断腸亭料理日記2008
10月10日(金)夜〜11日(土)午後
風邪を引いた。
いや、発熱、なのだが、おおかた、疲れであろう。
午前中から、熱っぽかったのだが、
夕方、外出先から直帰する。
ここ2〜3週間であろうか、たちの悪い風邪が
流行ってもいるようだ。
急に寒くなってきたからであろう。
私も、先々週あたりから、なんとなく、アヤシイ感じは
あったのだが、なんとか持ち堪えていた。
出張続きで多忙、ということは、気も張っている。
そして今週、火曜日に、一つ大きな課題が終わった。
といっても、当面の課題は次々とワイテくるのだが、
それでもやはり一つ終わったので、気が抜けた、と
いうことであろう。
今日は、もういいや、という気になった。
4時半頃、帰宅し、それでもメールのチェックやら、
電話をかけたり、、、。
なにを食べようか。
熱っぽいので、温かい汁物がよい。
先週のカンパチのアラのつゆが冷蔵庫にある。
一度、週中(しゅうなか)に塩を入れて、
潮汁としてそのまま酒の肴にしてはいた。
今日は味噌を入れて味噌汁にしてしまおう。
ついでに、飯も炊こうか。
潮汁にした時には、鍋に塩を入れず、お椀に入れたので、
鍋には味は付いていない。
そのまま、味噌を入れ、ねぎも入れて、少し煮込む。
アラ汁と、いうと生ぐさくなりがちであるが、
今回のカンパチはそんなこともなく、味噌汁にしても、
うまい。
飯とともに、この丼に四杯も飲んでしまった。
さすがにこれだけ飲むと、汗をかく。
これはよいことであろう。
酒は一滴も飲まず、寝る。
翌、土曜。
妙に、早く起きてしまった。
依然として熱っぽいのだが、
やはり、神経が緊張しているのであろう。
昨日、汁とともに、飯も随分食べてしまったからか、
熱で食欲がないのか、わからぬが、腹は減らない。
それでも、昼前、ふと、例のアラブのひよこ豆の
ディップ、ホンモスが食べたくなった。
酸っぱいものは、口当たりがよさそうである。
内儀(かみ)さんに聞くと、冷凍庫に茹でただけの
ひよこ豆がまだ残っていた。
皮の付いた豆をそのまま裏漉すのは、力がいる仕事。
私も、内儀さんも、くじけて、そのまま凍らせているという。
実は、一計を案じていたのである。
たいしたことはないが、裏漉す前に、ミキサーにかけたら
よいのではないか、と。
レンジで解凍し、さらに温め、少しお湯を入れ、
ミキサーで粉砕する。
あまり水分を入れすぎてしまうと、ゆるくなってしまうので、
堅めにするが、堅いと、なかなか、ミキサーも回らない。
少しずつ、お湯を入れながら、なんとか、ペースト状まで。
こうなれば、裏漉し器も簡単に通る。
レモン汁とオリーブオイル、塩、少量のクミン、
コリアンダーを入れ完成。
これでよいのかよくわからぬが、
力仕事は、そうとうに簡単になった。
味は、別段、変わらぬので、よし、としよう。
早く起きてしまったのもあり、まあ、いいか。
これで、ビール。
私には、ホンモスは、酒の肴、なのである。
食べていると、どうしたわけか、今度は、茶碗蒸しが
突然食べたくなった。
やはり、温かい、柔らかい、食べやすいもの、という
ことであろう。
鍋に水を張り、だしの昆布を入れて、少し温め、
火を止めて、しばらく置く。
昆布が柔らかくなるのを待ち、今度は、鰹削り節のだしも取る。
昆布を引き上げて、煮立て、削り節をたっぷり入れる。
弱火にし、3分ほどで止めて、置く。
引き上げた昆布は切って、酢としょうゆで、煮て
佃煮のようなものにする。
茶碗蒸しの具は、なにがよかろう。
普通は、なんであろうか。
銀杏?百合根?、、蒲鉾、、青み、、。
どれもない。
茶碗蒸しというものは、あの、出汁と玉子の固まったものが主で、
今日も、あの温かい、水分の多い柔らかい“もの”が、
食べたい、という動機。
であれば、なんにもなくとも、よい、ようなものだが、
やはり、なにか、あってほしい。
鶏肉、干し椎茸、、こんなものならある。
これでもよいかもしれぬ。
茶碗蒸しの具としては。
鶏肉は解凍するため、出しておく。
干し椎茸は、だしも出るだろう、今日は丸のままのがある。
先ほどの昆布と鰹の出汁に入れておく。
昼過ぎ、寝る。
・・・。
2時間ほど、寝た。
茶碗蒸し、作ろうか。
鶏肉も溶けているし、椎茸も、もどっている。
椎茸は出汁から出し、スライスではなく、1/4に切る。
鶏肉はもも肉。
一口に切り、しょうゆをふっておく。
茶碗蒸しの玉子と出汁の割合。
これがポイント。
そうそう作るわけでもないので、調べてみる。
1:4、1:3、とあり、どちらでもよいようである。
1:3でやってみよう。
玉子4個に出汁3カップ。
よく白身の腰を切って、だしと合わせ、裏漉し器を一度通す。
味付けは、気持ち砂糖、しょうゆ、塩、酒。
茶碗蒸しの器に入れ、鶏肉と椎茸を入れ、
玉子と出汁を合わせたものを注ぎ入れる。
一先ず、二つ。
蒸し器に水を入れ、加熱。
蒸気が上がったところで、器を入れる。
ふたと鍋の間に、箸をはさむ。
これは、スが入らないのと、水滴が落ちないように、という
コツらしい。(箸をはさんでおくと、温度が上がりすぎない、
というのと、ふたが斜めになるので、水滴が落ちない、とのこと。)
これで、7分。
できた。
黒いものは、だしの昆布を煮たもの。
ダシガラの昆布はたまにこういうことをする。
酢としょうゆで煮詰めるだけなので、簡単だが、
けっこううまい。
茶碗蒸しは、多少、表面に泡が出ているが、
味はよいであろう。
こういう風邪を引いて熱っぽい時にはよいだろう。
口当たりもよいし、温まり、汗もかくし、水分も摂れる。
うまい、うまい。
あっという間に、二つ、食べてしまう。
こうなったら、残してもしょうがない。
全部作ってしまおう。
残りは、二つと半分ほどできた。
結局、全部食べ、そうとうに汗もかいた。
玉子四個分、風邪よいのか?!、わるくはなかろうが、
いささか、食べすぎか、、。
また、寝る。
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