断腸亭料理日記2016
7月31日(日)夜
花火も終わって、日曜日。
そういえば、昨日は丑の日であった。
暑いし、うなぎ、、、食べたい。
しかし、こんな時に食べるのは、まあ、あまり
頭のよいことではない。
今日も池之端のうなぎやの前を通りかかると、
店の外まで列ができていた。
で、あれば。
ステーキにしようか。
浅草の[松波]。
うまい。
むろん、値段もそれなりだが、下町浅草らしい、
よい店である。
16時前にTELをし、17時から予約を入れ、
都知事選の投票をし、内儀(かみ)さんとタクシーで向かう。
夕方になっても、まだまだ日差しも強く暑い。
夏は始まったばかり。
やれやれ。
仁丹塔の交差点で降りて、国際通りを渡る。
仁丹塔の交差点と書いてしまったが、
田原町、国際通りと雷門通りの交差点、T字路である。
今はコンビニになっているが、ここにその昔の浅草十二階、
凌雲閣を模した仁丹の広告塔があったのだが、
実はそう昔のことではない。取り壊されたのは昭和61年。
仁丹塔の交差点で、よいではないか。
通りを渡って、蛇骨湯があって新しいホテルの隣、
ステーキの[松波]である。
浅草で[松波]というと鮨やも有名だが、ご兄弟。
入って、名前をいう。
開店5分前、まだ、準備中の札が出ていたのを入ってしまった。
一番乗りのよう。
ステーキの店であるが、鉄板焼き。
“紅花”式で、目の前で焼いてくれる。
入ってすぐの鉄板に案内される。
コースは4,000円のサービスステーキから、上は
最高級サーロインに海老と鮑までついた、20,000円まで
あるが、赤ワインハーフがついたサーロインのコース、
19,000円という二人用コースにする。
ビールは、エビスの生。
バケットにクリームチーズなどを詰めた、
スタフドバゲットというのか。これはここの定番。
お通し。
酢味噌和え。
茗荷にホタテ?平貝?、下には芋茎。
カリカリにしたにんにく。
うまいので、ついつい食べすぎるのだが、
気を付けなければいけない。かなり強力である。
サラダ。
ビーフジャーキーのような風味のついたドレッシング。
目の前でいい加減に焼いて、切って、皿にのせてくれる。
サーロイン。
生肉は見事な霜降りであった。
これがまずかろうはずがない。
写真を撮り忘れてしまったが、
脂身をカリカリに焼いたもの。
それからもやし炒め。
そして、ご飯。
やっぱりにんにくが入り、しらすと炒めた、焼飯。
梅肉と、濃い味の蜆の味噌汁。
これが、うまい。
ソファーの席に移って、コーヒーとデザート。
うまかった、うまかった。
ここの特徴。
先に、浅草らしい、と、書いたが、
おそらくお客は、地元の人中心であろうということ。
特段、お洒落をしてくる人もおらず、
皆、常連に近い慣れた雰囲気。
そして、女性が多いということ。
さらにいえば、比較的高齢の。
昔から通っているのであろう。
今日なども、隣の席に座ったのがお婆ちゃん。
お一人で来ていた。
病後であるという。
久しぶりに、うまい肉が食べたかったのであろう。
ここの創業はいつなのであろうか。
まあ、戦後のことではあろうが、50年、60年、
それなりの値段だがうまいステーキを食べさせてくれて
長く通っている。皆そうなのであろう。
そして、なによりここの女将さんがよい。
アットホームというのともまた違う。
浅草らしく気取らないが、よく気が付く。
誠にもって、居心地がよい。
浅草らしい名店。
ご馳走様でした。
03-3844-3737
台東区浅草1-11-6
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