断腸亭料理日記2010

ねぎま、など

3月6日(土)土 第一食、第二食

さて、土曜日。

第一食は、玉子を落とした、乾麺のうどん。





つゆは、讃岐うどん風。
鰹で出汁を取って、さらにニョクマム、
塩、薄口しょうゆ。

雨、なのであるが、わりに温かい。

今日は、上野のキンコーズへいったり、
4月からの講座の準備、など。

夕方、田原町の赤札堂へ。

入ってすぐ、野菜売り場で、まず目がいったのが、

エシャロット。一束、100円程度で、安い。

それから、そら豆。
一袋、300円程度。
これは、旬の頃の価格、で、ある。
本来は初夏のものであろうが、
もう、このくらいで出てきたか。

それから、魚売り場。

なにか、こんなものばかり食べているようだが、
赤札堂は、魚のあら、が充実している。

魚のあらは、どこのスーパーにも置かれている
というのでも、ないようなのだが、なぜか、
赤札堂は充実している。

あらは、店で刺身、切り身、などを作っていると、
出る、のかと思う。
どのスーパーでもこれをしているわけではないのか、
あるいは、下町のスーパー赤札堂は、
あらがよく売れるから、出しているのか。

わからぬが、私としては、ありがたい。

なにしろ、安くてうまい。

きてみると、キハダマグロのあら。
脂もありそう。
200円ほど。

先週、同じようなものを作ったようが気がするが、
酒としょうゆで煮て、うまそうである。

そして、もう一つ、銀鱈の切り身にした、切れっ端。
これも、200円ほど。

銀鱈、という魚は、煮魚とすれば、
定番のもの、で、あろう。
どこのスーパーにも、常に置かれており、
値段もそこそこ、で、あろう。

脂があり、特段のコツもなく、うまく煮える。

本来は、北海道などの近海産であったのだが、
今、ほとんどが冷凍、アラスカなどからの輸入、の、ようである。
(毎度参考にさせていただいている:
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑より)

深海魚、らしい。この脂の多さは、
そこからきている、のだろう。

深海魚である、と、いうことは、養殖はできないのか。
と、すると、また、獲りすぎ、で、資源枯渇?!、、
そんなことにもなりかねない。

大西洋、地中海のクロマグロ禁漁の件もそうだが、
実際に獲っているのは現地の漁師や漁業会社なのであろう。
そういう意味では、日本だけが一方的に叩かれなければならない
のは、いささか納得がいかないようにも思う。
しかし、それはむろん、日本での需要があってのこと。
と、すると、やはり、資源保護には、日本の責任はまぬがれない。

手軽で、うまいものは、みんなが食べたい。
スーパーなどは、人気もあり、アタリハズレの少ない、
冷凍物で季節差も少ないであろう、銀鱈というのは、
品揃えとすれば、とても便利な魚なのであろう。
よって、漁業会社も世界中からかき集める。

やはり、このあたりに問題があるような気がするのである。

毎度書いているが、日本という国は、四方を海に囲まれ、
私達は、魚をなん百年と食べてきた。
この魚とは、むろん近海もので、それも季節、季節で獲れる
いわば、旬のものであったはずである。
そして、その旬の魚は、多く獲れるし、安く、かつ、うまい。
(いや、うまい食べ方がある。)

私のいつもいく、アメ横や、吉池でなくとも、
減っているのかもしれぬが、街の小売の魚やへいけば、
旬の安くて、うまい魚が置かれている。

魚というものは、そういうものであろう。

効率を考えれば、スーパーというのは、
いつもよく売れる定番のものを置くというのは、
うなづける。しかし、こと、魚について、
それをやってはいけない、のではなかろうか。

スーパーも旬のうまい魚を食べる、と、いう、日本人の食文化を
考える必要があろうし、世界の漁獲資源を守る、ということにも
責任があると思う。
国内の漁協、スーパーでも、規格外だったり、
少量しか獲れない魚も流通させようという取組みは
され始めているやに、聞くが、こういうことであろう。

また、これは、一人、スーパーの責ではない。
購入する我々、消費者にも大いに責任はある。
煮魚といえば、誰でも簡単にうまく煮える、銀鱈ばかり
食べていないで、安い、旬の魚をうまく食べる術も
覚えなければいけない、と、思うのである。

と、いうことで、、
あらも、捨てないで、ちゃんと、うまく食べるのも
魚食文化を培ってきた日本人の知恵、で、ある。

帰宅。

作る。

いや、作る、というほどのことはない。

そら豆はむいて、塩茹で。

マグロあら、は一口に切る。

湯を薬缶で沸かし、マグロ、銀鱈、ともに、霜降り。
一度、水洗いし、マグロの方は、酒としょうゆ、
朝のうどんのつゆが少量残っていたので、これも足し、煮る。
マグロに火が通ったら、ねぎも入れ、火を通す。
他の煮魚同様だが、マグロは煮すぎないのが、
ポイント、で、あろう。

銀鱈の方は、水はなしで、酒みりん同量に、
しょうゆで、甘く味濃く、多少煮詰め加減に。

エシャロットは、切って、金山寺味噌と。



今日は、ビールではなく、缶チューハイ。

エシャロット、そら豆、銀鱈、
どれも、うまいが、マグロがそうとうに、うまい。
柔らかく、プリプリ、脂もある。

居酒屋のメニューのようだが、
なかなか、満足のいくつまみ、ができた。




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