断腸亭料理日記2012

鰹 一本から その3
+上野藪蕎麦

引き続き、鰹。

生鰹節にして冷汁に使ったが、まだ、生鰹節で

半身残っている。

これをなににするか、で、あるが、
冷汁の前から、決めていた。

なにかといえば、モルディブカレー。
魚のカレー、で、ある。

これは先月冷凍庫に凍っていた、いなだ、で、
作ったところ。

モルディブカレーという名前は私が勝手につけているだけで
モルディブのカレーのレシピで作っているわけではない。

日本に入ってきているインドあるいは、あの周辺の
カレーは、ほぼ肉、あるいは、あっても、ベジタリアン用の、
豆のカレーで、魚のカレーはほとんど入ってきていない。

しかし、魚でカレーを作ると、日本人だからか、
同じように、辛くスパイシーでも、肉とはまた違って、
うまいものができる。

モルディブはご存知の通り、インド洋のサンゴ礁の島国で
豊かな漁場。インドマグロも獲れれば、カジキ、そして
鰹も獲れる。

一昨年であったか、モルディブにダイビングにいった時に
ダイビングボートから、モルディビアンが漁をしている
のを見かけたことがあった。


これ、水(海水)を船から撒きながら釣竿を動かしているが、
おそらく鰹の一本釣り。
この水を撒きながらの鰹の一本釣りは、日本の鰹漁が
広まったもの、と、聞いたことがある。

この前も書いたが、彼らはこうして鰹も釣るし、鰹節に近いものも
作っている、のである。

さて。

午後、切れていたスパイスがあったので、
アメ横まで買いに出る。

この近所、上野浅草周辺では、蔵前にインド人経営の
インド食材店があるが、日曜は休み、との記憶があり、
アメ横にきた。

アメ横の大津屋、という店。

本来はアメ横によくある乾物やなのだが、
若旦那の趣味なのか、インド、アラブなどの
スパイス、食材も扱っている。
(アラブ諸国ではとってもポピュラーな、ナツメヤシを
干した、デーツ、も置いている。)

大津屋で、切れていた、ガルダモンのホールを買う。
さすがに昨日の今日なので、魚やは素通り。

代わりに、ということもないのだが、
ちょいと、蕎麦でも、と、上野藪に寄ってみる。

やぱり、蕎麦やに入ると(いや、蕎麦やでなくとも
ラーメンや、でもそうか。)やっぱり、ビール。

エビスの瓶。


さて、なににしようか。

夏、ここにくると、ついつい頼んでしまう、
サラダ蕎麦

蕎麦のご通家の方などには、そんな邪道な、
と、後ろ指を差されそうだが、意外に、これがうまい。


蕎麦にのっけて、混ぜて、食う。


赤ワインで煮たというレアに火の通った鴨肉と、
素揚げの海老などものって、豪勢。

混ぜて蕎麦つゆと、酸味の少ないドレッシングをかけて食べる。

上野藪というのは、池之端や浅草並木など、
三薮(さんやぶ)と呼ばれる、初代薮直系ではないが、
明治25年創業の立派な老舗。

ここが出す品である。そうそう侮ったものでもなかろう。
うまいものはうまい、で、いいじゃないか。

さて。

鰹のモルディブカレーは夜。
作り方はもうよいであろう。

前回とまったく変わらない。
スープ多めを目指す。

出来上がり。


見た目、ツナ缶を入れたカレーのよう。

ツナ缶で作ると、どうなるのか、
やってみたことはないが、もしかすると、
同じような味になるのかもしれない。

ツナ缶も、鰹を使っているものが多いと、
聞いたことがある。

生の鰹から作るのと、ツナ缶から作るのとは、
なんとなく有難味が違うような気もするが、
今度やってみようかしら、、。





P.S.
本格的な猛暑がやってきたようです。
今日も本当に暑かった。

皆様もお身体にはお気を付けください。




上野藪
台東区上野6-9-16
tel.03-3831-4728





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