断腸亭料理日記2016
9月29日(木)夜
夜。
なにを食べようか、考える。
洋食だ。
洋食というのは、フレンチでもイタリアンでもなく、
いわゆる日本の洋食。
カツレツ、コロッケ類といった揚物。
チキンライス、オムライスといったご飯もの。
カレー、カツカレーもそうか。
サンドイッチ、BLTのようなものは洋食に
入らない感じがするが、例えばカツサンド。
あるいはグラタン。
マカロニや海老、さらにライスのドリア。
パスタではなくスパゲティー。
代表はナポリタン。
ビフテキといういい方が洋食に合っているがステーキ、
あるいは和洋折衷でステーキ丼。
同じく肉の焼き物で、ポークソテー。
近いが、豚の生姜焼き。
とくれば、ハンバーグも忘れてはいけない。
揚物と並んで、洋食の大代表といってもよいだろう。
そうそう、私の好きな蛤だったりカジキなど、
魚介系のバタ焼きも忘れてはいけない。
洋食やにあるメニューといえば
こんなところであろうか。
きらいな人というというのもあまりいなかろう。
私はかなりの好物であるといってよい。
結局、洋食やにあるメニューというのは、
フレンチはイタリアンという欧米の食事が本格的に
入ってきて、独立店になる以前に日本に入ってきた
もの達ということになろう。
走りの店もあったようだが、本格的にとなると、
やはり50年代終わりからバブル期、ということになるか。
私達の世代でいえば、学生時代から社会人数年目の頃。
戦後、欧米に追い付き追い越せの高度経済成長を成し遂げて
豊かさの時代?。
我々の世代などから欧米へのコンプレックスがあまりなくなり、
海外旅行に気軽に行くようになった。そんなことも
背景だったのであろう。
ともあれ洋食は明治、大正、昭和初期、戦後と
100年にもなろうか、その間に、なん回か分けて
メニューが増えていった。
フライもの、ステーキ、カレーなどは戦前まで。
戦後はハンバーグが帝国ホテルの村上シェフが発信し、
ナポリタンは占領軍が横浜のホテルニューグランドに残し、
野球選手の千葉茂がきっかけでカツカレーが生まれた。
だがまあ、多くは戦前までに定着していたといってよろしかろう。
やはり、文字通り完全に我が国のローカルフードといって
よろしかろう。
またまた、与太話が長くなってしまった。
今日の洋食、である。
揚げ物が食べたい。
五反田からの帰り道、人形町[小春軒]でコロッケ、
[そよいち]でビーフカツレツというのもあるが、
五反田地元のグリル[エフ]はどうであろうか。
調べてみると、クリームコロッケも名物のよう。
行ってみようか。
東口のロータリーを渡って路地に入り、
年季の入ったドアを開けて入る。
カウンター手前、壁際のあいている席に掛ける。
瓶ビール、サッポロラガーをもらう。
メニューを一応確認して、カニコロッケ。
炭水化物を控えねば。ご飯なしの単品。
目の前が狭い調理場。
シェフの調理風景がよく見える。
見ながら、ビールをぐびぐび。
できた。
「味がしっかり付いていますので、
そのままでお召し上がりください」とのこと。
大きな勾玉(まがたま)型。
ちょっとおもしろい。
ナイフで切って食べる。
なるほど。
ベチャメルソースが、グラタンレベルに
味が付いている。
(グランタンと同じもの?)
これはこれで、うまい。
いや。
確かに、前から疑問に思っていたのだが、
クリームコロッケにソースをかけるということ。
本来味が付いているはずのベシャメルソースである。
ソースをかけるのには、やはり違和感がある。
こちらの方が理にかなってはいる。
ただ、私はちょうどよいが、
かなり濃いめに味が付いているので
調整がきかない、ということはあるかもしれぬ。
うまかった。
ご馳走でした。
会計をして、出る。
路地に出る。
さてちょっと、探索。
駅側ではなく、反対側に歩いてみる。
昼間はさほど目立たないが、この駅の東口正面裏というのは
すごいことになっている。
やはり肉系が多いが、立ち呑み、居酒屋。
そして、風俗案内所が2〜3軒はあろうか。
山手線の駅前で、鶯谷、巣鴨?、、
やはり異色の一つ、であろう。
品川区東五反田1-13-9
TEL03-3441-2902
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