断腸亭料理日記2008

初鰹一本・その2

今日は昨日の続き。
初鰹一本と、悪戦苦闘中、で、ある。


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ここで、一計を案じ、もう一品。

味噌汁にしてみよう。
なまぐさみが消えるかもしれぬ。

まず、頭と中骨で出汁を取る。
きれいに洗い、一度、霜降り。

これを水から煮出しす。

出汁が出たところで漉し、味噌(信州味噌)を濃い目に
溶き入れ、先ほどの熱を通したタタキを入れる。

薬味にねぎを細かく刻んで、散らす。


うゎ、これでもだめである。
なまぐさい。

アラを煮出した時点でかなりなまぐさかったのだろう。

生姜スライスを加え、もう少し煮る。
ねぎをさらに増やして、なんとか食えるようになる。

鰹というのは、難しいものである。
昨年の6月も、一本おろしたが、
この時は、こんなことはなかった。
6月は、脂もあり、既にもどり鰹、で、あったのだろう。
初鰹と、もどり鰹とはこうまで違うものか。

今日のものの、鮮度や状態、あるいは、
血合いをきれいに取るなど、さばき方の問題、
などもあるのだろう。
やはり、プロの仕事でなければだめか。
よほど、デリケートなのかもしれない。

この日は、残った半身はラップをして、
冷蔵庫に入れておく。

翌日、23日(日)。

第一食は明日の配信として、鰹のその後について
書いてしまおう。

外出から戻り、3時過ぎ、残っている半身の鰹を
冷蔵庫から出す。

このまま放っておいてはよくないので、
オリーブオイルにでも漬けておき、
カルパッチョにでもしようと、思ったのである。

様子をみてみると、まだ生でもいけそうである。

どちらにしても、2サク分、昨日の反省を生かして、
すべての血合いを丁寧に取る。

そして、半分をパッドに並べ、おろしたしょうが、
にんにくのスライスをのせ、上からたっぷりと
オリーブオイルをかけ、ラップをし、冷蔵庫に入れる。

もう半分は、このまま食べよう。

しょうがを追加でおろし、しょうがじょうゆで、
食べてみる。

うん、うん。

やはり、血合いをきちんと取れば、
十分にうまい、初鰹らしい、初鰹で、ある。

また、これで一杯。

さて、夜。

カルパッチョ、で、ある。
先ほどのオリーブオイルをかけたものを冷蔵庫から出す。

このままでは、オイルが多すぎるので、少し、油分を切る。

味がまったく付いていないので、塩胡椒で和え、
上から軽く酢をかけ、なまぐさかろうと、ケッパーも添える。


ちょっとした前菜の一品という感じになった。

食べてみる。
なまぐさみはなく、わるくはないが、
オリーブオイルやら、にんにくに負けてしまい、
初鰹のあまみのようなものはなくなってしまっている。

やはり、しょうゆにはどんな調理法も
勝てないということであろうか。

ともあれ、そこそこうまく、
残っていたものも、全部食べてしまった。

いやいや、初鰹一本、なかなか難しいということが
よーく、わかった。

プロはどうしているのだろうか。
血合いは、どうであったか。
やはり、取っているように思う。

それからタタキ。
初鰹はあまり、タタキにはしなかったであろうか。

わからぬが、どこやらでは、タタキといえば串を打って、
藁(わら)で焼いたりしていたように思う。
やはり、ガスレンジなどで焼いたのは、乱暴であったか。

とにもかくにも、
素人にはとてもハードルの高いものであったことは
確か、で、ある。

こういう機会が次に訪れるかわからぬが、
まあ、よい勉強にはなったということであろう。



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