断腸亭料理日記2014
11月29日(土)第一食
さて。
土曜日。
昨夜、帰宅途中にいつものハナマサに寄ると、
鶏皮が安くなっていたので、買ってきてしまった。
どうも鶏皮は好物のようである。
焼鳥やでも必ず食べるし、自分でも白髪ねぎとともに
ぽん酢で和えたり、甘辛く煮たのもよい。
かの「鬼平」に出てくる軍鶏鍋にも鶏皮は欠くことができない。
やはりあの脂と食感が堪らない。
鶏皮というのは、スーパーなどでいつも置いてある
というものではない。
肉専門のハナマサでさえ必ず置いてある定番品でもない。
(新御徒町店は、である。)
と、いうことで、鶏皮は店頭にあれば買っておく、
というものである。
第一食。
冷飯(ひやめし)があるので、この鶏皮を入れて
チャーハンというのか、焼き飯を作ろうと思い立った。
まず、鶏皮を下拵えとして、湯がく。
ある程度脂を落とす、という意図である。
ぽん酢で和える場合も、一度茹でたものを使う。
湯を鍋に沸かし、1パック全部を入れて、
もう一度煮立ててあげる。
チャーハンは、必ず温めた飯を炒める。
毎度書いているが、パラっと仕上げるためのこれはどうも
鉄則。
以前、パラパラのチャーハンができるまで
いろんな試行錯誤をした。
曰く、業務用の強い火力でなければだめであるとか、
様々喧しいのだが、かの陳健一先生であったか、
詳らかに覚えていないが、どこかの街の巨匠が、
直前までジャーに入った温かい飯を使うと言っていた。
それから、中華鍋のキンキンに熱くしておく。
この二点。
どちらもご飯を高温で炒めるという意図になるのであろう。
パラパラのチャーハンは飯粒の表面に油がコーティングされるとか、
いわれてもいるが、実際のところ、私は科学的な
メカニズムはよくわからない。
以前、コーティングすればよいというのであれば、
というので、油をたくさん入れて炒めたこともあったのだが、
むろん、これは、ベトベトの仕上がりになるだけである。
あるいは、飯粒の表面を高温で焼き固めて、パラパラになるのか?
と、いえば、必ずしも、そんなことはない。
ご飯粒はおこげのようなパリパリになっているわけではないではないか。
ともあれ。
鶏皮を細かく切って準備。
シンプルに玉子はなし。
ねぎのみじん切りだけ用意。
中華鍋を煙が出るまで熱し、一度油をまわす。
この油は一度あけて、再度炒めるための油を入れ、
ここに細かく切った鶏皮を投入。
我が家のガス台の最大の火力の出る五徳で、さらに全開の強火。
軽く炒めて、レンジで温めたご飯を投入。
むろんこの時はご飯は固まっている。
ここから、中華のお玉の腹で押さえ、ほぐしながら
炒める。
(玉子を入れる場合はご飯投入の直後。)
どんどん炒める。
やはり、あわてないというのもポイントである。
このところは絶えているのだが、中華鍋にくっつく、というのも
このタイミング。しかし、くっついてもあわてずにお玉で
取りながら、炒める。
ずっと強火はキープ。
これも度胸が必要である。自信がなければできない。
炒め続ける。
すると、あら不思議、こうして10秒、20秒、30秒、高温で炒め続けていると、
段々に飯粒が、離れてパラパラになってくるのである。
玉子を入れた場合は、玉子にも火が入り固まり、
ともにパラパラになってくる、のである。
一度パラパラになったらもう心配ない。
塩。
それから黒胡椒を電動ミルでたっぷりと挽き入れて、
ねぎみじん切りも投入。
もう一度よく煽って、全体を混ぜる。
OK。
皿に移して出来上がり。
鶏皮と黒胡椒の焼き飯。
チャーハンというよりは、焼き飯であろう。
黒胡椒たっぷりというのが、ポイントである。
実はこれを思い付いたのは昨夜、ハナマサで
鶏皮とともに牛タンを買ってきて、ねぎみじん切りと
黒胡椒たっぷりとともに和えて、焼いた。
電動ミルの調子がイマイチで、いろいろいじっているうちに
しこたま黒胡椒がかかってしまったのであった。
しかし、これが実は食べてみるとなかなかのもの。
やはり挽きたてで辛みも強く、ツーンと鼻から目に抜けるような
黒胡椒の辛み。
これが脂の強い塩味の牛タンに合い、同時に鶏皮にも合うだろうと、
思ったのであった。
鶏皮の焼き飯・黒胡椒風味、成功である。
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