのか、
出汁感というのか、そういうものが強いもの、
そうでないもの、あるいは、油感の強弱もある。
実に様々な味の軸がある。
これらは、日本の麻婆豆腐の実際の姿である。

具体的には、子供の頃親しんだ丸美屋、あるいは
給食の麻婆から始まり、町の食堂、ラーメンや、
中華料理や、さらに四川を名乗る中国料理店でも
実際のところかなりの味の幅がある。

つまり、これ、と決まったスタンダードの
麻婆はおそらく存在せず、皆が別々のものを
うまいと思っていると思うのである。
それも私自身でさえ、時によって、定まらない。

それで、いつもできたはよいが、なんとなく、
これが絶対うまいぜ的な、気分にもならず、もやもや感が
残ってしまう、、。麻婆豆腐、不思議な料理、で、ある。






 

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