断腸亭料理日記2012

鰤(ぶり)大根

1月16日(日)夜

引続き日曜日。

朝、チャーハン用の材料を買いに
近所の三筋にあるスーパーヤマザキへ行った際に、
鰤のアラが目に付いて、大根半分とともに、
買っておいた。

これは、鰤大根。
ご存知の鰤と大根を一緒にしょうゆで煮たものを
作ろうと思ったのである。

鮪でもしまあじなどでもそうだが他の魚であれば、
刺身にしたアラ、というのは、それこそ
100円〜200円で安いのだが、鰤のアラは
高い。(と、いっても、300円くらいだが。)

それだけ鰤大根というメニューが一般に人気がある、
と、いうことであろう。

夕方、作り始める。

まずは大根。

これは下煮をする。
(ふろふき大根の下煮)

大根を切る。
皮をむき、時間があるので、輪切り。

2個ほど、面取りをしてみる。

時間はあるが、今日も圧力鍋を使う。
(エネルギーの節約にはなる。)

水をヒタヒタより少し多めに入れ、
米粒を一つかみ、ぱらぱらと入れる。

なんだかおまじないのようだが、
和食ではプロは大根を茹でる場合は、
昔から米の研ぎ汁で。ない場合は、米粒
一つかみ、を入れる、ということになっている。

香りがよくなるようにも思うが、
本当の意図している効果、というのは、わからない。

昨日のチャーハンもそうなのだが、
プロが昔からやっていることは、意図が
よくわからないものが意外に多い。
他には、やはり和食だが、たこを茹でるのに、
茶ぶり、と、いって、熱い番茶をかける、
ということをする。柔らかくなるのか、
香りがよくなるのか、これなども、意図や、
メカニズムがよくわからない。

だが、まあ、今回も入れてみる。

今日も圧をかけて、2〜3分で消火し、30分弱放置調理。

その間に、鰤。

こちらは薬缶にたっぷりと湯を沸かす。

煮る前の霜降りのため、で、ある。

ざるに鰤のアラを並べておき、沸騰してすぐの
熱湯を表面にまんべんなくかける。

次に、冷水できれいに洗う。

煮る前にこれをするのは、血合いなどを取り、
きれいにするため、で、ある。

圧力鍋の方。
30分経ち、ふたを取る。

よい感じに火は通っている。

次に、煮やすいように口径が大きい(高さではなく、
深くないが、円周方向に大きい)鍋を用意。

大根と霜降りした鰤を並べる。
水と酒、しょうゆ、砂糖。
水位は、ヒタヒタぐらい。

煮魚は濃い目で、煮る時間は短時間。
10分は長すぎる。7〜8分。

これ以上煮てしまうと、魚らしいプリプリとした
食感がなくなってしまう。
(つまり、魚のコラーゲンが煮汁の方に出てしまう
のである。)

このため、煮汁の方を濃くしておく。

煮立てて、アルミホイルで落しぶた。
予定通り、1〜8分で火を止める。


しばらく、味をふくませて、皿に盛る。


煮汁を濃くしているので、
大根にも十分に味はついている。

大根もうまいし、鰤アラも、うまい。

この季節、鰤はどこのスーパーでも、むろん、
養殖ものがほとんどだが、ほぼ定番で置いてある。

寒鰤などと書かれて売っているが、
養殖ものであるから、別段、この季節でなくとも
よいはずである。

しかし、鰤といえば寒鰤。
富山湾などが有名だが、天然ではこの季節が旬。
それが浸透しているからであろう。

正月の魚は、東日本が鮭なのに対して、西日本は鰤と
決まっている。
(私個人は、東京の人間なので寒鰤に特段の思い入れは
ないが。)

ともあれ。

この前も食べたが、冬の味覚大根。
温まるし、腹にもたまる。
鰤との相性は、ぴか一、で、ある。







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