断腸亭料理日記2009

秋葉原(神田佐久間町)麺屋武蔵 武仁

奥州麺処 秘伝 新御徒町店

10月31日(土)第二食、11月1日(日)第二食

今日もまたまた、二つ分。
ラーメン二題。

最近、ラーメンが食いたくなった。
いや、最近に限らない。
ラーメンというのは、好物である。
この日記には、あまり書いていないが、
週に二回くらいは、食べているだろう。

まずは、土曜日。

第二食、ラーメンが食べたくなり、近所で新しい店が
できていないか調べてみた。

すると、見つかったのは、
秋葉原、神田佐久間町の青島ラーメンというところ。

なんでも、新潟長岡ラーメンの東京進出店で、
『あの石神をして「新潟四大ラーメン」と言わしめた
「長岡流生姜醤油ラーメン」の代表店』、
ラーメンデータベース

と、いうことらしい。

石上、というのは、ご存知のラーメン王、石上秀幸氏。

と、いうことになると、やっぱり、ちょいと、覗いてみたくなる。

蔵前に用があり、昼過ぎ、徒歩で出る。

用を済ませ、ここから、浅草橋、
秋葉原・神田佐久間町へまわる。

浅草橋は、都営線の浅草橋駅で通勤定期券の更新。

神田佐久間町というのは、秋葉原でも昭和通りの東側で
神田川と総武線の間。

清洲橋通りを渡り、路地を西に。

と、すぐに、見つかった、のだが、、、、。
あれま。

お休み。

いや、正確にいうと、昼の営業が終わり、
休憩に入ったところ。

時間は14時半。

店の中では、まだ食べている人もいる。

タッチの差、で、あったか。

しかし、それにしても、この店は、この夏できたばかり、
らしいが、それでも、人気店になっているのは、
驚き。

またこよう。

こういう場合、困ってしまうのだが、
この界隈で、めぼしいラーメンやを、捜してみる。

と、、。
おお。
麺屋武蔵、があるぞ。
武仁、と、いうらしい。

場所は総武線のすぐ北。
昭和通りから、ちょいと入ったところ。

これはなんでも、浅草にあった、江戸きん
が移転したらしい。

江戸きんは、私も、たまには食べていたし、
内儀(かみ)さん、なんぞも、一人でいってもいたよう。
その内儀さんは、あそこ、なくなっていたよ、といっていた。

土日はほとんど列ができている御徒町の武骨
と比べてみても、お客の入りは今一つで、
陰ながら、心配をしていた。
それでも、普通の街のラーメンや、と、比べれば
入ってはいたと思う。しかし、従業員も多い麺屋武蔵系は、
彼らの売り上げ目標には、届かなかったのであろう。

浅草と、麺屋武蔵、とは、やはり客層が違う。
なんだかんだいっても、浅草は観光客の街である。
地方からきた人々に、東京で“コア”なラーメンやは、
縁は薄かろう。
(まあ、普通に考えれば、わかりそうなものである。
浅草という街をよく知らずに出店したのであろう。)

は、はー。

ここに移ったのか。

オープンは6月だったようである。
アキバであれば、まあ、いけそうか。

列はなく、すぐに入れる。

浅草にあったカレーがある。
他にはつけめん、味噌も。
とりあえず、ノーマルなラーメンを券売機で買う。


平たい太麺。
スープは、魚介の香りも強いが、脂ぎっとり。
焦がしねぎが浮いている。
ベースは豚骨しょうゆ、か。
大きな細長い角切りの煮豚入り。

私は、こってり系はきらいではなし、魚介系もいける。
〆て、うまいラーメンといえよう。

さて。

翌、日曜日。

もう一軒、今度は、もっと近所。
三筋。左衛門橋通り沿い。小島町の交差点から、
南に少しいったところ。

拙亭のあるマンションから、300mほど。

こんなご近所に?
はて、あのあたりに、そんな店があったっけ?。

名前は、奥州麺処 秘伝、というらしい。
味は、二郎もどき系(ラーメンDB)とのこと。

やっぱり、ラーメン王推薦(?)店。
こちらは、六代目佐々木氏。

二日続けて、ラーメン、それもこってり系の
連荘(れんちゃん)は、ちと考えものだが、これだけの
近所であれば、いってみずばなるまい。
日曜もやっているよう。

12時半頃、家を出て、歩いてくると、あった、あった。
一つ目の交差点のすぐ先。

カウンターだけ、数席の小さな店。
客は二人入っている。
こんな場所で、日曜日。
さすが、ラーメン王の威力か。

二郎もどき系、と、いう。

これは、ラーメン二郎のこと。

ラーメン界では知らない人はいない。
いや、ラーメンというジャンルには入りきらない、
いってみれば、おわかりになるが、とにかく強力、で、ある。

野菜山盛り、その他色々、特徴はある。
頼み方も独特。
様々な符丁が、あったり。

その例がここにもあり、にんにくは5個まで無料で入れてくれる。
また、上に盛られる野菜の量も大盛は無料。

これを食券に書く、ようである。

「秘伝そば」という普通のラーメンに、にんにくは2個。
野菜は普通で、頼む。


野菜の量も、二郎ほどではなく、少し安堵。

スープの味は、こってりでそうとうに濃い。
麺は太いちぢれ麺。

しかし、これも、なるほど、十分にうまい。


さてさて。

ご近所ラーメンや、二題(+α)であった。

しかし、それにしても、今の、この東京ラーメンや事情というのは、
なんであろうか。

そして、ラーメン王なるものの存在。

産んだのは、ご存知のTV東京のテレビチャンピオン。
石上氏などは、出すぎというくらい、いろいろなところに出ている。
佐々木氏というのは、調べて驚いたが、国立天文台の教授にして、
惑星探査にたずさわるRISE推進室長。れっきとした、高名な天文学者。
(不思議な人、で、ある。)

ともあれ、ラーメン王の推薦といえば、
どんな辺鄙なところでも、お客がくる。
今日のように、私なども、行ってしまう。
行ってみれば、まあ、さほどヘンな店は、少ない。
(まま、あるが。)

若者も含めて、皆、ラーメンが好きで、
その結果として、存在するのが、ラーメン王で、
いわば、皆の、ある種、化身といってもよいだろう。
彼らによって、東京のラーメン界が活性化するのは、
わるいことではない。

様々な変わり種も含めて、種々、工夫をして、
新しい味を生み出してくれるのは、楽しいことであるし、
前にも書いているが、東京の食文化の先端部分として、
そのレベルの高さは、もはや誇ってよいものだとも思われる。

この年齢(とし)になると、そうそう、
コッテリ、ギットリ、ばかり食べるわけにはいけないが、
それでも、話題の新しいラーメンやにいってみる、というのは、
心躍るもの、では、ある。




麺屋武蔵・武仁
千代田区神田佐久間町2-18-5 アークビル1F



奥州麺処 秘伝 新御徒町店
台東区三筋1-10-8 レジェンドビル1F




断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 |




BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2009