断腸亭料理日記2008

カマトロ

10月13日(月)夜

実は、昨日の(一昨日配信分)の太助寿司で
マグロが出、函館の戸井、と、説明をされた。

この時、最近、大間はどうですか?と、聞いたら、
大間は、これ、あげるよ、カマトロ。
といって、親方は、蓄冷剤と一緒に包んだ、
カマトロを持たせてくれた。

刺身で食えます?
食えるけど、脂がありすぎるから、ちょっと炙った方が、ね。
、ですよね。

と、いうことで、もったいなくも、
いただいてきた、カマトロ。

もちろん、冷蔵庫に入れておき、ペーパータオルに
包まれた、それを開けてみたのは
翌、夕方。


こんな感じである。
これを、知らない人が見れば、どうみても、
霜降りの牛肉、と、思うのではなかろうか。

適当な形容詞も思い浮かばない。
これぞ、大トロ。

まったく、見事、としかいいようがない。
非の打ちどころがない。

触ってみると、これがまた、びっくり。

冷蔵庫に入っていたはずなのだが、手にべっとりと
脂がつく。

たいへんなものをもらってしまった。

これはいったい、いくらぐらいになるのだろうか、
というような、下世話なことは考えずに、素直に喜ぼう。
切るのは、後回し、直前でいいだろう。
冷蔵庫に戻しておく。

やはり、炭で炙ってみるか。

夕方、七輪をベランダに用意し、火熾(ひおこ)しに炭。
ガスレンジで炭を熾す。

七輪に風を送るためと、部屋に煙が入らないようにするための
扇風機を用意。

それから、七輪の前に油が飛び散ってもよいように、
新聞紙を広げておく。

また、たれとして、酒としょうゆを合わせて、煮切った
ニキリも作り、しょうがもおろしておく。

ここまで用意をし、切る。
先日買った、刺身包丁、で、ある。


切ると、霜降りのすごさが、一段と際立つ。

ベランダの七輪へ移動。
扇風機の風を当て、炭をキンキンに熱くし、
金網を載せ、焼いてみる。


軽く炙るくらいでよいだろう。

おろししょうがを入れた、ニキリに、つけて、


食べる。

うおー。これは、思っていた通り。
生ぐささもなく、脂もよいあぶらで、
まさに堪えられないうまさ。

生でも、食える、といっていたので、
次に、生で、食べてみる。

脂はすごいが、むろん生でも食べられるし、
口と入れると、脂はすぐに溶けて、柔らかく、
そうとうにうまい。
だが、やはり、多少、火が入った方が、
口当たりはよいようである。

次。
もう一度、焼く。

う。

ちょっと、目を離すと、あまりにも脂が多いので、
すぐに、溶けた脂が炭に落ちて、もうもうと、煙が上がる。
あわてて、扇風機の風を当てて煙を飛ばす。
脂の煙りが当たると、あっという間に、煤けて、
いがらっぽい味が付いてしまう。
これでは、せっかくの霜降りだいなし。

やめよう。

炭を熾したのはもったいないが、
ホットプレートにかえよう。

軽く火を通すだけであるから、
ホットプレートでも十分機能は果たす。

内儀(かみ)さんと二人、うまいうまいと、
ぺろりと、平らげてしまう。

むろん、こんなちゃんとした、生マグロの
カマトロ、などというもの、初めて食べた。
寿命が延びた、そんな感じである。

親方、ごちそうさまでした。
最高でした。





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