断腸亭料理日記2011

秋刀魚と鯖 その2

さて、鯖と秋刀魚。

まずは、秋刀魚を刺身にし、ビール。

そのまま、ゴロっと転寝(うたたね)。
次は、塩をした鯖、で、ある。

〆鯖にする場合、私は2時間を目安にしている。

この塩をする時間は実に大切なことである。

そして、時間の長さは〆方によって、様々である。
今、私は2時間と書いたが、吉池の売り場には1時間と書いてあった。
あるいは、一晩、なんというレシピもある。
どれが正しいのか。

また、なぜ大事なのか。
じゃあ、そもそも、塩をする意味はなんであろうか。

ご存知の方も多かろうが、鯖の身から水を
抜くためである。

塩をして水を抜いた後、酢に漬けるが、この酢に漬ける時間
というのは、塩をして置いた時間ほど、重要ではない。

なぜかといえば、塩をして水を抜いた分しか、
酢は染み込まない、のである。

塩をして2時間ほどだと出来上がりとして身の厚い部分、
血合いを含んで、周辺5mm程度の範囲であろうか、
この部分は酢が入らず、生の状態。

1時間だともっと浅い。

生の部分をなくし、100%酢を入れる場合。
それこそ、冷蔵設備がない頃の昔の〆鯖の作り方。
あるいは、押し寿司などにする場合も、生ぐさくなるので
これ。

この場合は、塩をして一晩、などともいう。
私が四つ木に住んでいた頃、立石の魚屋のお爺ちゃんなどに
聞いたのは、この一晩、で、あった。

よほど、鮮度がよくないと、1時間では少し心配。
そこで2時間程度がベストではないかと思っている。

今日は、寝てしまったので、3時間弱。

洗って、今日は、ここで先に皮をむいてみる。
酢に塩一つまみ、鯖を漬け、乾燥しないように、
上からペーパータオルを掛けておく。

先にも書いたが、この酢に漬ける時間は、重要ではない。
30分以上、であればよかろう。
1時間以上漬けておいても同じである。

夜。

切って、わさびじょうゆ。


血合いの部分と1〜2mmが生。
思った通り、脂はさほどでもないが、あまみがあって、
うまい。

一緒に、大根をおろして、秋刀魚塩焼きも。
(これは写真を出すまでもなかろう。)

さて。

秋刀魚ではもう一品。

秋刀魚飯
(もとは、池波レシピ。)

この秋、既に作って食べていたが、これはそうとうに、
うまい。

秋刀魚を買うと、絶対に作っておきたい。

準備はまず、米を研ぎ、酒しょうゆでちょっと濃い目の
味付けで水加減をしておく。

毎度書いているが酒を入れて浸水させるには、時間がかかる。
最低でも1時間以上。3時間は置きたい。

それで、今日は鯖を酢に漬けるあたりで、米の水加減は
済ませておく。

秋刀魚は2本、腹を出し、頭と尻尾を落として、
(塩をせず)素焼き。


これを浸水を終えた釜の中に入れ、
そのまま炊く。

炊き上がったら、一度秋刀魚を取り出し、
中骨を抜いてほぐし、再び釜に戻し、
小骨もともに、飯に混ぜ込んでしまう。

茶碗に盛る。
もみ海苔は、忘れてはいけない。


漬物は柴漬けとすぐき漬。

秋刀魚飯。

秋刀魚の脂が飯に染み込み、
べら棒に、うまい。

秋刀魚の食べ方として、今、最も気に入っている。

是非、お試しを。








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