断腸亭料理日記2012
12月10日(月)夜
さて。
今日は、末広町の和食[花ぶさ]。
割烹、といってよいのであろう。
久しぶりに会う、高校の同窓生
同じクラブだった、4人で。
最近、Facebookのおかげで、学生時代の古い友人
特に、大学よりも高校の方が多いのだが、同窓生と会う機会が
ぽつぽつとできている。
[花ぶさ]というのは池波レシピ。
従ってNHK文化センターでやらせていただいた
二回『池波正太郎と下町歩き』でも寄らせていただいた。
池波先生が、ここにこられていたのは
むろんご存命な頃であるから、30、40年前のこと。
エッセイ『散歩のとき何か食べたくなって 』(新潮文庫)
に出てくる。
池波先生は浅草永住町というところで育たれた。
これは今、私が住んでいる元浅草。
上野と浅草の中間に位置する。
ここから上野広小路のちょい南の末広町は目と鼻の先。
浅草永住町からは歩いても、20分程度。
そういった地理的な近さもあったのだろう、
ふらっと立ち寄った時に、店の雰囲気に懐かしい東京下町を感じ、
特に当時の女将(おかみ)さんと意気投合された、と、いう。
丁寧で温かい。
(でも下町らしくさっぱりしている?。)
そんな感じであろうか。
今は、代替わりをされているのだろうが、
それは、かわらないこの店のよさ、なのであろう。
1週前にTELを入れ、予約をしておく。
6時半、オフィスを出て、大江戸線で上野御徒町。
降りて、末広町までは歩く。
旧黒門町、中央通りの一本西の裏通りを真っ直ぐに秋葉原方向にいくと、
[花ぶさ]の前に出る。
7時2〜3分前に到着。
硝子戸をあけて店に入り、ご主人に会釈をし、
お姐さんに名前をいうと、席は二階の座敷。
靴を脱いで階段を上がる。
ここは座敷はいろいろな大きさがあるが
4人なので二階奥の6畳ほどの部屋。
まだ連れはきておらず、一番乗り。
すぐにもう一人きて、遠慮のない仲、
ビールをもらって先に二人で呑み始める。
残りの二人もすぐに揃い、始めてもらう。
あらかじめお願いしておいたのは、名物の千代田膳。
千代田膳の名付け親は、池波先生。
最初は白い胡麻豆腐。
前後して酢の物。
なにか白身魚の縁側であったか。
なかなか乙な酒の肴。
お造り。
左から時計回りに、まぐろ、鯛、くえ、生うに。
どれもうまいが、特にまぐろがよい。
汁物。
みぞれ椀。
(魚が入っていたと思うのだが、なにか忘れてしまった。)
お膳。
左下から時計回りに、
魚焼き物、鰆(で、あったか?)。
上左、煮もの。
芝海老、南瓜、くわい、里芋(見た通り)。
味は基本、薄味。
上右、この店の名物、海老真薯。
いつも、必ず揚げたてほかほかで、格別。
右下、鰹(土佐造り、というのか)。
出汁巻玉子がきて、ご飯、赤出汁、お新香。
ここはなぜだか、ご飯に必ず出汁巻玉子が出てくる。
(ご飯は、なにかの炊き込みであったと思うのだが、
これも忘れてしまった。)
甘味。
これもここの定番、白玉ぜんざい。
お昼の定食にも付いてくる。
皆、言っていたが、今時、懐かしい味。
ビールからお酒に替えて、私も随分と酔っぱらってしまった。
また、旧友との話に夢中になり、今日は料理を細かく覚えていない。
(申し訳ない。)
お勘定、割勘で一人8000円程度。
ご馳走様でした。
帰り、またまた、ご主人が外、我々が見えなくなるまで
お見送りしてくれる。
他の三人は驚いていた。
私の顔?、いやいや、まさか、いつものこと。
今度また、ゆっくりカウンターで。
今まで、お昼以外は、一人できたことはないが、
池波先生は一人でもよくこられていたっけ。
ありがとうございました。
花ぶさ
東京都千代田区外神田6-15-5
03-3832-5387
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