断腸亭料理日記2009
9月18日(金)夜
帰り、吉池に寄ってみる。
ちょっと、早い時間、6時頃。
入ってくると、叩き売りのようなことをしている。
近寄ってみると、鮎。
小さいが、一箱、5匹入って、なんと100円!。
「ほら、お腹も張ってるでしょ。」、と、お兄さん。
むろん、養殖だろうが、100円とはまた、格安。
「最後の一箱だよ〜〜」
よし、買おう、か。
「ください。」
他には?、と。
お!。
すみいか、が、ある。
おまけに、新いか、と、書いている。
先週、捜し回っていたのであった。
やっぱり、出回りだした。
一山、4〜5杯あって、300円。
合計、400円也。
帰宅。
鮎、一箱。
すみいか。
まずは、すみいか、から。
大きさは、このくらいが、新いかというのか、
よくわからぬが、やはり小さめか。
さばく。
下足と腹を抜いて、甲も取る。
きれいに洗い、エンペラから、表の皮をむく。
下足とエンペラは、冷蔵庫に。
切って、さっそく、食べる。
ふむふむ、柔らかい。
歯でかむと、プチッとした軽い食感。
そして、広がるあまみ。
これは、なにより、で、ある。
さて、鮎も食べよう。
塩焼。
二匹、洗って、鰭(ひれ)に飾り塩をする。
飾り塩、と、いうのは、
必ずしも、単なる、飾り、ではない。
鰭が焦げるのをさける目的もある。
焼けた。
頭から、食う。
むろん、はらわたも。
養殖と、天然でどちらのはらわたが苦いのか、
という議論があった。
一般には、天然の方が苦い、と、いわれているという。
その真偽はわからぬが、これは苦くはない。
小さいが、どうしてどうして、なかなか、うまい。
一匹、20円。
これならば、そうとうなめっけもの、で、あった。
さて。
すみいか、は、まだある。
またまた、鮨、にしようと思ったのだが、
それは、翌朝。
浸水は夜からしておき、スイッチを入れたのは
起きてから。
カタメモード。
いつものように、焦って、
蒸らし時間を少なくしてしまう危険を考えて、
いかをさばくのは、スイッチが切れてから。
さばいて、にぎり用の大きさ、と、思われるくらいに、切る。
三切れになった。
飯(めし)はいいかな。
鮨酢。
塩と砂糖をほんの少し、と、すみいか、には、味が濃い目がいいかと思い、
今日は、しょうゆも数滴入れて、20ccちょい、作る。
釜をあけ、二合炊いた半分をボールに取り、
鮨酢を混ぜ込む。
OK。
粗熱が取れるのまで、置いておかねばならない。
ここでも、焦って、失敗していた。
その間に、下足とえんぺら。
昨日のも合わせて、湯通し。すぐに流水にさらし、水をよく切り、
ペーパータオルで水気をふき取る。
OK。
酢飯は、よいかな?
手を湿らす。
切っておいた、すみいか。
左手に取って、掌(たのごころ)にのせ、中央にわさび。
右手で、酢飯を取る。
この、取る量、というのは、むろん素人のこと、
むずかしい。
このくらいかな?
左手の酢飯、少し形を整え、左手のねたの上にのせ、にぎる。
ちょっと、多かった、少し、戻す。
もう一度にぎり、形を整える、
なん回かやっているが、うまくいくはずはないが、
まあよい。
三個。
食べる。
お、お!。
これは、これは。
刺身よりも、ずっとうまい。
酢飯との対比であろうか、新いからしく、
より柔らかく感じるし、また、あまみも。
やはり、すみいかは、酢飯と合わせてこその、もの。
にぎり鮨こそが、すみいかの最良の食い方であることが
実感される。
下足やエンペラもにぎって、食べる。
これも、また、うまい。
すみいか。
これも、秋の味覚。
できれば、江戸前、東京湾産のものが、
甦ってくれれば、、、もっとよい、のに。
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