断腸亭料理日記2016

大阪たこ焼き・会津屋・淀屋橋店

3月2日(水)夕

またまた、大阪出張。

ちょいと今日は目先をかえて、
大阪名物、たこ焼きを食べみようかと
考えた。

実のところ、大阪のたこ焼きというのは、
昨年に、初めて新大阪駅の構内で売っている、
[くくる]のものを買って食べて、
えらいうまいもんだと、気が付いたところ。
(だが、この[くくる]のたこ焼きは、
駅構内、車中で食べないでくれ、と箱に書いてある。
まあ、匂いのことでクレームをした者が多少
あったのであろう。
新幹線のコンコースで持ち帰り用の箱に入れながら
食べないでくれは、まったくナンセンスである。)

よく、大阪のたこ焼きというのは、
中はトロっと、外はカリっ、などというが、
[くくる]のものを食べて、なるほど、と
わかったわけである。

この、トロっというのは、まあ、小麦粉などの生地に
完全に火を通しておらず、半生ということであろう。

これは大阪の方にとっては、なんの不思議もないことなのであろうが、
東京のたこ焼きというのは、本来、中も完全に火を通してしまう方が
あたり前であると思われる。
夜店の屋台なども自宅で作る場合も然りであろう。
これには小麦粉の半生に対して拒否感というのか、
大丈夫か?という感覚ががあるように思われる。

まあ、それで[くくる]の“トロっ”を食べても、
うまい、のであるが、これって生じぇねえの、大丈夫か?
という一抹の不安はあったのである。

考えてみると、大阪のお好み焼きというのも同じであろう。
あれだけの厚みにして、中まで火が通るわけがない。
まあ、どっちにしても、大阪ではこれが
あたり前、なのであろう。

と、いうことで、いつも通りかかる、
淀屋橋付近で、たこ焼きやを調べてみた。

すると、まあ、ある。

淀屋橋駅から、私が例の洋食グリルの[ニューハマヤ]へ
行く道沿い。京阪の地下道からネクストワンというビルを
通るのだが、そこのB1にあった。
それも、大阪では有名らしい[会津屋]というところ。

かなりの頻度でこの前を通っているが、
こんなところにたこ焼きやがあったとは。
目の中に入っていたというところである。

[会津屋]というのは戦前、昭和初期の創業で、
たこ焼きの“元祖”を名乗っている。

生地に味がついており、ソースをかけない、と、いうのを
特徴にしているという事前情報。

16時頃。
きてみると、ガラスに覆われたたこ焼きを焼くところと、
7〜8席のカウンターがある。
そこにお客は既に5〜6人。

むろんこの時間から、皆さん、呑んでいる。
さすが大阪。

まあ、それでもビジネスマンらしい人はおらず、
基本的に、この人達、なにしてる人なの?という
風体の皆さん。
東京では、こういう風景は、例えば日本橋や銀座などの
中心部では、まあ見られない。

私一人だが、椅子にのせた荷物をどかしてもらわなければ
座れないくらい。

お品書き。


元祖たこ焼きというもの、12個、500円を頼んでみる。

呑みものは?。

スーツにネクタイを締めたこんな格好で、後ろに人が通る
オープンなカウンター席である。ビールは呑めないでしょう。
帰りの新幹線でもちょいと仕事をするつもりではある。

少し待って、きた。


小ぶりである。

なるほと、ソースはおろか青海苔すらなし。

さっそく食べてみる。

あー。

これは、しょうゆではなかろうか。

生地にしょうゆが入っており、かなり
さっぱりした感じである。

そして外はカリ、中は、やっぱり、トロっ。

ソースでないのもまた、うまいもんである。

しかしまあ、きれいにまん丸に焼くもんである。
これもさすがに大阪。

こうなったら、イトコンとすじが入った
元祖ラヂオ焼と、
ねぎ焼きというのも食べてみよう。

四つずつ。


むろんどちらも初めて。

ん?、ねぎ焼き、というのはねぎだけ
かと思ったら、
まさかね。
たこも入っている。

ラヂオ焼きというのは、たこ焼きの前身?。
たこなのか、イトコンなのか、、。
食べても違いがよくわからん。

だが、兎にも角にも、うまかった。

ご馳走様でした。

大阪たこ焼き、もう少し探検してみようかしら。






会津屋





 

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