断腸亭料理日記2011

神田鍛冶町・おでん尾張屋

1月6日(木)夜

昨日の、仕事始めから、二日目。

ちょいと、早い時間に引けて、
神田駅に向かう。

『講座』で神田界隈を調べているうちに、
一度、いってみなければ、という店にぶつかった。

鍛冶町、神田駅南口からすぐの路地裏にある、
尾張屋、という、おでんや。

『アド街』では『昭和3(1928)年創業』

と、書かれており、どうも、いきたくなる書きっぷり、で、ある。

中央線、神田駅で降り、南口へ降りてくる。
この神田駅のあたり、駅と道路の関係が、斜めになっており、
ちょっとわかりずらい。
(江戸の頃の区画の上に、線路を作って、駅を置いたから、
なのではあるが。)

南口を出て右。

と、すぐに、ガードを潜っている少し広い通りに
いきあたる。

これを向う側に渡って、線路際の路地、ではなく、
左側の斜めに入っている通りへ入る。

そして、左側の裏路地、二本目、ちょっとイカガワシイ感じ、
を左に入る。
入って、右側、2〜3軒目。

6時すぎ、ガラス戸を開けると、コの字のカウンター。

奥から、お客を詰めているのであろう、
一番手前の、縁(へり)だけがあいており、あとは、ぎっちり満席。

なるほど、噂に違(たが)わぬ、密度の濃さが感じられる。
しかし。
実際、私は、神田の呑みやに入るのは、おそらく初めてで、
他の店との比較はできぬが、例えば、
門仲(もんなか・門前仲町)だったり、北千住、
のような、下町のディープな密度とは違い、
だいぶスマートと、いってよいかもしれない。

座って、燗酒。

お通しが二つ。
枝豆と、こんにゃく、が、くる。

それから、おでんは、と。

以前に、そうとう書いているが、
私のおでんやで頼むものは、決まっている。
つみれ、ちくわぶ、がんも。
がんも、が、スジにかわることもあるが、
ほぼ、このあたり。


つみれ、ちくわぶ、がんも。

昭和3年創業、というが、お多幸のような、しょうゆで
真っ黒、の、正調東京風、ではない。
このくらいならば、関西風といってもよいくらいかもしれない。

しかし、がんもなども、吟味はされているようで、
十分に、うまい。

おでんを、もう一回戦、でもよいのだが、
他の肴も、ここは豊富。

他のお客の注文を聞いていると、刺身系も多い。

そこで、目に付いたのが、蝦蛄。

蝦蛄、なんというものを単品で刺身のメニューに
出しているところなど、珍しいかもしれぬ。
以前、蝦蛄なんぞは、江戸前のものでそうとう、
馴染みの深いもの、で、あったが、最近はあまりあがらなくなり、
三河湾だったり、瀬戸内のものが多いはずである。
それで、鮨やにも、あまり置かれなくなってもいると、
思われる。


蝦蛄。

これから、子持ち、なんというのも、
出てくると思われるが、たまには食べたいもの、
で、ある。

さて。

おでんや、と、いうもの、一人で入っても、
むろん、よいはずであるが、やはり、長居をする気には、
ならないもの。

お銚子、二本ほどで、勘定。

まあ、二人連れくらいでくるのがベター、で、あろう。

ごちそうさま〜、と、出る。

さて。

どうするか。

帰っても、むろんいいのだが、、、。
なにか、もう少し、腹に入れたい、ような、心持ち!?。

ラーメン?、蕎麦?

お、お、お、お。

そうである、須田町のまつや

あそこは、逆に、このくらいの時間(7時すぎ)ならば、
入れるかも。

いってみよう。

中央通りに出て、JRをくぐって、真っ直ぐ。
須田町交差点を渡って、左。

まつや、到着。

右側の戸を開けようとすると、案の定、
出てくる人もおり、なんなく、座れる。

座って。

もう、お酒はやめて。
寒いし、温かい、そば。

やっぱり、ノーマルな、天ぷらそば、
で、いこう。


大きな海老天2本。

汁も呑みほして、うまかった。

ご馳走様。
お勘定。

さくっと、出る。

ちょいと、よいおでんやと、まつやのそば。

このコース、神田とは、なんと贅沢な、
と、思わずにはおれない。




尾張屋
03-3251-4320
千代田区鍛冶町1-6-4





断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 |

2009 12月 | 2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 |

2010 7月 | 2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2010 12月 |2011 1月 |


BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2011