断腸亭料理日記2013
10月26日(土)
かぼちゃがあった。
しばらく前から。
まるまる大きなままのものが一つ。
内儀(かみ)さんが、だれやらからもらってきたようである。
うちの内儀さんはあまりかぼちゃがお好みではないのか、
料理の仕方がわからないのか、放ったまま。
冷蔵庫の野菜室に入っていたが、場所塞ぎなので、出したり。
私もかぼちゃというのは、特段大好きというわけでもなく、
なにか作ろうという気にもならなかった。
一週間以上はあったろうか。
このかぼちゃ、ハロウィーン記念か?。
バレンタインほどではないが、街にはいろいろなディスプレイに
使われたり、フェアのようなものが行われていたりして
見た目にはにぎやか。
10月の31日、アメリカではかぼちゃのランタンを作ったり、
例の子供たちが仮装をしてお菓子をもらって歩く、
トリック&トリートが盛んに行なわれている。
むろん、日本ではこんなことをする人はいなかろうが。
今はアメリカで盛んな行事のようだが、もともとは
イギリス人、古くはケルト人の秋のお祭り。
私自身ほとんど知識はないが、おそらく、キリスト教以前の、
彼らの民俗といってよいのであろう。
さて、かぼちゃ。
なにかいい調理法はないかと考えた。
内儀さんもそうだと思うが、かぼちゃというのは
硬くて切るのがたいへんで、これも面倒な感じを起こさせている。
料理とすれば、煮物、天ぷらあたりが思い浮かぶが、
煮物もあまりパッとしないし、かぼちゃだけのために
天ぷらをする気にもならない。
!。
スープ。
ポタージュである。
これであれば、量がはける。
私自身、ポタージュスープというのは、
意外に好きで、いろいろな野菜で、作ってみたこともある。
キャベツでもブロッコリーでもじゃがいも、etc.
野菜を煮崩して、裏漉せば出来上がる。
繊維の強いものは裏漉すのが手間ではあるが、
特段のコツなどいらず、誰でもそこそこのものが
できる料理であろう。
調べてみると、かぼちゃはレンジでかんたんに火が通るようである。
まるまる一個の半分を使おう。
切り始めたら気が付いた。
置いてあるうちに、ちょっとわるくなっているところも
あった。が、これはそこだけ切り取れば問題なさそう。
種を取って、半分はラップで包み、残り半分、1/8くらいに切って、
大皿にのせてラップをして、レンジで2分加熱。
こんな短くてよいのだ。
ゴツイ割に、火は簡単に通る。
皮をむかねばならぬが、熱いので冷めるまで待つ。
玉ねぎ1個を薄めにスライス。
大き目の鍋にサラダオイルを敷いて、スライスをした玉ねぎを
炒める。
しんなりしたら皮をむいたかぼちゃを投入。
コンソメ、ローリエ、水を加えて、煮込む。
この後、ミキサーで粉砕するので、粉砕できるくらいの
柔らかさが必要であろう。
が、レンジ加熱でかぼちゃは既に柔らかい。
ローリエが馴染んで香りが出ればよいだろう。
10分ほど。
これも粗熱が取れるまで置いておく。
量が多いので、ミキサーは3回に分けて粉砕する。
ミキサーに入れる量は上から2/3程度が限界。
回しはじめに強い圧力がかかって、ふたを跳ね飛ばしてしまう。
OK。
かぼちゃというのは、繊維質が強くない。
裏漉すといっても、目の細かい裏漉し器でなくとも
よさそうである。
粉砕したものは、ステンレス製のざるで濾して鍋に戻す。
牛乳を入れて伸ばすのだが、牛乳は切れている。
買いに出ようかとも思ったが、先週、わたりがにのパスタに
使った生クリームがあったので、この残りを全部使ってしまおう。
煮立てて、塩胡椒、味見。
OK。
裏漉しが楽なので、そうとう簡単に感じられる。
また、かぼちゃというのは、こんなに簡単に火が通るというのは
知らなかった。
芋栗(蛸)南京(いもくり(たこ)なんきん)などといって、
女性の好む食べ物の代表であるが、先に書いたようにうちの内儀さんは
作らないので我が家ではまず見かけない食材であった。
作ったのは土曜の午後だが、この日は食べるものが
他にもあったので、日曜の朝。
この黄色は見た目にも美しく、
いかにも秋らしい。
かぼちゃのポタージュ、多少の時間はかかるが、
誰でも簡単にできて、うまいものである。
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