断腸亭料理日記2011

天ぷら

9月4日(日)夜

さて。

日曜日。

今日は、朝から再来週の資料作り。

例によって、と、いうべきか、
段々に、資料が長くなってしまう。

人形町というのは、やはり、なかなかに、
おもしろい街なのである。

江戸初期から、長いこと、芝居町としてあり、
いわゆる、悪所、などともいわれていた頃。
そして、天保以降の芝居が浅草へ移転してから。

さらに、また、明治に入り、随分と変わっていく。
兜町や蠣殻町の各取引所の相場師達の遊ぶ
芸者町、芳町として。

こんな痕跡を紐解いていくと、
自然と長くなってしまうのである。
まあ、詳しくは、終わってからのこと。

昼すぎ、日曜だが、内儀(かみ)さんは出張で出かけていく。

資料はまだ完成していない。
しかし、私も、ちょいと蔵前に自転車で用足しに出る。

そこから、一度、戻り、上野のヨドバシで
壊れてしまったUSBメモリーなどを
買い、吉池にまわる。

例によって、魚をみるため。

9月に入ったからか、
魚の種類が増えているようである。

秋刀魚。
これはまだ、北海道産で、高い。
やっぱり、¥100くらいにならねば、
いけなかろう。

小肌。
5cmほど。
さばいたら3cm程度にはなりそうで、
新子、と、いってもよいものか。

お!。
かわいい新いかもある。
やはり、3〜4cm程度か。
江戸前(東京湾産)と、書いてある。
獲れているのは聞いていたが、
こうして出回っているのを見るのは、
珍しい。

新いかとは、すみいかの子供。
小肌の新子同様、この時期にしか
食べられない。

どちらも、自分でさばいて料理しても
よいのだが、今日はまだすることが
残っているので、あきらめねばならぬ。

ん?!
大きなめごち。
愛知県産。

天ぷらだ。
四匹で、¥250ほど。

自分でさばかねばならぬが、
小さな小肌をさばいて酢〆にするよりは、
手間ではない。

天ぷらならば、穴子だ。

このところずっと、穴子は江戸前や
近くのものは出回らず、値段も安くなかった。

今日見ると、活け〆、九州のもので、細いものは
一本¥250。3本買うか。
煮てもよい。

いかは?。
まさか、新いかは小さすぎて、天ぷらには
できないし、もったいなかろう。

するめいか。
さばいたものがあったので、これを一つ。

OK。

大根だ。

大根は半分。佐竹商店街のみかわやで。

帰宅し、20時前まで、今度は仕事。

まったくもって、ぎっちり、で、ある。

料理にかかる。

まずは、穴子。
3本のうち、大き目の1本を
天ぷらにすることにし、あとを煮る。

瓶に入れて冷蔵庫にストックしてある、穴子のたれ。
鮨やで、ツメと、いっている、穴子の煮汁を
煮詰めたもの。

一度、レンジで軽く温め、鍋にあける。

穴子は、半分に切る。

たれは、煮詰まっているので、水、酒を入れ、
多少ゆるめ、穴子を入れる。

煮立ってきたら、アルミホイルで落し蓋をし、
柔らかく、煮る。

7〜8煮ていたら、ちょっと、煮汁が濃かったか、
既に濃く色が付き始めている。


ほんとうは、もう少し、そう、時間にして
10分以上は煮て、柔らかくしたかったのだが、
これ以上煮ると、味が染みすぎてしまう。

皿に上げておき、煮汁の方は、砂糖を足して、
さらに煮詰める。
むろん、最初のたれに戻す、ためである。

次。

今度は、めごち。

以前にも、さばいたことはあるが、
よくおぼえていない。
だがまあ、これは大きく、
そうむずかしいことはなかろう。


まずは、鰯や鯵を開く要領で、やってみる。

めごちの場合、背中を切り離して
尻尾だけでつなげておくのが、普通である。

気が付いた。

頭を落とし、次は、頭側から中骨に沿って
真っ直ぐ、真っ二つに尻尾の手前まで、
切り離してしまってよいのだ。

そして、今度は、中骨の下に包丁を入れ、
中骨を外す。
最後に、尻尾の手前で、中骨を、切る。

OK。

できた。

一度、冷蔵庫にしまっておく。

次に、天ぷらを揚げる。

もう、これはなん度も書いているので、
よいであろう。

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2010年

2009年

粉の配合は、今日は、市販の天ぷら粉と薄力粉1:1。
めごちと、穴子は、長め。
いかは、30秒くらい。


どうであろうか。

揚げ具合はそこそこうまくいったのだが、
今日の失敗は、めごちがちょん切れてしまったこと。

だがまあ、自分で食べるのだから、問題はない。

そこそこの天ぷらを自分で揚げて、自分で食べられる。
ここを目指して、苦労をしてきたわけだが、
報われたというのか、満足、幸せ、で、ある。

そして、煮穴子。


やはり、ほろっと、するくらい、
柔らかく煮たかった。

が、まあ、御の字。
十分うまく食べられた。

今日のところはこれでよしとしよう。






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