断腸亭料理日記2010
1月9日(土)夜
さて。
土曜、夜。
今日は、ポルペットーネ(polpettone)なるもの。
これはなにかというと、ミートローフ。
それも、イタリア料理のミートローフ。
先日、NHKで海外ドラマ、アグリーベティーを
視ていると、主人公が彼氏とNYの、
ちょいとしたレストランで食べていた。
ミートローフというのは、なにものであろうか。
挽肉をパテのように固めたもの?。
日本では、あまり見かけぬメニューであろう。
このドラマは、米国NYが舞台なのだが、いかにも、
アメリカの食い物、と、いう感じである。
グレービーソースなどがかかるのか。
はっきりいえば、あまりうまそうな感じはしない。
(そういえば、余談だが、グレービーソースなるものは、
そもそもなんであろうか。アメリカではマッシュポテトやら、
七面鳥やら、なんでもこれをかけるが、あれが、イマイチ、
なのか。)
しかし、どっちにしても、ミートローフは、
ハンバーグや、タルタルステーキなどに近い料理、
なのであろう。
タルタル、というのは、タタール人(韃靼人)
=中央アジアの遊牧民の古い言い方。
そういえば、こうした挽肉を固めて、生だったり、
焼いたり、煮たりした料理は、アラブにも多い。
一昨年のドバイ(レバノン料理)でも、
昨年のモロッコでも。
挽肉料理、というのは、まあ、料理方法とすれば、
さほど特徴的なものではないのかも知れぬが、
やはり、ルーツとすれば、中央アジアの遊牧民、
あたりなのか。
地理的には、イタリアというのは、アラブ、中央アジアに
やはり近い。ここ2年、アラブへいって、イタリア料理も
意外にアラブ料理に、近いように感じたのである。
イタリア料理にも挽肉、肉団子の料理はよくある。
調べてみると、ミートローフに近いものは、ポルペットーネ、
と、いい、イタリアの家庭料理でもあるらしい。
アメリカのミートローフはイマイチ、でも、
イタリア料理であれば、うまいかも知れぬ。
と、いうことで、イタリア流ミートローフ、
ポルペットーネを作ってみようと思い立った。
レシピを調べると、やはり、トマトソース。
肉は、豚でも牛でも、合挽でも、羊でも、
家庭ではよいようであるが、今回は、牛100%に。
他には、パルミジャーノレッジャーノ、玉子、パン粉。
中に、ハムと、ゆで玉子。ソースのトマトは缶で、よいだろう。
挽肉以外は、すべて家にある。
昼過ぎ、自転車で出る。
床屋と、秋葉原へ買い物。
帰りに、牛挽肉、300g。
夜、レシピを見ながら、作り始める。
まずは、ゆで玉子、かたゆで。
皮をむいて、スライスしておく。
牛挽肉に生玉子、
すりおろしたパルミジャーノレッジャーノ50g、
パン粉も同じく50g、軽く塩。
これを粘りが出るまで、よく練る。
と、いうこと、なのであるが、練り始めてみると、
寒いからか、挽肉だが、硬い。
ある程度、練って、、
こんなもの、か、な、、。
ハムを短冊状に切っておく。
巻き寿司に使う、簀巻(すまき)、を用意。
ここにラップを広げる。
練った挽肉でスライスをしたゆで玉子と
ハムを太巻のように巻いて、円筒状にする、
のである。
挽肉を簀巻一杯に均等な厚みに広げてみる。
手前側に、ハム、玉子の順に重ねて、置く。
ハムと玉子スライスを巻き込むように、向う側へ巻く。
これは、さほどむずかしいことはない。
一度巻いて、まったく太巻きの要領で、さらに強く巻き締める。
ただし、両側から、はみ出てこないように、両側のラップを
押さえながら、で、ある。
簀巻をはずし、ラップの両側をひねる。
これでさらに、中側に押し込む。
これで、しばらく落ち着かせる。
20分ほど。
ここから、ソースとともに、煮る。
フライパンに、オリーブオイル。
にんにくスライスを、炒め、香りを出す。
ここに、カットしたトマト缶。
全部入れてしまう。
炒める、というのか、かき混ぜながら、煮立たせ、
塩胡椒。
先ほどの、ラップに包んである、挽肉の円柱。
このフライパンでトマトと共に、焼き煮、にするのだが、
入れる前に、全面に小麦粉をまぶす。
フライパンに投入。
レシピによれば、トマトの脇で、焦げ目をつける、
などと書いてあるが、今回入れた、トマト缶が、
一缶分で、量が多いというのもあるが、この状態で
焦げ目をつけるのは、無理、で、ある。
一応、一度ひっくり返し、全体を熱で、固める。
と、ここから、フライパンにふたをし、
ごく弱火で、20分。
焼き煮、と、いうよりは、蒸し煮、であろうか。
20分経過。
トマトソースは、随分と煮詰まっている。
竹串を刺して、中まで火が通っているのを確認。
いいだろう。
ヘラを二本持って、フライパンから上げようとする、、が、
ちょっと、くっついてしまった。
ヘラで、なんとが剥がして、皿にのせる。
折れないかと思い、心配したが、無事に移った。
トマトソースも皿に移す。
イタリア流、ミートローフ、ポルペットーネの完成。
どうであろうか。
なかなか、うまそうではないか。
食べてみる。
ん?。
ちょっとボソっとしているか、、。
で、味は、、。
ハンバーグのナツメグのような、
特段の香辛料も入れておらず、
パルミジャーノレッジャーノのみ。
トマトソースもそのままの、トマトソース。
ポルペットーネには小麦粉で、マスクをしているので、
ここからソースに肉汁が出る、ということもない。
と、いうことで、シンプル、というのか、
なにか、素朴な味。
これ、挽肉に、ヘッド(牛脂)など加えると、
もっとジューシーになりそうだが、それでは、
ハンバーグ、で、あるし、、、。
パルミジャーノレッジャーノをもっと入れて、
味を濃くする、と、いうのはあるかもしれぬが、
イタリアンでも家庭の味?基本的には、
こういうもの、なのであろう。
断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |
2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |
2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15
2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |
2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月
2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月
2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月
2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月
2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月
2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月
2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 |
(C)DANCHOUTEI 2010