断腸亭料理日記2012
3月1日(木)夜
今日は、前回の続き。
そう。
モツの味噌汁。
おでんが冷蔵庫から見つかって、
一日先送りとなってしまった。
今日は、昨日よりは暖かくなったが
それでも夜になると、まだまだ寒い。
帰宅し、作る。
入れるものは、モツと里芋、それから豆腐、
あとは、ねぎ、といったところ。
まずは、里芋。
洗う。
里芋、というのは、今、東京では
洗ったものは、あまり売られていない。
なぜであろうか。
芋を洗うようだ、という慣用句があるが、
我々の子供の頃でも、八百屋では、樽に入れ、
棒を二本入れて、かき混ぜながら、洗っていたのを
憶えている。
もしかすると、里芋そのものを食べる機会が
減っているのではなかろうか。
家でも里芋は味噌汁にもよく入っていたような気がするし
むろん、筑前煮などの煮ものでも定番だった。
我々の世代以降であろう。
自分自身をふり返っても、あまり食べなくなっている。
じゃがいもと違って、洋食には使わないし、
どんどんと、影が薄くなっていくのかもしれない。
前に、正月、雑煮に入れる里芋、というのを書いた。
里芋というのは、日本人が稲作を始める前から
食べていたと思われるいわば、古馴染み。
また、ただ『芋』といえば、北海道ではジャガイモ、
九州ではサツマイモ、だと思うが、本州では、
親の世代までは、サトイモのことであった。
里芋の影が薄くなっていくのはやはり、
気になること、ではある。
ともあれ。
里芋を洗う。
プロは、完全に包丁でむいてしまうが、
家庭では洗うだけ、が、よいだろう。
金だわしでまわりの毛のようところや、泥を
きれいに取る。
洗ったら、どのくらいの大きさに切ればよいか。
モツとともに、圧力鍋で煮ようと思っているので、
大きめ、半分の大きさでよかろう。
モツを圧力鍋に入れ、里芋も入れる。
水の量は、味噌汁なので、ヒタヒタよりも
ずっと、多め。
ふたをし、点火。
圧が上がって、弱火。
この状態で、5分。
火を止めて、あとは放置調理。
30分後、圧が下がったところで、ふたを開ける。
芋も煮えている。
先に、味噌を溶く。
味は濃いめがよかろう。
豆腐は比較的大き目。
長ねぎは、5分(ぶ)切り。
(5分というのは、1寸の半分、つまり、1.5cm程度。)
ねぎに火が通ればOK。
完成。
器に入れる。
やはりこれには、七味が必要であろう。
前回、豚汁のモツ版、と、書いたが、
脂の多い肉が入った味噌汁。
そういう意味で、ねぎと七味は欠かせない。
そうそう、今日、とある地下鉄の駅で売っていた、
九州熊本の辛子蓮根(からしれんこん)。
気になって、買ってしまった。
これも切って出す。
ビールを抜いて、食べる。
やはり、予想をした通り、なかなか、で、ある。
モツの食べ方とすれば、完全にアリ、であろう。
里芋もうまいし、ねぎもよい。
そして、温まる。
辛子蓮根。
そうそう頻繁に食べるものではないが、
なかなかうまいもの、で、ある。
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