断腸亭料理日記2016

鯖の味噌煮〜笠原流〜

1月13日(水)夜

昨日、たまたま見かけたTVでやっていた
料理人の笠原将弘氏の、鯖の味噌煮が気になった。

笠原氏はご存知であろうか。
最近ちょいちょいTVで見かけるようになった
和食の料理人。
年は四十ちょい。
なかなかいい男。

前から気になっていた料理人である。

その鯖の味噌煮、ちょっと画期的であった。

普通、鯖に限らず煮魚というのは
湯をかけて、霜降りにして洗って、
生ぐさみを取るという。
これがセオリー。

しかし、それをまず、フライパンで胡麻油で両面焼く。

そしてそのままフライパンに味噌のつゆを入れて
10分煮る。

霜降りというのは、お湯をかけるのもあるが
焼き霜といって、たたきのように直火で
表面を焼くというのもある。

であれば、フライパンで焼くのでも
というのが笠原氏の理屈。
なるほど、で、ある。

と、いうことで帰り道、吉池に寄って鯖を見る。
はて、鯖は不漁か。
一本千円超のものしかない。

こういう時にはスーパーならばあるであろう。
三筋のヤマザキでパック詰めのものを発見。
二枚おろしのもので298円、購入。


作る。

まず、二枚おろしなので、中骨が片身に残っているので
これを出刃ではずす。
そして、それぞれ半分に。

皮側に包丁目を入れる。

これも笠原流。

5mm程度の幅で縦に入れるのだが、これもなるほど。
つゆがよりからみやすくなるのは自明である。

段取りとして焼く前に煮汁になる味噌だれを用意しておく。

水に酒を加え、味噌を溶く。

味噌はレシピでは普通の信州味噌であったが、
八丁味噌と西京味噌、信州味噌三種、同量ずつ。

さらに砂糖としょうゆ。

煮る前だが味見。

鯖味噌はちょっと甘目がよい。いいかな。


テフロンのフライパンを熱し、
香りがよくなるというので胡麻油。
ただ強くなりすぎぬようにサラダ油も半量。

皮目から焼く。


火加減は中火。
パリッとさせて、ひっくり返す、、、

が、、、あ〜〜、くっついた。


テフロンでも魚を焼くと、やはりくっつく。
皮が取れてしまった。
私にとっては鬼門である。

ひっくり返し完全に火を通す。

ここで、キッチンペーパーで油を取る。
鯖から脂が出るのでこれは生ぐさくなるので
取る、というのが笠原流。

味噌だれを入れる。


煮立ててアルミホイルで落としぶたをする。
これは通常の煮魚と同じ。


煮込み時間は10分。
タイマーをセット。
やはり煮魚は煮すぎないが、基本である。

途中でしょうがのスライスを投入。
これも笠原流。
後から入れた方が香りがよいという。

煮汁も煮詰まってくる。
8分程度で終了にする。


煮てしまうので皮が取れてもまあ、よかったか。

器に盛り付け。


味噌だれがかなり濃厚な感じに仕上がった。

食べる。

ん!。

うまい。

ちょっと新しい。

なにより、身がみずみずしい。

フライパンで焼いている時にほぼ完全に
火は通っている。
ここで身の調理はストップしている
ということになるのか。

これに濃厚なたれがからんでいる。

脂を取っており確かに生ぐささもないようである。

今までの鯖の味噌煮とは別の、
新しい鯖の味噌煮ということが
できるのではなかろうか。

そして、フライパン一つでできるというのも画期的。

超定番の家庭料理に新風を吹き込む。

料理人笠原将弘氏、やはり只者ではなさそうである。







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