断腸亭料理日記2012
1月19日(水)夜
夕方、ビッグサイトの展示会。
今日などは、ここ数日に比べると、
少し暖かいか。
(まあ、寒いことは寒いが。)
帰り。
門仲(門前仲町、モンナカ)の魚三へ寄ってみようと、考えた。
ビッグサイトからは門仲まで、都バスの路線があるので
便利である。
それでも30分弱かかって、門仲まで戻ってきた。
魚三というのは、ところでは名物、であろう。
“元”魚やの、居酒屋。
店名には今でもそう書いてあるが、いうところの大衆酒場。
ビッグサイトからのバスは、清澄通りと永代通りの交差点から
少し、清澄通りを北へ行ったところにとまる。
魚三は、永代通り沿い南側、不動様よりは先、
八幡様よりは手前。
そんなところにある。
交差点を渡って、商店街を歩く。
門仲というのは、なかなかおもしろい街である。
歴史を振り返ると長くなるので、別の機会にするが、
古くは漁師町。江戸中盤以降は隣にある木場の活気と
櫓下などといわれた岡場所を含め、深川芸者を生んだ、
花街・色町という側面。
また、明治以降は、洲崎なんという遊郭も隣にあった。
歩いていると、見るからに古そうな和菓子やさんあったり、
また、この永代通りの一本裏の通りも元は花街の流れを汲んでおり、
味がある店が少なくない。
東西線の東側の出入口のすぐ先が、魚三。
大衆酒場なのだが、ビルである。
2、3階もあり、少し人数が多いと、上の階。
一人二人だと、1階。
下町のこの種の大衆酒場ではお約束。
この店も、早い時間から、にぎわっている。
1階は広く、コの字形のカウンターが2組、
奥に向かって、長く配置されている。
着いたのは、6時前。
入ったら幸い一つ、あいており、すぐに座れる。
間発を入れずに燗酒。
大徳利でグラスになみなみと注(つ)いでくれる。
これで1杯180円。(別に、大関の一合徳利型のガラス瓶
というのもある。)
つまみは、と、壁に隙間なく貼られた品書きの短冊を見る。
ん!。白魚刺し。
頼んでみると、切れた、という。
じゃあ、まぐろブツ。
が、、これがなかなかこない。
忘れられたかと思い、別のもの!。
小鯛酢。
それから酢の物ばかりだが、牡蠣酢、同時に頼む。
小鯛から。
鮨やでは、春子(かすご)といっているやつである。
ここは、ほぼどれでも300円〜400円。
やはり、これは安かろう。
また、どうも私は、こういう〆ものが大好きである。
牡蠣酢もきた。
お酒もお替り。
無銘で(?)安いが、この酒、なんら問題なく呑める。
(いや、そんなことをいっては申し訳ない。うまい。)
と、まぐろブツもきた。
忘れられていたわけではなかった。
まぐろといえば、ここは、赤身と中トロの両方入ったものがあり、
同じように300〜400円で、皆、こちらを頼むので、
ブツはわざわざ、作っていたようである。
(ブツは、はっきりした値段は忘れたが、180円?
100円台ではなかったか。)
スーパーで売ってるまぐろなんぞよりも、比べるのも
申し訳ないくらい、数段うまい。
お酒も3杯目。
そうそう、忘れていた。
ここの名物、アラ煮、50円也、を頼むのを忘れていた。
鰤、かな?。
うまい。
これで勘定。
(2000円程度だったか。)
ご馳走様でした。
このカウンターのお客は一人というのも、多い。
私の隣には、ジャンパーを引っ掛けた
職人風のお爺さんが、後からきて、先に出て行った。
お爺さんは、座るなり、大関と、鯛、といって、
大関一合と、鯛の刺身、合わせて、600円程度。
これだけで、帰っていった。
ぐずぐず呑んでいないで、ちょいと呑んで、つまんで、
いい気分でサッと出て行く。
これがこの店らしいのかもしれない。
私は、近所にあれば、毎日とはいわないが、
週1回は確実に来るだろう。
安いから、というだけではない。
ただ安いだけならば、立ち呑みでもいくらもある。
さすがに深川、元魚や。
小鯛酢、牡蠣酢なんという、乙なものを
ちょいと、置いているのがうれしいのである。
魚介類が好きな酒呑みとっては、パラダイス。
まさに深川至宝、門仲の奇跡、で、ある。
魚三酒場
TEL:03-3641-8071
住所:東京都江東区富岡1丁目5−4
断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |
2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |
2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15
2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |
2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月
2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月
2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月
2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月
2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月
2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月
2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 |
2009 12月 | 2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 |
2010 7月 | 2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2010 12月 |2011 1月 |
2011 2月 | 2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月
2011 9月 | 2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 |
(C)DANCHOUTEI 2012