断腸亭料理日記2008
8月3日(日)第一食
やっと、一週間が終わった。
昨日は、後片付けやらなんやらで、仕事。
帰宅し、ビールを呑んで、飯を食って、
そのまま9時前には、寝てしまった。
起きたら、3時半頃。
暑くて、もう寝られない。
ぼんやりテレビを視ながら、なにを食べようか、考える。
そうである。
ちょっと、ツメ、を、作ってみようか、
と、思い付いた。
なん度か書いているが、ツメ、とは例の鮨やの、
甘いたれ、で、ある。
これは、穴子の煮汁。
これが、拙亭には10年以上あるのだが、
あの、ドロっとした感じではなく、シャバシャバ、
なのである。
ゼラチンを入れてみたり、色々しているのだが、
なかなか、ドロっ、にはならなかったのである。
これを、知りあいの鮨やの兄チャンに聞いてみた。
すると、特別なものを入れるのではなく、ひたすら
煮詰めるだけ、だという。
なるほど、そうであったのか。
これをやってみよう、ということである。
冷蔵庫にジャムの空き瓶に入れてストックしてある
シャバ、の、ツメを出す。
かたまっているので、軽くレンジで温めて、鍋にあける。
加熱。
煮立ってくると、アクが出てくる。
これを丹念に、すくうのだという。
アクをすくう。
ふむふむ。
しばらく、煮立てていると、なるほど、硬くなってくる。
色々、していたのが、まったく嘘のよう。
煮詰まっても、むろん、焦(こが)してはいけなかろう。
ドロっ、が見えてきたら、とめる。
実際には、既にかなり煮詰まっていたので、たいして時間は
かからなかった。
瓶に戻しておく。
さて。
これをかけて、なにか食べたい。
6時頃、三筋のスーパー、ヤマザキへ出かけてみる。
穴子などはないであろう。
ツメをかけで、食べられそうなもの、、。
蛤、などあるが、大きいもので、安くない。
刺身用のするめいか、一杯。
この、下足、で、よいであろう。
それから、見ていると、鯛の頭が安い。
これで、兜煮、でもしようか。
下足の付け合わせ用に、きゅうりも買う。
帰宅。
まずは、付け合わせ用のきゅうり。
表面から、桂剥(かつらむ)き。
わたの手前まで。
細く切り、水にさらしておく。
鯛。
霜降り用に、湯を沸かす。
頭は、残っている鱗を取り、よく洗い、笊に、入れる。
沸騰した湯を、両面にふりかけ、崩れぬように、
丁寧に、水で洗う。
大きな鍋に移し、水、しょうゆ、砂糖、酒。
味はかなり濃い目。
煮立てて弱火。
アルミホイルで落としぶた。
7分。
ここまでが煮魚では、鉄則。
これ以上は、煮てはいけない。
火を止めておく。
下足。
これは、胴体からはずし、切って、軽くボイル。
水気(みずけ)を切って、きゅうりの千切りとともに、盛りつけ。
できたての、ドロっの、ツメ、を、かける。
兜煮も、盛りつけ。
第一食からだが、今日はいいだろう。ビール。
やっとできた、ツメ。
これであった。
きゅうりも、うまい。
兜煮。
これは、めっけもの。
随分と、脂がある。
うまい、うまい。
満足。
一週間のストレス解消、で、ある。
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