断腸亭料理日記2012
6月30日(土)夜
さて。
土曜日。
今日は、夜、内儀(かみ)さんのリクエストで
浅草橋、というのか、柳橋二丁目になるが、
近所の中国料理、馥香(フーシャン)へいくことにした。
近所といっても、侮(あなど)ってはいけない
ヌーベルシノワというのであろうか、
その腕は、知る人ぞ知る、まあ、有名店と
いってよいのだろう。
ここで、正月のお節料理を買ったこともある。
昼前、18時の予約のTELを入れておく。
15時すぎ、ちょいとオフィスへ出て、
仕事を片付けて、馥香へは直接向かうことにする。
内儀さんとは店で。
市ヶ谷から総武線で浅草橋。
先頭の改札から出て、蔵前通り(江戸通り)を
蔵前方向へ歩く。
10分もかからない。
右側。
ビルの1階だが、中国料理店にはとても見えない。
ガラス窓が大きく、緑があるエントランス。
浅草橋は“らしからぬ”店と、いってよかろう。
大きなガラスのドアを開けて入り、
名乗って、座る。
まずはビール。
アラカルトで頼んでもよいのだが、
今日は面倒になり、コースにしてみる。
一番下、 \5,460、というもの。
書き出すと、こんな感じ。
・中華冷菜五種盛り合わせ
・フカヒレを詰めた茶巾入り上湯スープ
・芝海老と金針菜の炒め
・蟹爪のクルトン揚げとスティック春巻き
・豚タン元の黒酢ソース和え
・山西省流手延べ麺
・デザート
一般の中華のように大皿取り分け、ではなく、
あらかじめ、めいめいの皿に盛り付けられて、
運ばれる西洋料理式。
冷菜盛り合わせ。
上から時計回りに、鱧(はも)の重ね焼き、
自家製チーズ、姿くらげの酢の物、叉焼。
そして、真ん中がゴーヤと茗荷の酢の物
鱧。
これは、先のお節で、近いものが入っていた記憶がある。
その時は穴子であったか。
甘くはないが、ちょっと焼き菓子のような感じ。
チーズというのが、中華にあるのかどうか、
私はわからぬが、文字通りチーズのようなもの。
姿くらげ、というのが、おもしろい。
この大きさで、二匹。
つまり、そうとうに小さいくらげ。
その等身大のまま、酢漬け、に、なっている。
味は、普通のくらげと、大差はないであろう。
やはり、ちいさいと、くらげもかわいい。
足があって、火星人のよう。子供、で、あろうか。
叉焼は叉焼。
ゴーヤの酢の物というのは、初めて、
苦味が少なく、うまい。
ビールから紹興酒にかえる。
『フカヒレを詰めた茶巾入り上湯スープ』
これはばかうま。
まず、スープがうまい。
中華というよりは、上等なコンソメスープのように
濃厚。こういうところがこの店のすごいところ、
なのではなかろうか。
ぷりぷりのフカヒレもまた、うまい。
『芝海老と金針菜の炒め』
金針菜、と、いうのは、まわりに三つある細長いもの。
どうも、花、らしい。
『蟹爪のクルトン揚げとスティック春巻き』
揚げ物の皿、ということであろう。
スティック春巻きの方の中味は海老。
蟹爪の方も、まわりは海老。
蟹のまわりも海老、というのもおもしろい。
『豚タン元の黒酢ソース和え』
これはようは、黒酢酢豚で、肉が豚タン元、ということ。
タン元、というのは、タンの付け根なのだが、
これがすごい。脂があって、柔らか。
これも、ばかうま。
タン元というのは、初めて食べたもの、かもしれない。
『山西省流手延べ麺』
麺もこの店の看板。
見えるところで、延ばしている。
あ!。忘れていた。
出てきたのは、透明スープの鶏そば。
ここは、コースの麺は、希望によって作ってもらえたのであった。
今日は、内儀さんが、坦々麺を食べたい、と、いって、ここにした。
つまり、事前に、頼んでおかねばならなかったのだが、
二人してすっかり忘れていた。
麺はモチモチ。この鶏そばは鶏そばで、むろん、うまい。
『デザート』
エッグタルトとマンゴープリン。
エッグタルトは、マカオの名物であったか。
熱々でうまい。
マンゴープリンは濃厚。
うまかった。
そうとうに腹一杯。
食べ終わると、シェフが挨拶にきた。
おいしかったです。ご馳走様でした。
別段、大上段に振りかぶらなくとも、十二分にうまいディナー。
近所でこれが食べられるのは、有難いこと。
紹興酒もだいぶ呑んだ。
いい気分で、歩いて帰宅。
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