断腸亭料理日記2013

二月大歌舞伎 その1

團十郎、八代目まで書いてきたが、九代目から明治になる。
きりもよいので、ここで一先ず團十郎のことは終わりにし、
歌舞伎ばかり続くのだが、今日からは9日に観にいった、
日生劇場の二月大歌舞伎のことを。

2月9日(土)

このところ、毎月歌舞伎を観にいっているが、
今月も、この連休にいくことにした。

2月は、新橋演舞場ではなく、日生劇場。
(なぜだろう。演舞場は休みではなく、歌舞伎ではない
他の演目を演っている。)

日生劇場の方は、松本幸四郎の座頭ということになるのか。
昨年の転落事故で大怪我を負った、子息、市川染五郎の
復帰公演、ということになる。

昼夜、同じものをやっており、夜の部を観にいく。

16時半からなので、15時半、着物を着て、
内儀(かみ)さんとともに、出る。

日生劇場は日比谷。

銀座線で、稲荷町から乗って、銀座で降りる。

銀座線の銀座駅からは、寒いので、地下経由で
有楽町の高速下のモールを抜け、JRの高架をくぐり、左に
帝国ホテルを見ながら、日生劇場まで。

演目と配役を書き出しておく。

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 口上(こうじょう)
                      松本幸四郎
一、義経千本桜 吉野山(よしのやま)
           佐藤忠信実は源九郎狐  市川染五郎
                 逸見藤太  中村亀 鶴
                  静御前  中村福 助

   河竹黙阿弥歿後百二十年   河竹黙阿弥作
二、通し狂言新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)
  弁天堂   お蔦部屋   お蔦殺し   魚屋宗五郎
       〈弁天堂・お蔦部屋・お蔦殺し〉
                 愛妾お蔦  中村福 助
               磯部主計之助  市川染五郎
                召使おなぎ  市川高麗蔵
                 小姓梅次  中村児太郎
                 岩上典蔵  大谷桂 三
                浦戸紋三郎  大谷友右衛門
               浦戸十左衛門  市川左團次

    〈魚屋宗五郎〉
                魚屋宗五郎  松本幸四郎
             宗五郎女房おはま  中村福 助
                召使おなぎ  市川高麗蔵
                 小奴三吉  中村亀 鶴
                  鳶芳松  大谷廣太郎
               酒屋丁稚与吉  松本金太郎(夜の部)
                父親太兵衛  松本錦 吾
                 岩上典蔵  大谷桂 三
               磯部主計之助  市川染五郎
               浦戸十左衛門  市川左團次

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席は、中央、前の方が取れた。
なかなかよい席。

最初は幸四郎の口上。

幕があくと、中央に幸四郎一人。

裃姿(かみしもすがた)。

裃の色は、柿色。
イヤホンガイドによると、髷は鉞(まさかり)髷、
という鉞型のもの。
(これは市川宗家のものらしい。)

倅(せがれ)染五郎の怪我からの復帰を喜び、
贔屓(ひいき)への感謝を述べる。

高麗屋。

「・・・隅から隅まで、ズズズイーッと、御願い
あ〜〜げ奉ります〜〜。」

口上というもの、なかなかよいものである。

私も、めずらしく、
「コォゥライヤ」と声をかけてしまった。

よかったね〜、無事復帰できて、という思い。

一度、幕。

再度、幕が開き『義経千本桜・吉野山(道行)』。

背景は吉野山の満開の桜。
染五郎と福助。

染五郎も元気そう。

(寛政11年(1799年)9月、江戸市村座
源九郎狐・三代目瀬川菊之丞、初代松本米三郎・しづか御ぜん
画・豊国)

これは、所作事、という踊り中心の幕。

やっと私もわかってきたのだが、この道行、というのは、
歌舞伎のお約束の幕。

この前買った観た『忠臣蔵』のDVD、大序から十一段目の
討入りまで文字通り、通し。

この『仮名手本忠臣蔵』にも道行がある。
構成はほぼ一緒。

男女の道行を描いたもの。
『忠臣蔵』であれば、お軽勘平、今日の『義経千本桜』では、
静御前と佐藤忠信と、むろん、話によって役は違う。

清本をバックに、踊りがあって、簡単なセリフの入った芝居があり、
後半に半道化、半悪という決まったキャラが、花四天(はなよてん)
という名前の捕り方数名と登場し、簡単な芝居、捕物、
主人公(この場合忠信)がやっつけて、幕。
皆、この構成になっている。

これ、1時間かけて演るのである。

まあ、そういってしまってはもとも子もないのだが、
正直のところ、踊りのわからない私には
多少の退屈さは否めない。これも修行。

 


明日につづく。

 

 

 

  


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