断腸亭料理日記2009
12月27日(日)午後、29日(火)第一食
さて。
いよいよ、暮れも押し迫ってきた。
昨日で仕事も終わり。
この暮れ、正月は、1日、2日が金、土になっている。
毎年、暮れ正月といっても、日曜から木曜までの毎日配信、
というリズムは崩さないで書いてきたように思われる。
と、いうことは、1日、2日は、お休み、と、いうことになる。
まあ、毎年、同じようなものなので、改めて、
書くほどのこともない、かもしれない、が、、。
(そうであった、今年は、末広町の料理や、花ぶさの
お節を予約していた、のであった。これはたのしみ。)
だいたいにおいて、なぜ日曜から木曜までの
毎日配信なのか。
名古屋時代は別にして、`04年、この日記を
復活させた頃は、ほぼ毎日配信、を、標榜していたが、
休むとこきは、土日ではなく、ランダムに休んでいた。
しかし、いろいろ調べてみると、読んでくださる方は、
土日は少なく、ウイークデーが多い、ということが
わかってきた。
そこで、日曜の夜に配信し、月曜に読んでもらうところから
始まり、木曜の夜配信まで、ということにしたのであった。
今年の暮れ正月の配信は、暮れは今日までで、
明日明後日、30、31はお休みをいただき、
1日、2日から配信、ということにする。
さて。
テレビでは、今年一年を振り返る番組の花盛りで、
なんとなくもう、食傷ぎみ、で、あろう。
世の中を見ると、総じて、先の見えない年の暮れ、
そんな感じなのであろうか。
たいした根拠もないのだが、こういう状況は、
もう少し、そう、春ぐらいまでは、続くのではなかろうか。
そんな予感もする。
皆さんの`09年はどんな年であったろうか。
私のこの一年は、まあ、仕事が主ではあるが、
忙しさや、プレッシャーは相変わらず、なのだが、
あまりよいこと、パッとしたこともなかった。
従って、フラストレーションのたまる一年であった。
断腸亭としては、どうか。
これも仕事に引っ張られたようで
落語もご無沙汰、あんまり、パッとしていないように
我ながら思ったりもする。
結局、呑む機会が増え、体重も、腹も、、。
まあ、あまりよいことはなかったか。
わるい時は、わるいなりに、淡々と、やるべきことを
積み重ねる、仕事も、断腸亭しても。
それしかないであろう。
それで、明るい春を待つことにしよう。
で、今日は、暮れの締めくくりとして、
ふさわしいのかどうか、わからぬが、天ぬきと、
チキンライスの、二つ。
天ぬきは、27日日曜の午後。
一杯呑んでいたら、もう少し、なにか、、
と、思い付いて、作ってみた。
天ぬきというのは、なん度も書いているが、
蕎麦やで、最近、気に入っている肴。
できうれば、雷門の並木藪のものが、よい。
かき揚げを、甘辛い濃いつゆに浸(ひた)して、
ブヨブヨになったものをつまみにする。
文章にすると、あまりよいものではなく、
その実体としても、決してお上品なものではないが、
そうとうに、うまいもの、で、ある。
天ぷらそばが、なにがうまいのかというと、
サクサク、ではなく、衣が甘辛いつゆにひたって、
フニュフニュになったのが、うまい、のである。
もう少し、細かくいうと、最初から柔らかい
衣ではなく、やはり、最初はサクサクしたものが、
つゆに浸って、柔らかくなったものの方が、
よいように思う。
ともあれ。
海老は冷凍庫、に、あるが、面倒なので、
ねぎだけのかき揚げ、にする。
これでも十分であろう。
衣は、やはり、市販の天ぷら粉を1に、薄力粉を2、程度。
自分で食べるので、形は気にしない。
手早く、揚げる。
つゆは、鰹削り節で、濃く出汁を取り、
桃屋のつゆ、を伸ばす。
酒は、火鉢の鉄瓶で、燗をつけた、菊正宗。
私にとっては、申し分のない、
冬の午後の、一杯、で、ある。
さて。
もう一つ、チキンライス。
これは、今日、29日の第一食。
冷飯が余っていたので、作った。
チキンライスといえば、池波先生。
今年出た、先生の完全な食日記、
「食べ物日記―鬼平誕生のころ」(文藝春秋)にも
頻繁に出てくる。
これを見ると、チキン、鶏に限らず、
ハムだったり、豚だったりを入れている場合もある。
また、トマトライス、という言い方もしていることもあるが、
ようは、ケチャップライスが、お好みであったのだろう。
だが、これはやっぱり、チキンライス、鶏が一番うまい、
で、あろう。
私も、これは真似をしたわけではないが
チキンライスは、子供の頃から大好物、で、ある。
洋食や、でも、これは先生の真似だが、カツレツをもらっても、
白いライスではなく、チキンライスにする。
これが、ささやかだがぜいたくな気分もし、
よいもの、で、ある。
チキンライス。
子供の味覚、と、いわれれば、その通りなのだが、
やっぱり、うまいもの、で、ある。
と、いうことで、`09年、平成二十一年、丑年。
断腸亭料理日記は、今日まで。
新年は、一月元旦の配信からにいたします。
誤字脱字、誤謬、錯誤、その他いろいろ、
至らぬ点多々あるなか、一年間読んで下さり、
誠にありがとうございました。
心より、御礼申し上げます。
来年もまた、相変わりませず、断腸亭料理日記に、お付き合いを
いただければ、幸いでございます。
皆様には、よいお年をお迎えくださいますように。
断腸亭錠志
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