断腸亭料理日記2014
8月3日(日)第2食
相変わらず、いや、さらに力を増した暑さ。
こうなったら、今日もカレーだ!!。
まさにもう、自棄(やけ)。
自棄のヤンパチ日焼けのなすび 色が黒くて食い付きたいが、
あたしゃ入れ歯で歯が立たないよ、と。
昨日はキーマカレーであったが、
今日はちょいと気分を変えて、豚バラのスープカレーは
どうかと考えた。
皆様ご存知かどうかわからないが、昔、新宿の紀伊国屋書店のビルの
B1にカレーやがあった。
ここのカレーを思い出したのであった。
高校時代好きでよく食べていた。
確か以前は階段のそばにあって、カレーのにおいが
ビルの上の方まで広がって食欲をそそられたものである。
実はこの店[モンスナック]といって、昭和39年の創業で
今もあるのだが、随分前だが久しぶりに食べてみたら、
以前の懐かしい味ではもはやなくて、がっかりした記憶があった
のであった。
豚バラが入り、辛みは穏やかなサラサラのカレー。
ご飯は山型の容器で型抜きにして盛られていたように思う。
これがなんともうまかったのである。
さて。
昨日、クローブを使って、切れてしまったので
アメ横の[大津屋]という店へ自転車で出かける。
街に出ると、ジリジリした日差し。
アスファルトとビルの上野の街は風はあるのだが、もわっとした
重く、身体全体にまとわりつく空気が動いているだけ。
この暑さでも、アメ横界隈はやはり人出は多い。
内外を含めた観光客が2割程度はいるのかもしれない。
[大津屋]は豆などを扱う昔ながらの乾物屋であったようだが、
若主人(?)のアイデアか、レアなものもほとんど
置いているスパイス専門店といってもよさそうである。
クローブを買って、再び焼ける街を抜け、いつものハナマサまで
戻ってくる。
ハナマサで豚バラの塊を購入。
帰宅。
まずは豚バラを一口に切って、塩胡椒をし、フライパンで焼く。
バラなので脂を出し、四面ともこんがりと色づくまで。
肉を一度あげて、残った脂で昨日同様のホールのスパイスを
炒める。
ここに、昨日はみじん切りであったが、煮込むので
大き目にざく切りにした玉ねぎ。
にんにくと生姜は同様にみじん切り。
炒めて、やはり同様にS&Bの赤缶大さじ2、
赤唐辛子大さじ1に、水少量を加えてよく合わせる。
圧力鍋を用意。
焼いた豚バラ、玉ねぎとスパイスを炒めたフライパンの
中身を投入。
フライパンには水を入れ、熱し、フライパンの表面に
ついているものも圧力鍋へ。
トマト缶、半分。
水はスープカレーになるので、たっぷり。
ちょっと、旨み足しに、コンソメも小さじ1ほど加える。
これでふたをし、強火で加圧加熱。
弱火にして10分。
放置、30分。
圧が下がっているのを確認し、ふたをあける。
煮えた。
豚バラも柔らかくなっている。
塩を入れ、味見。
もう少し。
OK。
昨日炊いて冷蔵庫に入れてあったご飯をレンジで
温めて、カレーをかける。
この、豚バラ角切りごろごろが、堪(たま)らない。
カレー自体は、辛味は強めにしているが、
基本の味は、ミネストローネスープのような
おだやかな味。
かの、紀伊国屋書店のカレースタンドとは
むろん違う味。だが、我田引水であるが、
そこそこいい線にはいっているのではなかろうか。
玉ねぎはクタクタになり、
豚バラも脂も抜け、ラフテーのように
なっている。
北海道で、スープカレーなるものが
生まれる遥か前から、新宿紀伊国屋にあった
サラサラの豚バラ肉のカレー。
今考えると、なにがどんな味だったのか、忘却の彼方。
きっと素朴であったのであろう。
だが、あれはしみじみ、うまかった。
断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |
2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |
2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15
2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |
2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月
2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月
2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |
2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月
2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月
2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |
2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |
2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |
2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |
2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |
2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |
2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |
2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |
2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月
2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2013 9月 |
2014 10月 |
(C)DANCHOUTEI 2014