断腸亭料理日記2011
4月3日(日)
今日は昨日のつづき。
上野動物園で、寝たままのパンダ2頭を見、
足早に他の動物も見てみる。
ニホンザル、ゴリラ、その他。
動物園など見て回るのは、そうとうに、久しぶりである。
10年以上きていなかっただろう。
今日のお客の多くは、パンダ目当て、なのであろうが、
子供連れよりも、おそらく大人、それもカップルのデート
というのが、多い。
そして、パンダだけではなく、他の動物にも
ずいぶんと人だかりがしている。
今の動物園というのは、こういうことになっているのか。
北海道の旭山動物園が話題になった影響であろうか。
展示のされかたも、ただコンクリートの檻(おり)に
入れられているのを見るものは、むしろ少なく、
土や石、植物もあり、比較的広い場所で、上から見る、
真横から見る、など、より近くに動物が見えるように
上野も工夫されている。
4時をすぎ、閉演の音楽が鳴る中、山の下の西園にまわり、
不忍池出口から出る。
弁天堂を右に見る。
蓮枯て弁天堂の破風赤し
と、子規が詠んだが、今の弁天堂の屋根は緑。
(もっとも、建物自体もコンクリート製ではあるが。)
池の畔の桜も咲き始めている。
冬枯れから、花の季節到来、で、ある。
人は多いが、店を広げて花見をしている人は
少ない。
不忍通りに出て、アブアブ前の交差点を渡る。
路地を入り、アメ横ビル。
いつもの魚や。買うつもりはないが、のぞく。
(これというものなし。)
餃子の昇龍のガードをくぐり、真っ直ぐに。
この両側、立ち呑みやが、増えている。
と、ここまできて、おわかりであろう。
目的地は、上野藪、で、ある。
蕎麦やで、一杯、で、ある。
なぜ池の端藪ではなく、上野藪なのかといえば、
池の端の方は、この前行ったばかりだから、で、ある。
ここに内儀(かみ)さんと来たことは、
過去あったろうか。だいたいにおいて、
蕎麦やにくるのであれば、まず、私の場合、一人。
別段、気取っているわけではないが、
一人でくるところ、というような気がしている。
店に入ったのは、4時半頃、で、あろうか。
半端な時間のせいか、あき席は比較的多い。
人とくると、つまみをいくつかもらい、
居酒屋状態になる。
(それもわるくはないが、つまみ1品でお銚子せいぜい
2本まで。そばを食って、さっと出る。
なんとなく、そんなのがよい、のではある。)
まずは、お酒、お燗。
つまみは、焼海苔、玉子焼、穴子天を頼む。
これ、出てきた順番であるが、なぜか焼海苔が最後。
やはり、蕎麦やはこのぐらいの時間が、
落ち着けてよい。
そう。どうでもよいが、ふと、思い出した。
この上野藪、というのは、ガイドブックにでも載っているのか
中国、台湾系と思われる観光客を少なからず見かける。
この、地震と原発騒ぎで、アジア系の観光客はめっきり
減っているというが、なるほど、というところかもしれない。
このアメ横も随分と彼らを見かけていた。
ともあれ。
呑んで、蕎麦。
温かい蕎麦、がよい、な。
なにがよかろうか?。
たぬき!。
品書きを見る、、、、と、ない!。
そうか。藪には、たぬきはないのか。
ちょっと、チャレンジャブルだが、聞いてみると、
案の定、やっていない、と、いう。
天ぷらがあり、天ぷらそばがあるのだから、むろんできるだろう。
なのに、出さない、というのは、出したくない、
出すものではない、ということか。
確か、池の端にも、並木にもなかったのではなかろうか。
藪ではたぬきを出さないという、家法でもある?。
いずれにしても、なんらかわけがありそうではある。
ならば、ということで、かけそば。
きれいさっぱり、なにもなし。
蕎麦と、つゆのみ。
なにか、潔い感じすらしてくる。
こうしてみると、かけそばも、わるくない。
かけそばを頼んでいる人は、まあ、あまりみないが、
ざるやせいろもよいが、かけ、というのも、そばの愉しみとして、
あり、なのかもしれない。
うまかった。
勘定をして、出る。
疲れたので、元浅草までは、錦糸町行きのバスで。
上野藪
台東区上野6-9-16
03-3831-472
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