断腸亭料理日記2009

名古屋・ひつまぶし その1

7月29日(水)昼

さて。

今日、明日と出張。

今日は、午前中、名古屋で、夕方、大阪へ移動会議、日帰りし、
明日は、仙台。

12時半頃、名古屋の事業所での会議が終わる。
大阪での会議は、17時からなので、時間はある。

今日は、ゆっくりと昼飯が食えるぞ。

なににしようか。

お馴染みの、山本屋本店の味噌煮込みうどん
というのも、毎度のことで、芸がない。

名古屋のもう一つの大名物。
私の好物でもある、ひつまぶし。

うなぎといえば、東京人の私は、一二もなく
東京の蒲焼、なのだが、名古屋のもは、また、
別のものとして、べら棒にうまい。

前にも書いているが、もう十年ほど前、私は、名古屋に
三年弱ほど、単身赴任をしていた。

この時の、日記もある。

うな丼

ひつまぶし

この大友という、うなぎやは、10年前の値段だが、
1400円と、格安の上に、うまかった。
しかし、残念ながら、この店はもうなくなっている。

名古屋でも有名な店は、なん軒もあるが、
在住当時は、この店一本で、他の店はあまりいったことがなく、
知らない。

時間があるといっても、あんまり名古屋駅から離れるのも
いけなかろう、名古屋駅周辺で、うまそうな店を
少し調べてみる。

郊外にある事業所からJRで、名古屋駅に向かう。

調べてみると、名鉄百貨店に入っている、まるや、と、いう店。
前からあったのかどうかは、わからないが、列にもなるというので、
ちょっと、よさそうである。

名古屋でもうなぎや、というのは東京同様多いのだが、
やはり、それなりに、凸凹ある。

いや、東京以上に、店によってうまいまずいの差は、
大きいのかもしれぬ。

ご存知のように、東日本のうなぎの蒲焼は、蒸してから焼く。
(正確には、最初に白焼きをして、その後蒸し、
最後にもう一度、たれをつけて焼く。)
が、名古屋以西は、蒸さない。

名古屋は、この蒸しがないというのが、店によって、
うまいまずいの差が大きくなる、というのを産んでいる
のではなかろうか、と、思っている、のである。

東日本の作り方であれば、蒸しが入るので、
ある程度、どこでも柔らかくなるようには思う。

そもそも、蒸さないで焼く西日本の作り方だと、
東日本に比べ、圧倒的に、硬くなりそうである。
しかし、実際には、うまい店で食べると、
むろん、こんがりとはしているが、中は柔らかく
焼かれている。
うなぎ自身の品質、もあろうが、焼く技術の差、というのも
やはり、あるのだろう。
名古屋で一つ間違うと、硬くてパリパリしているだけ
という、うなぎに出会うことも少なくない。
従って、できれば、うまいと評判のところにいきたい。

ちょっと遅くなったが、13時半、名古屋駅を降り、
名鉄百貨店を目指す。
名鉄百貨店は、新幹線とは反対側の出口を出て、右方向。

私が名古屋にいた頃は、高島屋もまだできていなかった。
比べるとJRの名古屋駅は、だいぶ様変わりしている。

だが、JRの駅を出れば、地下街も含め、名鉄あたりも
あまり変わっていないようである。

名鉄百貨店のレストランフロア9Fへ上がる。
まるや、というのは、すぐに見つかるが、
噂通り、列。

昼時はもう終わっているだろうと、たかをくくってきたのだが、
店の前に並べて置かれ椅子には、15人以上は待っている。

東京では、列になるうなぎや、というのは聞いたことがないし、

(あ、南千住の、尾花

一軒だけは、例外である。
あそこは、予約をとらぬので、列、で、ある。)

本来、東京の作り方ではうなぎ蒲焼は、待つもので、
さらに列を作ってまで、待つ、ものではないのだろう。

名古屋でもっとも有名な蓬莱軒の、松坂屋本店の出店などでも
列になっているのを見た覚えがある。
名古屋人は、あまり列を作らないような気もするが、
うまいうなぎやは、例外、なのかもしれぬ。

先にきた人が、どのくらいかかるかを聞いている。
30分程度、と、聞こえた。
せっかくであるから、その位なら、待とうか。

こんな時間でもあり、列には私のような
サラリーマンはおらず、おば様ばかり。
場違いで気恥ずかしいが、列に付いて座る。

どうであろうか、30分は待たなかろう。
思ったよりは、早く入れた。

入ると、席数は比較的多いように見える。
私は、一人だが、四人席に案内される。

は、はー、これでは、時間がかかる。

東京の人気店であれば、間違いなく、相席に
させるであろう。
このあたりが、名古屋らしいところかもしれない。
意外に、名古屋のサービス業、客商売は、こうした
鷹揚というのか、贅沢、というのか、そんな
やりかたをするところもあるように思う。

5時までには、醒める、で、あろう。
またまた、内緒で(?)、ビール。

ひつまぶしは、上1990円、と、特上2980円、と、ある。
先ほどの、1400円とは大きな差である。
しかし、ここまできたら、特上で、いってみようか。

少し待って、きた。



そうとうに、長くなってしまった。

今日はここまで、つづきはまた明日。





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